【カミーノ1】衝撃の事実
<カミーノ1日目・前半>
終着点まで約800kmのフランス人の道。
スタート早々、最初にして最難関と呼び声の高いピレネー山脈が巡礼者の前に立ちはだかっています。
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そう、映画「星の旅人たち」
でダニエルが命を落とした場所。
悪天候のピレネー山脈で嵐に遭い、帰らぬ人となったところから物語がスタートします。
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標高0地点からいっきに1450mの峠を越えて、目的地のロンセスバージェス(Ronesvalles)までは25、6kmほどの道のり。
山の上は強烈な風が吹き荒れるという険しい道のりですが、晴れていたら絶景のようで、
運が良ければ朝方は雲海の降りた幻想的な光景を見ることもできるそうです。
初日から山越えをして25km先のロンセスバージェスまで辿り着くのは、まだ歩き旅に慣れない巡礼者にとってなかなかの困難。
体力に自信がなく徐々に慣らしていきたい人は、SJPPから約7km地点のオリソン(Orisson)というところで私営のアルベルゲに泊まり、
二日に分けてピレネー山脈を攻略する人も多々いるそうです。
ところが、たった一軒しかないOrissonのアルベルゲはいつも予約でいっぱい!
殿様商売で!?宿泊費もドミトリーで36ユーロとなかなか強気のお値段です。(食事付きだけど)
それでも、初っぱなから無理はしたくない!ともちろんオリソンで刻む気満々の私は、
予約をするために1ヶ月ほど前に宿に電話をかけたのですが、なぜだかそっけなく断られ。
マドリードに着いて再度電話をしてみたら、既に予約はいっぱいとのこと。
だから一ヶ月前に早めにアプローチしたのにーーー!
スタッフも殿様商売!?
まあ、日々巡礼者がひっきりなしにやってくるアルベルゲ、忙しいのでしょう。
SJPPの巡礼事務所で「オリソンはもう予約できないの?」とスタッフさんに聞いてみたら、
「私でも初日にロンセスバージェスまで歩けたんだから、あなたも大丈夫よ!」
と逆に励まされてしまいました。
いやぁ、ほんっとに自信ないんですけど・・・。
そんなわけで、私の最初の目的地は25km先のロンセスバージェス一択となってしまったのですが、
オリソンを通過する際にアルベルゲを覗き、ダメ元でベッドに空きがあるか聞いてみよう。
もしかしたらキャンセルが出てるかもしれないし。
一縷の望みを胸に、とりあえずまずはオリソンを目指します。
あいにく今日はこんなお天気。
雲海と青空の広がる美しいピレネー山脈は拝めそうにないな。
ヤコブの象徴であるホタテ貝のマークが巡礼者を導くカミーノの道しるべらしいけれど、全然見当たらない。
とりあえず前の人たちについて歩いて行けば道は間違わないよね!
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生まれて初めて使用するポールのおかげで足取りは軽快です。
この調子で、ロンセスバージェスまであっという間に辿り着いてくれたらいいんだけど。
25kmなんて距離を歩いた事は今までの人生で数えるほどしかないので、(幼い頃の登山とか)
ペース配分もかかる時間も距離感も、まだ分からないことだらけです。
それにしても、不安になるくらい歩く人をほとんど見かけません。
フランス人の道の出発地点であるSJPP。
多くの人がこの村から出発するはずで、もっとたくさんの巡礼者が列をなして歩いているものかと思っていたのですが。
少し寝坊して出遅れてしまったからか、それもとこの悪天候で出発をとどまる人が多かったのか。
気付けば前も後ろも誰一人いなくなり、ちょっぴり心細さを感じながら歩みを進めます。
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もう1時間以上は歩いたし、そろそろ7km地点のオリソンに到達してもいい頃じゃない?
そう思っていたら、
木々の間にオレンジ色の屋根。
小さな集落が見えてきました!
オリソンか!?ついにオリソンなのか!?
でもそれにしては、ここに来るまでに山道をぐんぐん登っている感じはなかったけど。
集落の終わりにはスーパーやカフェが入ったモールの建物。
あれ?オリソンってこんな街のイメージだっけ?
私営のアルベルゲ以外何もない山頂への通過点だと思っていたけれど。
多分、ここはオリソンじゃないな。
もう少し先なのかな。
とにかくまずはオリソンに辿り着きたい一心で、スーパーで買い物もせずカフェで休憩も取らず、
誘惑を振り切り、素通りして先を目指すことにしました。
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やがて、国道でしょうか?車も時折通る舗装されたアスファルトの道に差し掛かりました。
あれぇ?ピレネー山脈の道ってこんなだっけ?
もっと、傾斜のきつい山道とかさ、緑いっぱいの自然豊かな道なき道を歩いたりするんじゃないの!?
それでも、
まあこんなもんかと、その違和感の正体に気付きもせず!
微塵の疑いもなく、ピレネー山脈へ続く道を歩いているんだとその時は信じ切っておりました。
我ながらその鈍感ぶりに苦笑しますが。
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衝撃の事実を突きつけられたのは、さらに1時間ほど歩いた後。
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降ったりやんだりしていた雨が徐々に激しさを増し、いよいよ本降りの様相を呈してきました。
一度は脱いだポンチョを再び被って歩いていたら、
なんだかポンチョの内側がジトッと湿ってきているような。
と同時に、体が芯から冷えていくのを感じます。
なんせマドリードに降り立ってから昨日のSJPPまでの数日間はずっと快晴で、
春めいた気候で毎日ポカポカ暖かく、なんなら少し暑かったくらい!
まさかここにきて寒くなるとは思いもせず、今日もレインポンチョの下はTシャツと薄手のパーカーだけ。
もともと極度の暑がりな上に、歩いていたら汗をかくだろうと防寒対策をおろそかにしていた私。
完全に油断していました。
ポンチョの内側に染み込む雨が少しずつ体温を奪っていきます。
あ~寒いなぁ。
雨、もうやだぁ。
てか、オリソンまだ?
いくらなんでも遠すぎやしない!?
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SJPPを出て数時間。
二個目の集落に辿り着きました。
住宅街がこじんまりと並ぶ通りの小さなお店の軒下で少し雨宿りをしていたら、
お隣に、同じように雨をしのぎにきたおじさま。
「オリソン、まだですか?」
と訪ねてみると、
「ここは・・・だよ。
ここからロンセスバージェスまではもう何もないよ。」
ん?え??なになに?
どういう事?
時計を見ると歩き始めて3時間が経っていました。
ここまで休憩もせず、何も食べずにノンストップでやってきた私。
ただオリソンを目指す一心で歩き続けてきたけれど、
考えたら7km地点なんてもうとっくに過ぎているはず。
私は一体どこにいるの!?
ここから先は何もないって・・・。
とりあえずなんか食べよう。
バルに入ってびしょびしょのポンチョを脱ぎ、バックパックを降ろして身軽になると、
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★衝撃の事実 1★
えええ!?
何だこれ。
ポンチョの内側の方が、外側より水がしたたってるやんけーーーー!!!
雨に直接打たれる表より、雨から身を守ってくれていたはずの裏側の方が水滴が多いという謎の現象。
それはもう、染み込んでいるなんて可愛いものじゃない。
明らかに濡れているのです!
ネットで購入した4000円のレインポンチョ。
長さはちょっぴり寸足らずっぽいけど、バックパックごとすっぽり上半身を覆ってくれて、
コンパクトに収納もできるからいいかなぁなんてポチッとしたけれど、
不良品!?
まさかこんなに粗悪品だったとは。
ここはケチらずに、ちゃんとゴアテックスのジャケットを用意しておくべきだったか。
うう、やられたぁ。
どうりでポンチョ着てるのに濡れるし寒いわけだよ。
とりあえず裏返して椅子にかけ、休憩の間だけでも乾かします。
チョコデニッシュ(パン・オ・ショコラ)と温かいカフェラテ(カフェ・コン・レチェ)でようやくほっと一息。
空っぽの胃袋と疲れた体に甘いチョコパンが染み渡ります。
と、それより私は今どこにいるの!?
購入したものの、まだ全然活用できていないカミーノマップをここで初めて開き、
バルのwifiを繋げて現在地と照らし合わせてみると。
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★衝撃の事実 2★
私、私、
今、バルカロス(Valcarlos)って街にいる!!!!!
え?じゃ、なに?
オリソンは?
ピレネー山脈は?
頭の中プチパニック。
今頃になって知ってしまった驚愕の事実。
SJPPからロンセスバージェスへの道はなにやら二通りのルートがあるみたいで、
大半の巡礼者が辿るピレネー山脈越えのナポレオンルートと、(地図のオレンジの点々)
迂回して国道を辿るバルカロスルート。(地図の灰色と緑の点々)
そうです。私、バルカロスルートのまん真ん中、まさに今Valcarlosにいたのです。
ホタテ貝を注意深く見つけることもせず、全く気付かなかった(多分あったであろう)看板も無視して、
ただ何も考えず、前方にいる巡礼者の後を追って他力本願。
そしたらまさかの、ばるかろするーとだぁ!?
だから、こんなにも歩く人を見かけなかったのかな?
しかも、いつのまにやらフランスとの国境を越えてスペイン側に入ってるしー!!!
ピレネー越えのナポレオンルートだったらきっと、ここからがスペインですよ~なんていうサインがあって、
昔見ていた恋愛旅番組のあいのりみたいに、みんなで手を繋いでせーのってジャンプして国境を超える、
あの青春な感じで胸をときめかせながらスペイン入りを果たせたはずなのに(?)
いやそんなことより。
憧れのピレネー山脈・・・(泣)
カミーノって、フランス人の道って、ピレネー山脈から全てが始まるんじゃないの?
映画のダニエルが嵐に巻き込まれ、道半ばにして(いや、道のかなり序盤だけど)その運命を閉じたピレネー山脈。
彼の仇を私も取りたかったよ・・・。
カミーノマップの標高図。
分かります?
1450mの峠を越える上部のラインがナポレオンルート。
かたや、後半まではほぼ平坦な下のラインのバルカロスルート。
どうりで今まで起伏がなかったはずだ。
なんか山道っぽくないなーなんて思いながらも、疑いもせずに呑気に歩いていた自分に往復平手打ちお見舞いしたい。
そもそも。
なんで今朝、この雨の中、お天気待ちをせずに飛び出しちゃったんだろう。
もういっそ、ここからバス?タクシー?ヒッチハイク?何かしらの交通手段を使ってSJPPまでひとっとびで帰りたい。
カミーノを一からやり直したい気持ちでいっぱい。
800km中の、まだ12km。
今なら引き返せる。
今日はこんな悪天候だし、
仕切り直して、晴れの日に再出発してピレネー山脈からリスタート。
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チョコパンを頬張りもぐもぐ、カフェラテでグビッと流し込みながら、
頭の中、色々グルグルと思考を巡らしていたのですが、
でも、やっぱり、
たった12kmでも、ここまで雨に打たれながら頑張って歩いてきた道のりを、リセットするのも気が引ける。
全然カミーノムードのない国道の山脈迂回ルートに導かれたのも、
これこそ神の、ヤコブ様の思し召し?
お前にピレネー越えはまだ早いって?
幕を開けた私のカミーノ。
まだほんのわずかだけど、それでも一歩、一歩、歩いてきた道。
動き始めた歯車、もう元には戻れない。
前に進もう。
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カフェラテの最後の一口をすする頃には取り乱した心もだいぶ落ち着いて。
雨水を吸い込むのも早けりゃ乾くのも早かった、すっかり雫の落ちたポンチョをかぶり、
気合いを入れ直して外へ。
相変わらず、うっとうしいほどに雨はザーザー降り続いているけれど。
まだまだ折り返し地点。あと半分!
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ロンセスバージェスを目指してまた歩き始めます。
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