【カミーノ35】かゆかゆ地獄
＜カミーノ36日目＞
皮膚の下に何か生き物がムズムズとうごめいているのかも。
午後、歩き終えると同時に痒みが広がって途端に体中を支配するのに、
朝、アルベルゲを出る瞬間にピタリと止む不思議。
不安を紛らわそうと夜な夜なネットで調べまくる。
蕁麻疹にはありとあらゆる要因があるけれどその多くは原因不明らしく、
それでも今当てはまりそうなのは、汗、寒暖差、日光、虫刺され（南京虫）、運動、などなど。
ハッキリした原因はもちろん特定できないけれど、体内になにか異変が起こっていることは確か。
昨日買った抗ヒスタミン剤が抜群に効いてくれることを祈ります！
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明らかに寝不足の重たい体を無理やり起こして6:30に宿を出発。
目標を26km先に定めて今日も歩き始めます。
最近はお天気続き！
爽やかな朝の空気を胸いっぱいに吸い込んで。
ブドウ畑の脇を歩くのは久しぶりのような気がします。
CACABELOSの街を通過。
乾燥して雨量の少ないレオンと湿度が高く雨の多いガリシア州に挟まれたビエルゾ地方は、
両方の極端な気候がいいとこ取りで合わさった、ブドウ栽培に適したワインの名産地。
若い緑が生い茂る初夏のブドウ畑を歩いていると、
そうそう、これぞカミーノの景色だよね！という感じで嬉しくなってしまいます。
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ほてった体をさます冷たい生搾りオレンジジュース。
朝早くから歩いて、
バルに立ち寄って休憩して、
次の街に着いたらアルベルゲにチェックイン。
こんなルーティンの日々も、このまま順調に行けば両手で数えられるくらいに残り少なくなってきました。
果てしなく遠かったはずのゴールが目前に迫ってきた喜びと、
カウントダウンが始まってしまった切なさを同時に感じる最近の私です。
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VILLAFRANCA del BIERZO
この街の入り口にそびえるサンティアゴ教会の開かずの扉「赦しの門」は、
かつて、病気などを患い巡礼をやり遂げるのが困難になってしまった人たちに対して、
赦しの門をくぐることで、サンティアゴ・デ・コンポステーラのヤコブの墓を詣るのと同等の巡礼証明書を与えたのだそうです。
現在は、ヤコブの祝日である7月25日が日曜日に当たる聖年の、
前の年の12/31に行われるたった30分ほどのセレモニーの時にしか門が開かれず、
前回は2010年で、次回は2021年なんですって！
ちなみに、聖年にサンティアゴ・デ・コンポステーラでお詣りをするとすべての罪が赦されるそうなので、
カミーノ巡礼をお考えの方はあと2年後の2021年を狙ってみては！？
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街を通り抜けると、
国道沿いの道へ。
前方から勢い良く子供達のチャリ軍団が迫ってきて、
通り過ぎる度にみんなハイタッチで挨拶をしてくれます。
若者たちのキラキラパワーを補給！
ところが、
景色に変化のないアスファルトの道は時間の感覚を狂わせ、とてつもなく長く感じられてモチベーションを奪います。
永遠に終わりが来ないのではないか。
そう錯覚するほど果てしのない単調な国道。
おかしいなぁ。
そろそろ目的地に辿り着いてもいい頃なのに。
ウエストポーチからおもむろにカミーノMapを取り出して開き、
距離を改めて計算し直してみると、
26kmだと思っていたゴールはなんと29.4km先だった！
計算間違いしていたみたいです。
なかなか着かないはずだよ！
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それでも、30km弱を難なくクリア。
ちょっと前まではこの距離にビビり上がって荷物転送サービスまで使ったこともあったのに。
確実に成長している自分にニヤリとほくそ笑みます。
なーんてちょっと強がり言いましたが、
正直後半の道路ウォークはしんどかった〜！
緑に開けた川沿いの村、VEGA de VALCARCE。
広々とした芝生に建つ綺麗なアルベルゲにチェックイン。
ちなみに、写真の洗濯物は全部私のもの。
毎日せっせと手洗いし、お天気の日にはこうして屋外の洗濯ロープに吊るすのが歩き終わったあとの大切なお仕事なのです。
アルベルゲの看板犬。
ブルーアイズに吸い込まれそうな利発なワンコでした。
一見さんには決して媚びなかったけどね！
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夕方、近くのバルでコーヒータイムをしていると、
ドミトリーの同室の女性がお店に入ってきたのでご一緒することに。
すると、店員さんがこちらに近付いて彼女に声をかけました。
その手にはクレジットカード！
「Oh My God!!!
それ私のよ！ありがとう！
どこで見つけたの？」
「あのお客さんが拾って届けてくれたんだよ。」
「ああ、良かった！」
彼女、落としたことにも気付いていなかったみたいです。
親切な方に拾ってもらえて良かったね！
「どこかでカードを使ったの？」
と私が尋ねると、
「今日は一度も使っていなくて。
お尻のポケットに入れていたんだけど、いつの間にか落としちゃってたみたい。」
そんなところに大事なカード入れちゃダメー！
でも、こんなにすぐに手元に戻ってきて、
これぞ神様、ヤコブ様のおかげかな！
カミーノの奇跡！
カードがなくなったら大変だもの。
（クレジットカードが機能しなくなって肝を冷やした経験済み）
本当に、良かったね。
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その日の夜。
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ひぎゃーーーーー！！！！
（またまたお見苦しい画像をすみません。このプツプツ、足にも腕にもびっしり。）
痒いよー痒すぎるよーーー。
誰か助けてぇ！！！
明らかに体内のヒスタミンが暴走しているのを感じます。
自分の体じゃないみたいに、皮膚がピリピリする。
こんな症状は本当に生まれて初めてで。
慣れない800kmウォークなんてトライするから体がびっくりしてるのかな。
でも、もう一ヶ月以上も経つのに、
今更ぁ！？
引っ掻き跡が取れにくいお年頃なの（泣）
でも我慢なんてできなくて、爪を立ててボリボリと掻きむしってしまいます。
人はある程度の痛みへの耐性はあるけれど、痒みに対しては耐え難いほどの苦痛を感じると聞いたことがある。
納得。
抗ヒスタミン剤、全然効かないじゃんよ～！
これはラスボス！？
カミーノの終盤に私を待ち受けていた災難は、謎の蕁麻疹でした。
眠れなくて体が限界・・・。
切実な今の願い。
かゆかゆ地獄から一刻も早く抜け出したい！
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■カミーノ36日目
2017/6/22 （木）
CAMPONARAYA – VEGA de VALCARCE ＜29.4km＞
アルベルゲ / El Paso ドミ10ユーロ Wifi ◎
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