パレスチナ自治区と芸術テロリスト「バンクシー」
この日はkazu君とバスに乗り、
エルサレムから南に約10キロのベツレヘムへ!
カトリック幼稚園に行っていた私は、幼少期の頃からその名を耳していた。
そう、ベツレヘムとは、「イエス生誕の地」なのです!
ベツレヘムはパレスチナ自治区の中にある街。
バスは分離壁の検問所をくぐり抜けて内部に入ります。
行きは特にチェックもなく、サラッと入れたな。
帰りは全員がバスを下ろされ、パスポート提示と荷物チェックを求められました。
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さて、ここにやってきた一番の目的は、「バンクシー」の壁画アートを見て回ること!
バンクシーとは、生年月日未公表のミステリアスな覆面芸術家。
世界各地で社会風刺的なグラフィティアート、ストリートアートを、
無許可でゲリラ的に描いてまわるという活動をしており、
一部の人々からは「芸術テロリスト」と呼ばれているそうです!
といっても、彼のこと、知らなかったんですけど★
kazu君が調べてくれたのでした(笑)
そんなわけで!!!
「バンクシーの壁画が見たい!」とタクシーを拾って連れてこられたのが、
こちらっ!!
イスラエルとパレスチナ自治区の分離壁。
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延々とどこまでも、壁画が描かれています。
ほぼ全て、風刺的なものやパレスチナの自由を願う作品ばかり。
そして、どれもハイクオリティ!!
・・・で、えっとぉ。
どれがバンクシーの絵なんだっけ!?←オイ(笑)
この分離壁の前にバンクシーショップがあるので、こちらのポスターを写メ写メっと。
で、お店の人に聞くと、この絵たちは各地にちらばっているらしく、
バンクシーの絵を見て回るにはタクシーをチャーターしなければ!
て事で、先ほど拾ったタクシーに値段交渉。
あまり英語が通じないし、バンクシーショップのおじちゃんとグルで応戦してくるから、
なかなか値段が下がらない(><)
それでも、私の※値引ぎり交渉術その1「フレンド作戦」を駆使して、
なんとか値切り成功!?
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※値引ぎり交渉術その1「フレンド作戦」とは
ついついヒートアップしてしまい、時にはイライラ、ケンカ腰になりがちな!?値段交渉。
だいたい観光客プライスでぼったくってくるし、相手は何倍もの値段をふっかけてくるしで、
値段交渉はとっても精神が疲労する時間です。
できればスムーズにまけてもらいたい!
で編み出したイライラの真逆をいく戦法!
交渉も大詰めの時に、
「マイフレーンドヽ(*′ω`)ノ゙」と、ニコニコ笑顔でこちらから握手の手を差し出したり肩を抱いて、
「ね、フレンド、お願いっ!マイフレ〜ンドPq゚v`◆)」
と相手の心情に訴えながら、最終的なこちらの言い値に近づける♪
北風と太陽の太陽側。
よしゃっ、その値段でOK!って気分にさせる作戦。
これがマイフレンド詐欺、いやいやマイフレンド交渉術なのです!(笑)
値切りで喧嘩するより成功率5割増し!
ちなみに、アジアや中東諸国などで?
店先から、「フレーンド」とやたら声をかけられたり、
購入する際に「フレンド!」と勝手に友達にされる事が多く、
そこから考案したフレンド返し!
kazu君もなるほど〜と舌を巻く、平和な値引き術なのでした♪
是非お試しあれ。
わ、どうでもいい話を随分と引っ張っちゃった(笑)
そんなこんなで、タクシーに乗り込みバンクシーアート巡り出発!
女の子が風船を持っている絵。
女の子が兵士をボディチェック?している絵。
防弾チョッキを着た平和の象徴ハトが、銃でロックオンされている絵。
本当に街のあちこちに散らばっていて、
しかも、こんなところに!?という見られにくい場所にさりげなく描かれている。
これは、個人では回れないな。タクシーをチャーターしないと無理!
そしてラストが、
タクシーの運転手さんもよく場所を知らなくて、聞いてまわってようやく辿り着いた、
分離壁からはるか離れた場所にある、一番有名と言われるバンクシーの絵。
ガソリンスタンドの一角の裏手にまわると現れる、
この絵!
爆弾の代わりに花束を投げている。
彼が2005年にヨルダン川西岸地区のパレスチナ側の分離壁に、9つの絵を残した際には、
「イスラエルの治安部隊は空に向けて発砲で威嚇をし、かなりの銃が彼を狙っていた」
との事。
剣を筆に変えて戦っていたのでしょうか。
ひとつひとつにメッセージが込められている絵。
ガイドさんに説明を聞きながら回ると、もっと興味深かっただろうなぁ。
2014年にはガザ地区で、4つのグラフィティアートを残したそうです。
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バンクシー巡りはとりあえず終了。
次は街中にある、イエスの生誕の地を見に行こう!!
ところが、
完璧に見えたフレンド戦法に、まさか落とし穴が!!!
せっかく値切って喜んでいたというのに、
タクシーの運転手、
「ワンウェイって言ったからね、ここで終わりだよ。」
なんと、帰路は乗せてくれないという。
フレンド戦法、もう通用せず(笑)←ダメじゃん★
こんな街の外れのどこだか分かんない場所に下ろされて、私たち一体どうすりゃいいのーーーヽ(≧Д≦)ノ!?
ガソリンスタンドの人に、目の前の道からミニバスを拾えるから、と教わり、
なんとかミニバスを捕まえて、無事に街の中心部に辿り着いたのでした。
まずはとりあえず、聖誕教会を目指して直行。
到着!
教会内部に入ってみます。
中は人で溢れ返っていました。
ここもまた、多くのクリスチャンが訪れる場所。
内部は補修作業で工事中。
地下へ続く階段の入り口。
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ここがイエスが生まれた洞窟です。
幼稚園の頃、ヨセフとマリアがイエスを生むまでの劇をやった記憶が。
主役のマリア様は花形!
誰もが憧れる最高のポジション!!
マリア様に選ばれた女の子には、きっと周囲から羨望と嫉妬の眼差しが注がれていたはず!!
もちろん私は、詳細は覚えていないけれど、○○Aとかそんな端役だったと思われます(笑)
小さく無垢な子どもが、初めて下克上の世界に直面し、シビアな現実を知った瞬間だったかもしれません★
だって、記憶に残っているくらいですから!
ところが最近の保育園や幼稚園は、
例えば白雪姫だったら、女の子みんな白雪姫の役だったり、
みーんなお姫様や主役で、しっちゃかめっちゃかだそうじゃないですか!!!
ちょっぴり羨ましいぞ・・・(笑)
学生の団体さんみたいな子たちもゾロゾロと!
聖誕教会見学を終えて、
軽いランチで腹ごしらえ。
噂には聞いていたけれど、イスラエルよりちょっぴり物価が安いパレスチナ自治区!
レストランを出てお散歩。
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バンクシー巡りでタクシーから見た街は、閑散とした印象を受けましたが、
エルサレムへ戻るバス停を目指す道は、徐々に人気も増え、
活気があり賑やかに。
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つい最近、2002年には、ここベツレヘムにイスラエル兵が押し寄せ、
動くものあらばすぐ銃殺、約300人が殺害されたそうです。
たった1枚分離壁を隔てた向こう側とこちら側は、決して交わることのない別世界。
私たち外国人はものの数分で行き来できるこの壁が、多くのパレスチナ人にとっては超えられない壁。
分離壁を超えてイスラエル領内に入るためには、イスラエル政府が発行する許可証が必要で、
医療や国際機関等の特殊な職業に就いているか、30歳以上であることが条件。
日本人の私たちからは、想像もつかない世界。
この事を知ると、さらに壁に描かれた終わりないアートが、
パレスチナ人たちの魂の叫びに見える。
どっちが善で悪、とかそんな単純なことじゃなくて、
それぞれが正義を主張するのが戦争で、
イスラエル・パレスチナ問題は、色んな色んな複雑な要因が絡んでいて。
とても魅力的で、とても悲しいこの国を訪れた事で、
もっと知りたい。
そんな欲求が私の中に生まれたのでした。
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知らなかった事だらけだったので、ちょっと調べて頑張ってまとめてみた、
↓イスラエル・パレスチナ問題の事の発端↓
おおもとは、3000年以上も昔。
ユダヤ人が神の命にしたがいパレスチナを目指し、
既にそこに住んでいた民族と戦って勝利し、「ヘブライ王国」を建国。
この地に住み始める。
↓
紀元前1世紀頃、大きな領土を作り上げたローマ帝国にパレスチナの地を支配される。
神殿は破壊され、ユダヤ教徒たちはエルサレムに住むことを禁止され、各地に離散していく。
↓
7世紀ごろ、アラビア半島から勢力を増したイスラムが押し寄せ、
エジプトやシリア、パレスチナ地方を奪い取られてしまう。
その頃から、アラブ人たちが1000年以上このパレスチナに住む事になる。
↓
第一次世界大戦中のイギリスの二重外交が、イスラエル・パレスチナ問題の事の発端。
オスマン帝国を倒すために、
アラブ人には戦争協力を条件に独立を約束。
ユダヤ人には戦争の資金提供を求めて、パレスチナへの復帰・建国を支持することを約束。
↓
戦後、約束通り、各地に散らばっていたユダヤ人が続々とパレスチナに移住開始。
もちろん、この地に長く暮らしてきたアラブ人(パレスチナ人)と対立。
つまり、戦争に協力させるために、イギリスがアラブ人にもユダヤ人にも良い顔をした、
この二枚舌外交こそが、イスラエル・パレスチナ問題の根源。
それから4度に渡る中東戦争。
そこには米ソの冷戦が絡み、さらに事は複雑に。
ソ連はアラブに、アメリカはイスラエルに軍事支援を与える。
イスラエルとパレスチナの対立は、周辺諸国の利権や思惑により勃発、激化した、という事だったのです。
歴史と宗教に翻弄されてきた、二つの小さな国の対立。
(詳しい方、なんかこれ違うよーっていうのがあったら、
すぐにお知らせくださーい!!!)
さて、次回は!
お待ちかね?ピンチシリーズ!!
私、この国を出られない・・・(T∇T)
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