廃墟のモスクでお昼寝
ワンデートリップ。
チュニジアで幾度となくお世話になった乗り合いバンのルアージュに乗り込み、タタウィンから約20km。
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シェニニという山あいの村にやってきました。
斜面にへばり付く無数の穴ぼこ。
不気味にそそり立つ岩山の要塞、または巨大蟻塚のようにも見えます。
砂漠の民ベルベル人がアラブ人の侵攻から逃れるために山の上に築いたクサール群。
食物を蓄える倉庫の役目であったり、穴居住居、また敵から避難するのにも使われたそうです。
シェニニは11世紀後半に造られた最も古いタイプの山岳クサールだそう。
黄金色の谷にひときわ浮き立つ白亜のモスク。
あのランドマークを目印に、シェニニを散策してみます。
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日差し照り返す猛暑の中、クラクラになりながら丘の上へ上ると、
山々に囲まれたすり鉢状の底に比較的新しい建物がポツポツと見下ろせます。
現在300人弱の人がこの村に住んでいるそうです。
不毛な砂漠、過酷な環境の中で、
アラブと戦いながら生き抜いてきたベルベル人たち。
1000年の時の流れに思いを馳せながら。
昔とそう変わらないであろう目の前に広がる景色を眺めます。
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山の中腹に建てられた真っ白なモスクは、
淡いグリーンの扉が固く閉ざされて、残念ながら中へ入ることはできませんでした。
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ほとんど人気のないこの村で、やっとすれ違ったおじさんとロバ。
暑さ増す昼下がりには、誰も外になんて出て来ないのかな。
千年の時が止まった静かなシェニニでした。
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山岳クサール巡り第二弾。
翌日もまたルアージュを拾い、タタウィンからこちらも約20km。
廃墟の村ドゥイレットを尋ねてみました。
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降ろされたのは新村の方。
旧村まではちょっと、いや結構歩きます。
シェニニ同様、こちらも白亜のモスクがランドマーク。
ああ、随分と遠くまで来てしまったんだなあ。
なんて思わせられる景色。
ドゥイレットのクサール群はシェニニよりさらに忘れられた遺跡感満載。
チュニジア全土に言えることですが、団体の観光客はおろかバックパッカーさえもほとんど見かけることなく、
廃墟を贅沢に独り占め!がこの国の優位性。
暑さにさえ抗えば、世界観にどっぷりと浸り切ることができるのです。
まあ、人がいなさすぎて、
瓦礫の下敷きになっても誰にも見つけられないまま、
チュニジアの大地の一部となってしまいそうだけど!
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ひとしきりクサール群を探検して、
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店主不在のチャイハネの上。
丘の上のモスクへ足を伸ばしてみると、
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お、開いてる!
外の熱気を遮断するひんやりとした空間。
畳が足の裏から涼を運んでくれます。
飾り窓へ寄ると心地よい微風が吹き抜け、
火照りを冷ますのに最適です!
ゴロンと寝転がって、おもむろに読みかけの本を開きました。
灼熱の国で、何故か極寒エベレストにワープ。
いつの間にやらウトウトと睡魔に襲われて・・・
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どのくらい眠ったでしょうか。
1時間以上は爆睡していた気がします。
誰もいないモスクの中で読書とお昼寝なんて、
私にとって最高に至福の時間!
にしても。
住む人のいないドゥイレットの旧村で、このモスクは何のために存在するのでしょう。
誰が管理しているのかな。
廃墟の中の、不思議なモスク。
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山岳クサールはもうお腹いっぱい!
タタウィンに帰ろうと元来た道を新村まで歩き、
ルアージュを降りた場所まで辿り着いたのですが、一向に車が通る気配はありません。
え、これ、いつ来るんだろう!?
こんな炎天下で何時間も待ちぼうけなんて絶対に無理!
ヒッチハイクすら絶望的な車通りのない道の脇で、
困り果ててしばらく立ち往生していると。
拾う神あった!
建物からたまたま出てきた女性ががおうちの中へ招いてくれたのです!
中は、井戸端会議中の女性でいっぱい!
身振り手振りでタタウィンに戻りたいことを伝えると、
何やら電話を入れてくれて。
やってきた男性が車を出してくれることになりました!
チャーターなのでちょっぴり高くついちゃったけれど、ありがたや~!
ぶどうのお土産までいただいてほっこり。
親切なドゥイレットの人たちのおかげで、
無事にタタウィンへ戻ることができましたとさ!
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