February 05, 2016  Categoyr: └ PATAGONIA ( パタゴニア )

なみだスープ

プエルトナタレス

この日は朝5時発のバスでウシュアイアから北上予定。
のはずが・・・、

寝坊したーーーー!!!



目が覚めたのが4時過ぎ。
集合は4時半と言われていたので、身支度を整えて荷物をまとめて宿を出て現地へ。
て無理ーーーー。

ウシュアイア延長か。
それもいいかも、フエゴ国立公園にも行きたいし。
絶望的な状況に一瞬諦めかけたのですが、

いや待て、バスは5時出発なんだから、最悪5時までに乗り場に着けば大丈夫、だよね?
て事は、

 

寝坊→状況が飲み込めず→真っ白→状況把握→無理→諦めかけるも→徐々に冷静さを取り戻す→まだ行ける

 

 GO!!!

 

ここに辿り着いてからは火事場の馬鹿力を発揮、
猛スピードで準備してまさかの朝食までたいらげ宿を飛び出し、


なんとか無事、バスに間に合いました♪
は〜焦った・・・。

 

同じバスに乗り合わせた日本人、同世代のhiro君。
それぞれの旅話で盛り上がりくっちゃべっていたら、あっという間。

 

ウシュアイアのあるフエゴ島からバスごと船に乗り南米大陸へ、
それから国境を越えてチリ側へ入り、
出発から12時間、目的地のプンタアレーナスに到着しました。

 

私はキングペンギンツアーに参加するためにこの町で下車して滞在。
hiro君はバスを乗り換えてチリ側のプエルト・ナタレスへ。

ここでお別れ、のはずだったのですが・・・。

 

あれ?

 

気付いたら、hiro君にくっついてプエルトナタレスまできちゃいました★

 

これから待ち受けるパタゴニアの絶景を思うと、キングペンギンツアーがなんだか色褪せてきちゃって!
別にペンギン、もういっか!て気持ちに。
しかも、バスから下りたプンタアレーナスの町の第一印象がイマイチ気に入らなくて。

急遽予定変更、この町はスルー。

バスを乗り換えてさらに3時間。

 

プエルト・ナタレスに到着したのは夜10時をまわっていたのですが幸いまだほのかに明るく、
暗くなる前に宿探しです。

 

何件目かに当たった宿のドミトリーにチェックインしました。


この町は、世界中のトレッカーを魅了する「パイネ国立公園」への拠点になる場所。
山、湖、氷河。
パタゴニア特有の大自然を有する広大な国立公園はトレッキングの聖地。
王道W字コースがだいたい2泊か3泊、
W字を過ぎてさらにグルリと国立公園を一周するコースが、だいたい1週間から2週間、
食料をかついでキャンプをしながらのトレッキングとなります。

中でも一番のハイライトが「トーレス・デル・パイネ」
「パイネの塔」と名付けられた3本槍のような岩山の景色が最大の見所となります。

 

hiro君は3、4日かけてW字コースをトレッキングする予定。

私はというと、

 

トレッキングはやりません!!!(きっぱり)

 

だって、持ち服がほぼワンピース。
で、足元はコンバース。
MAXの防寒服がフリースのパーカー。

こんなナリじゃ連泊トレッキングなんて無理無理。

 

その代わり。

トーレス・デル・パイネを遠目から、あらゆる角度から眺めるワンデーバスツアーに参加しようと思っています。
申し訳ないがラクさせていただきますよ★

 

プエルトナタレス パタゴニア

プエルトはスペイン語で港を意味します。
プエルト・ナタレスは、パイネトレッキングへの玄関口というだけで存在しているかのような、
小さな小さな港町。


到着翌日はスーパーでお買い物して、町を歩きながらツアー会社探し。
hiro君はトレッキングのためのギアや食材を調達。

それぞれの用事を済ませるために二人で町歩きをしていたら・・・、

 

ん?なんか変だ。

なんだか、胃の下あたりが少し痛むような。

 

腹痛とはほぼ無縁で生きてきたもので、少しの違和感を敏感に感じ取り、

「hiro君、なんだかお腹が痛い気がする、先に宿に戻ってるね。」


ちょっとした腹痛なら横になっていれば治るはず。
宿に帰って一眠り。


けれども、軽い痛みが変わらずお腹を圧迫し続けています。

変なもん食べたわけでもないし、下しているわけでもないし。
一体どうしちゃったんだろう?

 

これが悪夢の始まりを告げる警鐘だったとは夢にも思わず。




次の日の朝。
眩しいほどの快晴!

hiro君の旅立ちにふさわしい真っ青な空が清々しく広がっていました。

このお天気を逃すなんてもったいないなぁ。
私も今日ツアーに参加したかった!

しかし、体調を考慮して予約を取ってはいなかったのです。

 

hiro君はというと、
5日分ほどの食料やらテントやら、大荷物をリュックにかついで、
今日からパイネ国立公園のW字コーストレッキングへ向かいます。

 

「私はワンデーツアーに参加したら次の町へ移動するから、
hiro君がトレッキングから戻ってくる頃にはこの町にはいないと思う。
気を付けて行ってくるんだよ!
また旅のどこかで会おうね!」

 

hiro君とお別れをしてパイネ国立公園への旅立ちを見送りました。

 

さて。

私は、いつツアーに参加できるかしら。

ピカピカお天気とは裏腹に、絶不調な私の体調。

今日もゆっくり寝て過ごそう。
まずは体を回復させないとね。

 

ところが、

回復どころか悪化の一途。

なんと、熱がグングンと上がり始めたのです!

風邪っぽい症状なんて一切なかったのに、まさか、突然発熱するなんて。

熱冷ましの薬を飲むと、一時的に熱は下がり少し楽にはなるのですが、
しばらくしたらまた寒気が戻って発熱。

 

1日。
2日。
3日。

 

ずっと、この繰り返し。

 

お天気だったはずの空は私に同調するかのように、hiro君が旅立った次の日から毎日荒れ模様。
青空はどこへやら?
太陽を隠した厚い雲の下、風は吹き荒れて寒さは増すばかり。
ベッド真横の窓からは隙間風が入り込み、容赦なく冷気を体に吹き付けます。
その度に底冷えがして震えが止まらなくなる。

結構な高熱が出ているらしく、体中が痛くて唸り声が漏れる。
横になって寝ているのもきつくて、ベッドから下りてソファに倒れ込んでみたり。

もちろんスーパーに行く元気なんてない。
食料は唯一、初日に買ったチョコクッキーだけ。それからボトルの水。
毎日、薬を飲むためにチビチビと齧っていたクッキーも、ついに最後の1枚になってしまった。
お水も底を尽きかけてきました。


旅先の体調不良ほど孤独を痛感する事はありません。

病院に行く気力も湧かず、起き上がる体力もなくなって。

 

寒くなり始めていた日本から、急に真夏のブエノスアイレスに飛んで、
防寒対策もままならないまま今度は冬並みのパタゴニアにやってきた。

体が急激な気温の変化に追いつかなかったのかもしれない。

 

普通は発熱しても一日二日で完治する私ですが、
今回は妙に長引く。

 

あれ、これって。

なんだかデジャヴ。

そう、あれは、昨年の年末。

 

エチオピアにいた私は毎日の発熱と戦いながら、
民族巡りやら過酷な移動を強いていたっけ。

挙げ句の果ては咳のし過ぎで肋骨を痛めて。

 

まさか、今年の年末も旅先で長引く体調不良に陥るなんて。

年末、鬼門なのかなぁ。

 

ああ、体が痛い。
寒いよ。

苦しい。
辛い。

誰か、助けて。

 

ドミトリーの二段ベッドの上で一人呻いていたら、


「Are you OK?」

突然私のベッドを覗き込む2つの顔。
二日目にキッチンで会ったカップルだ。

 

「何か食べるものある?飲み物は?
チョコクッキーだけ!?
今からスープを作ってあげるから!ね?」

別室に滞在している彼ら。
どうやって知ったのか、
体調を崩した私を心配して様子を見に来てくれたのです!

 

涙がみるみる溢れて頬を伝い、止まらなくなってしまいました。
みっともなくグジグジ泣く私を見て優しく微笑む二人。

私の声にならない声を聞いて、救いの手を差し伸べてくれた事に。
人の優しさが、渇ききったスポンジの心にジュワーッと染み込み過ぎて。

 

「ありがとう、ありがとう!」


しばらくして、

「スープできたよ。キッチンに来れる?」

「うん。下に降りて食べる。」

 

3日ぶりに口にする温かい食べ物。
優しいコンソメスープが体中を巡って、心も体もポカポカに暖めてくれる。

二人はNY出身の夫婦、DavidとAnna。
明日から一周コースを10日間ほどかけてパイネトレッキングに出かけるそうです。

明るくてあっけらかんとした、とても素敵なご夫婦。
二人の優しさが一番の薬となって、気持ちが上向くとともに少し体も楽になったような気がします。

 

願わくば、二人の旅立ちの明日、お天気が回復しますように。




4日目。

 

それでもまだ発熱は止まりません。

今朝、DavidとAnnaを見送れなかったな。

朝早くトレッキングに行ってしまった二人。
残念ながらお天気は相変わらず曇りがちのままでした。

 

無理矢理体を起こして、宿の朝食に出されるヨーグルトを食べようとキッチンに下り、
冷蔵庫を開けると、




プエルトナタレス パタゴニア

David〜、Anna〜〜!!!

私への作りおきスープ。

涙腺崩壊。
優しい優しいDavidとAnna、本当にありがとう。

 

押し付けがましくなく、まるでなんでもない事のように、
さりげない優しさを見ず知らずの人に与える。

簡単にできる事じゃない。
私は自分に精一杯で、そんな余裕も優しさも完全に欠落している。

一人旅と言いますが、
旅先ではいつも誰かに与えられて、支えられて、
そのおかげで好きなように旅をさせてもらっているなと、そう実感する事が多々あるのです。

だから私は、次に出会う人たちにお返しの循環をさせないといけないのですが。
それが、なかなか難しい。
いや、本当は、きっともっとシンプルで簡単。
自分次第。

 

あぁ、スープ、美味しいな。

薬を飲んで眠っていたら、いい感じに効いて体が楽になって。

そこへ、

 

救世主再び現る!

アミーゴのご帰還!!!

 

3泊4日のパイネトレッキングを終えて、無事hiro君が帰ってきたのです!
まさか、この町で再会する事になろうとは。

ベッドにくたばっている私を見てびっくりのhiro君。

「ucaちゃん大丈夫!?
なんか買ってくるよ!!」

 

すぐにスーパーに行って飲み物や果物を買ってきてくれました。
疲れているだろうにありがとね〜!

 

「トレッキング一日目が一番天気が良くて、後はどんどん寒くなって過酷になっていった。
本当はゆっくり4泊5泊してこようと思ったけど、あまりの寒さに心が折れて3泊で帰ってきたんだよね。」

とは言え、しっかりW字コースを制覇して来たようで、良かった良かった!




5日目。

 

久しぶりの外出を試みスーパーへ!
しかし風が強い!寒すぎる!!!

調子に乗って外に出たから、震えが止まらなくなって。
あ〜、またぶり返しちゃった。
帰宅して発熱。

もういや〜!!!(泣)

 

さすがにそろそろ飽きました、体調不良(T^T)




6日目。

 

この日は起きた時から何かが違った。

あ、抜けたかも。

一山越えた感じ。
体が急に軽くなった気がする。

 

気付けばこの日はクリスマス。
久しぶりに簡単な料理なんぞしてみました。

 

プエルトナタレス パタゴニア

スーパーで買ってきた丸焼きチキンでクリスマス風ディナー。
ケーキもシャンパンもないけどね★

 

プエルトナタレス パタゴニア

鶏肉が柔らかジューシーでうまっ!!
誰かと一緒に食べると、食欲って増すんですね。
お腹が空くって事は体が回復に向かっている証拠。

久しぶりのまともなご飯、そして胃袋がちゃんと受け付けてくれた事に、
ようやくトンネルの出口が見えたような気がしました。

 

実際、この日を境に発熱がピタリと止まったのです。

 

今年は、体調不良を年明けに持ち越さなかった分、昨年よりだいぶましだな!

けど、一週間しんどかった〜!!!

 

もう一日念のために休息日を取って、今度こそツアーに参加しよう。

 

そして、hiro君の移動の日。

私の方がとっくにプエルト・ナタレスを出て次の町に行くはずだったのに、hiro君に先を越されるとは。
同じルートを辿るからどこかでまた再会しそうだけど!
hiro君とバイバイして私はまだこの町に居残りです。

 

もう、大丈夫。
ついに翌日、トーレス・デル・パイネに会いに、バスツアーを予約しちゃいました!!!

熱はぶり返さなくなった。
これは、完治と見て間違いないでしょう。
あとはこの町でやるべき事を終えるだけ!




日が明けて、ついにツアー当日!

なんと・・・、

私の体調不良に合わせて?一週間ぐずついていたお天気が、

 

見事な見事な快晴!

久しぶりに会えた青空!
恋しかったよ〜!!!

私、やっぱり持ってる♪←あんなに死んでたのに、すーぐコロッと調子に乗るヤツw

 

満を持して!?

 

ワンデーパイネツアー、行ってきますo(>▽<)o

 

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