【カミーノ26】転倒!牛追い祭り!
<カミーノ26日目>
収容力たっぷりのCALADILLA de la CUEZAの公営アルベルゲ。
二段ベッドの詰まった広いドミ部屋はほとんど空っぽで、今日も完全に出遅れてしまった私です。
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みんな早起きだなぁ。
顔を洗って歯を磨き、服を着替えて、
足裏と指の間にワセリンを塗り込みながら丁寧にマッサージ。
寝袋をたたみ、荷物をパッキングして、ベッドの簡易シーツを剥がし、
忘れ物がないかを確認してからベッドを降りて、
靴を履き、ウエストポーチを巻き、バックパックを背負って定位置にセットして、
ポールを両手に持ったら身支度完成!
これがカミーノの朝のルーティンです。
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宿を出ると、空には丸い白いお月様。
ここ数日はずっと好天に恵まれています。
早朝のおともはビヨーンと縦長な我が分身。
長く伸びる自分の影も、多分、巡礼路を歩く誰もが共感してくれるであろうカミーノの風物詩の一つじゃないかな。
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いつものように2、3時間歩いたところで、
小さな集落のバルに入りブランチをいただきます。
フレッシュトマトと卵のボカティージョ。
シナモンの効いたプリンまで平らげて、お腹いっぱいになって外へ出ると、
白壁の建物の脇にこんなサインを見つけて胸がときめきました。
サンティアゴまで、あと376km。
800kmのフランス人の道の(厳密には800km弱ですが)、半分以上を歩いてきたのだと思うと感慨深い。
折り返しを過ぎて、まだ倍の距離が残っていることを考えればちょっぴり気も遠くなるけれど、
400kmの道のりをここまで歩いてきたという事実は、
ゴールはもう夢のまた夢ではなく、現実に見えてきたことを意味する。
何より、
自分を褒めてあげたい気持ちが勝ります!
この私が400kmもの長い長い距離を歩けたなんて!
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思わぬサインとの出会いに励まされ、早くも本日後半に突入!
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広大なセメタの道は、どこまでも終わりのない平野と麦畑。
ブルゴスを出てからは、モストラレスの丘以外とりたてて起伏のない平坦な道が続いています。
スタート地点のSJPPからブルゴスの間に少しずつ作られた歩ける体は、
知らぬ間に強靭さも備わって、我ながらすっかり逞しくなりました。
(昨日の地獄ロードはなかなかにこたえたけどね・・・。)
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通りすがりのバルに吸い寄せられて二度めの休憩。
冷たい生搾りオレンジジュースで熱気を帯びた体温を沈め、
小一時間ほど休んでから再び歩き始めたところで、
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「ucaさん!」
声の方を振り向くと、
私以上に出発が遅く、今朝宿でバイバイしたtomoki君!
時速7、8kmの脚長高速歩行を誇る俊足の彼に追いつかれちゃいました。
しばし、一緒に歩きます。
向こうに見える赤茶色の街並みは、人口3300人ほどの街、サアグーン(Sahagún)。
今日の私の目的地です。
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あぜ道を、tomoki君と話しながら歩いていたら、
ビッターーーン!!!
!?
窪みにつまずいて見事に転倒してしまいました!
それはもうスローモーションのように、背中の荷物が後押しして綺麗に前方へダイブ!
「痛ーーーい!びっくりしたぁ!」
お喋りに夢中になりすぎて、足元の意識が完全にお留守になっていたようです。
幸い怪我はなく、咄嗟に付いた手の平を擦りむいたくらいで済んだけど、
こんなに派手に転ぶなんていつ以来だろう!?
膝が完治してからはすこぶる快調な私の脚ですが、
ここ最近、歩行中に足首をひねりかけて冷やっとすることも増えていたのです。
怪我なんかしていられない。
このまま最後まで歩き切るんだから。
気をつけないと。
と思いつつも、
心配そうに手を差し伸べるtomoki君をよそに笑いながら立ち上がり、
その後も懲りずに、何事もなかったかのようにぺちゃくちゃお喋りを続行しちゃいました!
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二人で歩いていたら瞬きみたいにあっという間。
Sahagúnの街に着きました。
一昨日、昨日と一日30kmほどを歩いてきた私は、
今日の距離(22km弱)は少々あっけなかったかな?←すぐ調子に乗る
tomoki君はもう少し先を目指すということでここでお別れをし、
街の入り口にあるアルベルゲへ。
建物の中に入ると、天井が高くだだっ広い倉庫のようなお部屋には二段ベッドが無数に並び、
日の光がほとんど入らない薄暗さと埃っぽさが気を滅入らせて、ここにチェックインしたことを少し後悔しました。
けれどもアルベルゲを移動する気にもなれず、せめて外の明かりが漏れる入り口に近い適当なベッドを選び、
簡易シーツを取り付けて荷物をほどきます。
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シャワーを浴び、洗い物をしようと衣類をまとめたところで気が付いてしまいました。
洗剤がない・・・。
日本から携帯してきた、無印のミニボトルに詰め替えていたお気に入りの液体洗濯洗剤。
昨日の宿の洗い場に置き忘れていたのです。
くぅぅぅぅ、悔しいっ!!!
転倒よりもはるかにショック。
旅の荷物としては過去に類を見ないくらいミニマムで、
ゆえに持ち運ぶアイテムは全てが重要、どれ一つとして無駄のないセレクション。
最後まで忘れ物、落し物ゼロで乗り切るつもりだったのですが、ついにやってしまいました。
よりによって洗濯洗剤・・・。
近々買い直すほかありません。
かさばらないコンパクトサイズの液体洗剤なんて、そんな気の利いたものスペインにあるかな。
しかも、通り過ぎるのは売店がひとつしかないような小さな田舎の村々。
レオンまでは容易に見つけられないかもしれない。
仕方なくこの日はボディソープで代用。
なぜか洗い場のないこの宿の、シャワー室の洗面所で衣類を手洗いするのはためらわれ、
外に見つけた蛇口ホースでじゃぶじゃぶと豪快に洗い、
幸いすぐにも乾かしてくれそうな青空のもとに洗濯物を干して、本日最後のひと仕事は終わりです。
お腹すいたー!
ご飯!
ビール!
アルベルゲに併設されたレストランに入り、いつものようにペレグリーノメニューをオーダーします。
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心落ち着き、ゆったりと至福の時を過ごしていると、
レストランのバーのマスターと談笑していた男性から声をかけられました。
生まれも育ちもSahagún、現在はレオンで仕事をしているというJuan。
彼に、闘牛のお祭りがあるから一緒に行こうと誘われて。
面白そうだからついて行ってみようかな。
食事を終えて、彼に連れ出されるまま外へ出ると、
簡易的に設置された木の柵に人々が張り付いています。
来る時は気付かなかったけれど、アルベルゲの裏手はなんと闘牛場だったのです!
「ここを牛が走ってくるの?」
「そう、もうすぐ始まるよ!」
とJuan。
あれよあれよと流れに身を任せ、
予期せぬ出来事に脳の処理が追いつかないけれど、
これは、牛追い祭的な?
パンプローナのサン・フェルミンみたいなもの?
こんなところで見られるなんて、ラッキーじゃない!?
とりあえずオーディエンスにならい、柵の上を陣取って、カメラを片手にドキドキしながらスタンバイ。
パン!パン!パン!
3度の花火の合図が鳴り響き、
やがて、
来たーーーー!!!
ブルズの集団がすごい勢いで目の前を駆け抜けます!
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そのまま闘牛場を目掛けて突っ走るブルズ。
私たちも追いかけて移動します。
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闘牛場へ入ると、円形スタジアムには地元の観客で大にぎわい!
よく見ると区画ごとにシャツのチームカラーがあるようで、
それぞれが競い合うように、順番にブラスバンドを鳴らします。
我がチームの演奏が始まると、立ち上がってノリノリで踊り、声を張り上げて場を盛り上げる観客たち。
Juanにビールを何杯も奢ってもらい、ほどよくフワフワになってきました。
地元っ子ゆえに、お姉さん、甥っ子、友達、仲間。
周りは彼の知り合いだらけ!
Juanの幼馴染の親友、32歳。
ちなみにJuanは34歳で、二人とも私より年下・・・。
外国人って老けすぎでしょ!笑
闘牛場に目をやると、オーディエンスが好き放題に乱入し、半ば無法地帯!
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私が想像していたような、
正装して「Ole!」なんて言いながら赤い旗を翻す闘牛士と、闘志をみなぎらせて興奮する牛との一騎打ちみたいな、
手に汗握り、緊張感ほと走るバトルとはほど遠い、
なんともゆるーい闘牛?が目の前では繰り広げられていて、
「昨日は甥っ子も中へ入ったんだよ。ucaもおいでよ!」
とJuanに誘われて一瞬行こうか迷ったものの、
ここで調子に乗って場内乱入し、牛と闘って角で一突きされでもしちゃったら、
怪我をして、本来の目的であるカミーノ踏破が達成できない!
と思い直してやめました。
ついさっき転倒したばかりだしね。
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そういえば、闘牛を観戦したのは二度目だったことをふと思い出しました。
あれは南米パラグアイの、日系人が多く住む地域。
その見世物小屋みたいな闘牛祭では対戦相手に牧場の牛が引っ張り出され、
普段は草を食み、広大な牧草地でのんびり暮らす牛さんたちの闘士を煽るのに難儀していたけれど、
Sahagúnの牛たちもそんな感じかしら。
時折ちょっかいを出して来る人間目掛けて走ってはみるけれど、すぐにスイッチが切れて立ち止まっていたような。
スペインの三大祭にも数えられる、かの有名な牛追い祭り、パンプローナのサン・フェルミン。
テレビや画像で見た、狭い路地を人間の大群と牛たちが怒涛のごとく走り抜けるあの迫力とは程遠いけれど、
世界中から観光客が押し寄せるお祭り期間の宿代は高騰し、
押しつぶされるほどの人だかりと決死の観戦、スリなんかも多発して治安も悪化するであろうパンプローナと比べて、
観客は圧倒的に少なく、場所取りなんて必要ないし、
まったりと牛追い祭りの雰囲気を味わえるSahagúnは案外穴場スポットかも!
「牛追い祭りは5日間行われるんだ。
パンプローナは人が多すぎるから、こっちがmuch betterだよ!」
とJuan。
うんうん、そうかも!
カミーノが順調に終わったら、7月のサン・フェルミン祭を見にパンプローナを再訪してもいいな、なんて思っていたけれど、
これで案外満たされちゃった私なのでした。
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いつの間にか牛さんたちは引き上げていて、
なんとなく終わっていた闘牛イベント。
その後はJuanの仲間たちと連れ立って街のバルをハシゴ。
皆さまにお酒をしこたまご馳走になって、久しぶりに結構酔っ払ってしまいました!
貴重な経験をさせていただいてどうもありがとう!
あ、お酒も、
muchas gracias♪
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まだまだ宴は続きそうだったけれど、明日があるので一足お先に帰らせていただきました。
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祭りのあと。
夕日を浴びて寂しげに佇むコロシアムを横目に、
アルベルゲへ直行です。
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酔いと疲れが全身を巡り、
真っ暗な大部屋の、上段のベッドに倒れこむなり、
コトリと電池が切れてしまいました。
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■カミーノ26日目
2017/6/12 (月)
CALADILLA de la CUEZA – Sahagún <21.7km>
アルベルゲ / Domus Viatoris ドミ7ユーロ Wifi ○
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