路地裏のニャンコたち
朝ごはんを食べ、出かける支度を整えて鉄道駅へ向かうと、
乗るはずだった電車が、目の前で無情にも発車してしまいました。
本当に、目の前で！
ああ、あああぁぁぁ・・・
情けない声が漏れてしまうほど。
あと1分早く駅に着いていれば乗れていたかもしれないのにー！
駅員さんが言うには、次の電車は約1時間後。
悔やんでも仕方がない。
ボーッと次の電車を待つのは時間がもったいないので、気持ちを切り替えて急遽今日の行き先を変更。
駅からタクシーを拾ってルアージュステーションへ向かいました。
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スースからルアージュ（乗合タクシー）で約1時間半。
7世紀に建設された古都、
北アフリカのイスラム発祥の地、世界遺産の街ケロアンです。
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＜スース日帰り旅その2/ケロアン＞
ここケロアンはイスラム教徒にとってとても重要な地。
サウジアラビアのメッカ、マディーナ、イスラエルのエルサレムに次いで4番目の聖地とされ、
7度のケロアン巡礼は、メッカの一度の巡礼に値するとまで言われているそうです。
つまりチュニジア一、いや、アフリカ一のイスラムの聖地ケロアン！
と聞くと、巡礼者で街がごった返し、さぞや大賑わいの場所なのだろうと想像したのですが、
そこはさすがチュニジア。
この街もエル・ジェム同様、とても静かでゆったりとした時間が流れ、
スークでは地元の人々の生活が垣間見え、路地を歩けばニャンコたちがまったり。
外国人にはちょっぴり敷居が高く、そこかしこに熱烈に祈りを捧げる信者たち、
神聖なオーラを放ちまくるザ・聖地のイメージとは程遠い、
（ちなみに今まで訪れた場所で、私のイメージするイスラムの聖地はエルサレムとマシュハド！）
ここはのどかなフツーの田舎街といった雰囲気で、
それが私はとてもとても気に入って、
路地に入り込んではせっせとカメラを構えるのでした。
670年に建設されたアフリカ最古のグランド・モスク。
幾度となく修復が繰り返されて現在の姿を見せています。
モスクの中をチラリと覗き見。
ひんやりとした石造りの建物の中、床一面に畳が敷き詰められて、
猛暑から逃れ涼を取るのにも適しているのでしょう。
ここでお昼寝したい！
ひとしきりグランド・モスクを堪能したあとは、いつものようにメディナ散歩へ繰り出します。
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白壁に淡いイエロー、差し色のチュニジアンブルーが爽やかに映える。
強烈な日差しが遮られる路地の中は暑さも疲れも感じさせず、どこまでも歩いて行けそうな魅惑の迷路なのです。
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この路地にお似合いの美猫さんをあちこちで見つけて！
気分はすっかり岩合さん！？
ニャンコハントのスイッチが入った私は、グラビア撮影ばりに猫たちを激写して参りました。
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以上、ケロアンの路地裏ニャンコギャラリーでした！
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人気が増すスークエリア。
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ケロアンはカーペットの産地としても有名。
店内や軒先に、素敵なカーペットが並びます。
工房を覗くと、大きな機織りをカタンコトンと操る職人さん。
積み上がったカラフルな糸たちが、彼らの手によって美しい絨毯に生まれ変わるのです。
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こちらはケロアン名物、ラクダ井戸のビル・バルータ。
白いドーム屋根を持つ建物の中を覗くと、
カラフルな布で飾り付けられて目隠しをしたラクダさんが佇んでいます。
ラクダがゆっくりと井戸のまわりを一周すると、繋げられたロープで水が組み上がる仕組み。
この井戸はメッカへ通じているという言い伝えがあり、この水を飲むとご利益があるそうで、
巡礼者たちは聖水を求めてここビル・バルータを訪れます。
ラクダさんとラクダ使いに少しばかりの心づけを渡して。
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今日は、この暑い中をグルグルよく歩き回りました。
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疲れた体には糖分補給を。
ケロアン発祥のチュニジア菓子、マクロウドをつまみ食いです。
デイツのペーストを小麦粉の生地でくるみ、揚げてハチミツとゴマをまぶした甘ーい郷土菓子で、
甘党の私はペロリです！
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そろそろ帰ろうかと旧市街の門をくぐると、
チュニスに負けず劣らず、いやそれ以上に圧巻な！男たちがぎっしりとたむろするカフェ！
静寂のメディナからは想像も付かない人の数！
お酒を飲まないムスリムにとって男たちの娯楽はとても限られているから。
（基本、婚前の男女のお付き合いも禁止されているイスラム教）
これは、日本でいうアフター5の居酒屋感覚なのでしょうか？
濃いー男たちがこんなにも密集している様はちょっと迫力、というか若干近づきがたい感じもするけれど、
よくよく見るとみなさんリラックスした表情で、仲間や友人との午後のティータイムを楽しんでいるみたい。
ビールジョッキ片手じゃなくて、大きな男たちの手には小さなチャイグラス。
なんだか可愛く見えてきた。
とても興味深い光景です。
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特に派手さはないのだけれど、なんだかこの街をとても気に入りました。
今まで訪れたチュニジアのメディナの中で一番好き。
入り組んだ路地に迷い込む幸せを、ひしひしと感じたケロアン散歩でした。
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