芸術に触れる旅 in サンクトペテルブルク
美術にも音楽にも疎い、芸術とは程遠いわたくしですが、
分からないなりにも美しいものを見たり聞いたりするのはとても好き。
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時には敷居が高く感じてしまう芸術鑑賞も、異国の地ではすんなりとそのハードルを飛び越えられたりして。
新しい体験は感性を豊かに、また自分の引き出しをちょっぴり増やしてくれる気がします。
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さて。
絵画、バレエ、クラシック音楽など芸術盛んなロシア。
サンクトペテルブルクでは日々、足繁く舞台鑑賞に出向きましたので、
順を追ってご紹介させていただきます。
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<オーケストラ@フィルハーモニー小ホール>
ホームページで公演をチェックして訪れたサンクトペテルブルク・フィルハーモニー。
この日はアゼルバイジャン、バクー出身の指揮者によるオーケストラ。
スヴィーリドフ、チャイコフスキー、ハチャトリアンと、
演目は全てロシア(旧ソ連)を代表する音楽家のラインナップで、これは見に行かねば、と。
座席表を見ると一番高い席で1600円、安いところは1000円という激安プライス!
一番前と後ろで迷ったのですが、
とりあえずまずは手始めに、一番後ろの一番端っこを選びました。
見えにくかったら立てるしね!
美しい音の調和が耳心地良く、心が喜ぶあっという間の時間でした。
特にトランペットとフルート、コントラバス?の音色が好きだった。
穏やかな調べはうっとりと聴き惚れ、リズムの速い盛り上がる曲は体の内側から湧き上がる躍動感!
演目も折り返しを過ぎて終盤に差し掛かったところ、流れてきたのはハチャトリアンの「仮面舞踏会」。
大好きな元フィギュアスケート選手、浅田真央さんがロシア人コーチのタチアナ・タラソワのもと、
2008年のフリーとバンクーバーオリンピックのショートで滑ったプログラムの曲です。
しかも、ここフィルハーモニーの小ホールは、
ハチャトリアンが「仮面舞踏会」の曲を生み出したさまにその場所だそうで。
真央ちゃんがくるくる舞う姿を思い浮かべながらオーケストラの生の音に触れていると、感動で涙が溢れました。
ロシアでラフマニノフ聞けたら贅沢だなぁなんて思っていたけれど、仮面舞踏会も最高!
情感たっぷりの演奏が素晴らしくて、
演目はまだ続くのに、曲が終わると思わずスタンディングオベーションしそうになってしまいました。
最初から最後まで大満足のオーケストラ!
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<オペラ「フィガロの結婚」@マリインスキー劇場>
手持ちの小汚いお洋服たちの中からなんとかマシなのを引っ張り出し、精一杯の小綺麗を演出して(!?)
マリインスキー劇場へオペラを見に出向きました。
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一歩中へ入ると優雅な気持ちに包まれる劇場の空間。
演目は、オペラ「フィガロの結婚」
海外に出て人生で初めてオペラを見てからその後何度か鑑賞したけれど、
初心者には何より分かりやすさが大事。
オペラって公演時間が長いしセリフも分からないし。
もちろん、前もって簡単なあらすじは予習していくのですが。
今回の「フィガロの結婚」はというと、
登場人物が多く、
お互いの衣装が入れ替わったり変装したりでもう誰が誰だか分からん!(笑)
字幕はもちろんロシア語だし。
全体的にコミカルで、吉本新喜劇風だな、という印象でした。
薄っぺらい感想ですみません。
アルメニアで見た「アイーダ」くらいど派手で華やかで明快だと心から楽しめるんだけど。
ま、あの時は優秀な解説者が横にいてくれたからってのも大きいか。
衣装はとってもゴージャスです。
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<バレエ「ラ・シルフィード」@ミハイロフスキー劇場>
マリインスキーより小ぶりなミハイロフスキー劇場。
オーケストラ陣もよく見下ろせます。
「ラ・シルフィード」はスコットランドの農村が舞台。
伝統衣装のチェックのスカートにバグパイプやバイオリンの調べがスコットランドを彷彿とさせます。
結婚式の様子を描く前半はアイリッシュ調の音楽に合わせて軽快に踊り、
衣装もカラフルで群舞も華やか。
第二幕は白い妖精たちの舞う世界。
結婚式当日に、心奪われた妖精シルフィードを追いかけて奥様を置いて飛び出した旦那様!
魔女から受け取った呪いのスカーフをシルフィードにかけてしまい、彼女は息絶えてしまいます。
一方取り残された奥様は別の男性と結婚してハッピーエンド。(ホッ・・・)
ストーリーは、平たく言えば不倫劇!?
登場人物にあまり感情移入はできませんでしたが、ふわふわと踊るバレリーナたちを見ているだけで眼福!
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<バレエ「ジゼル」@マリインスキー劇場>
ラストは再びマリインスキー劇場。
演目はバレエの「ジゼル」
事前予習でチェックしたいくつかのブログのうち、この方のあらすじが面白かった!
ゲスきのこ登場の四コマ漫画で「ジゼル」を分りやす〜く解説してくれています。
↓↓↓↓↓↓
ラ・シルフィードに続き、
いやジゼルの方がもっと、どの登場人物にも全く感情移入できんっ!笑
ジゼルに恋をするヒラリオンがあまりにも不憫過ぎ。
シルフィードは妖精たちだったけど、こちらは美しい亡霊のような存在ウィリ。
どちらも軽やかに舞い踊る姿が人間離れしていて幻想的で、
彼らダンサーたちが人間であることを忘れさせてしまう。
お話はん〜・・・だけど、バレエは文句なしの美しさでした。
プラハで見た「白鳥の湖」、そして今回の「ラ・シルフィード」と「ジゼル」
これにて三大バレエ・ブラン制覇です!
バレエ・ブランとは日本語に直訳すると「白いバレエ」という意味で、
女性ダンサーが白いコスチュームを纏って踊るロマンティックな古典バレエのこと、だそう。(by wiki先生)
で、私が思うにバレエ・ブランって、
愛に狂う、愛に敗れもがき苦しむ、愛ゆえに死んでしまう、そんなお話ばかり。
てか、だいたい死ぬ。
最低一人は死ぬ。
(白鳥の湖に関してはハッピーエンドとバッドエンドの二種類がある。)
冷静に考えると解せない、疑問だらけの内容だったりするけど、
愛執やエゴが美しく舞台に昇華されて、
はたまた美しい衣装と音楽、美しすぎる無重力の舞いが合わさり、
なんだかとっても儚いのです。
人の気持ちも、肉体も。
ストーリーを楽しむのではなく、その非現実な世界観にどっぷり浸り込むのが正解かな。
以上、
サンクトペテルブルクで触れた本場ホンモノの芸術たちの、
エセ芸術鑑賞家による浅~い感想をお送りしました!
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ロシアで残された時間はもうあまり多くない。
次の街へひとっとびします!
※2017年10月の旅のお話です。
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