【カミーノ41】挑戦
＜カミーノ42日目/後編＞
今日の道は、いつもよりも少しだけ特別でした。
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一日のほとんどは雨という、あまり歓迎できない空模様だったのですが、
そのおかげで、
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大輪の紫陽花がそこかしかに咲き誇り、薄暗い風景に彩りを添えていました。
凛としてエレガントで、見事に満開な紫陽花たち！
雨の日がよく似合う花。
いつもなら濡れるのがイヤで雨が降るとカメラを取り出さないのに、
あまりにも綺麗なので写真を撮りまくってしまいました。
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あれ？
見覚えるのあるシマシマ模様、あれは、
まことちゃんハウスだ！
いや、ウォーリー！？
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サンティアゴまで、残り12.8km。
いつもなら一日の半分で辿り着く距離。
本当に、ゴールはもう目前なんだ。
悪天候の中、いつもの倍の距離を歩いているのに、
不思議なほどに肉体の疲れを感じないのです。
背中にのしかかる10kg強のバックパックだけがズッシリと重みを増していくけれど。
サンティアゴ・デ・コンポステーラが近付いてきたからなのか、
これまで一度も感たことがないほどの、強烈な道の引力を感じるのです。
ものすごいパワーに引っ張られながら、
淡々と足を前に運ぶだけ。
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ここから少し寄り道。
黄色い矢印の順路を逸れて、「歓喜の丘」を目指します。
ざっくりとした場所は聞いていたのだけど正確な位置までは把握していなかったので、
サインを注意深く気にしたりローカルの人に尋ねたりしながら、
探るように巡礼路を離れていきます。
お！あれかな？
でも、ここからは街が見下ろせない。
あんなにシトシト（時にはジャブジャブ）と一日中降り続いていた雨はいつの間にか止んで、
雲間には青空も覗き始めました。
緑の絨毯に伸びる白い遊歩道を伝って歩いていくと、
行き止まりに、二人の巡礼者の背中。
遥か彼方を仰ぐ彼らの視線の先には、
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赤い屋根屋根が連なる街並みと、
天高く伸びる3つの尖塔！
ああ、ついにここまで来たのか。
バックパックを降ろすと途端に羽根が生えたような開放感で、
芝生の上にゴロンと大の字に転がってみます。
時間がだいぶ遅かったせいか、
ここを訪れる人は私以外誰一人おらず、歓喜の丘を贅沢にも独り占め状態！
街を見下ろしながら、
体の奥底からふつふつと湧き上がる喜びと感動で胸がいっぱいになります！
清々しい達成感を存分に噛み締めながら。
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800kmもの道のりを、
山あり谷ありの長い道のりを、
晴れの日も雨の日、雲の日も風の日も、
ホタテ貝をひたすら追いかけて、黄色い矢印の指し示す方を一心に目指して、
その先に何が待っているのか知りたくて、
この身に起こる全てを受け入れながら、ただただ前を向いて歩いてきた。
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今、大声でこう叫びたい！
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ついに、
ついに、サンティアゴ・デ・コンポステーラに辿り着いたよ！！！
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気付いたら、1時間近くも歓喜の丘で過ごしていたみたいです。
もうすっかりゴールした気分に浸っていたけど、まだ終わりじゃない。
今夜の寝床を確保しないと！（切実！）
重たい腰を上げてバックパックを背負い、丘を後にして巡礼路に戻ります。
カミーノMAPを開いてみると、
サンティアゴの街の中心地から2kmほど手前に複数のアルベルゲが点在しているようです。
大聖堂の巡礼ミサは毎日正午と夕刻に行われていて、
まだ人も少ない朝早くにサンティアゴに辿り着き、巡礼事務所で到着手続きを終えて正午のミサに参加するために、
前日に街の手前まで駒を進める人たちも多いというのは前々から聞いていました。
（まさか自分がそうするとは考えてもいなかったけど！）
ゴール直前のアルベルゲは結構需要があるのです。
宿が立ち並ぶ通りは歓喜の丘から約4km。
あと残り1時間、気合いで歩きます！
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歓喜の丘ですっかりゴール気分を味わい、スイッチが切れかけてしまったのでしょう。
ここにきて疲れがいっきにどっと押し寄せ、
残り4kmはグダグダウォーク。
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はぁづがれだー。
アルベルゲはまだかー。
なんせ、今日はもう40km以上歩いていますから！
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完全に街の中に入っちゃった。
これが本当に、カミーノで最後の街。
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お目当のアルベルゲ通りに差し掛かると、ホステルのような建物が三件並んでいるのが目に入りました。
一番綺麗そうな建物を選んだら、そこは既に満室。
時間も時間ですからね。
お隣のアルベルゲを当たってみると、ベッドの空きはラスト2つ。
慌ててチェックインをして、スタッフさんに連れられてドミトリーのある2階へ上がると、
薄暗い空間には所狭しとパイプの二段ベッドが並び、
荷物と宿泊者がぎゅうぎゅうに押し込まれています。
暗い、狭い、清潔感なし。
今日は、ここ無理だ！
こんなに頑張って歩いてきた日に、こんな宿には泊まりたくなーい！
チェックインを取り消してアルベルゲを飛び出し、
近所をウロつきながら再び寝床を探し歩きます。
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ようやく見つけたHotel Capital de Galicia。
広々と綺麗な個室に通されて、ようやくホッと肩の荷が下りました。
今朝6時50分にアルベルゲを出発して、
夕方18時前にホテルに到着。
本日の歩行距離、42km以上！
（歓喜の丘に寄り道したり、ホテルを探して歩き回ったからもっとかな！）
最後の挑戦、無事に達成できました！
でもね、長い時間をかけてこの距離を初めて歩いた今、改めて思う。
フルマラソンを走る人たちってどんだけ超人なのっ！
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シャワーを浴びて衣類を洗って、バタンキュー・・・
では今日は終わりません。
私の挑戦、まだまだ更新中！
明日でカミーノが終わるってことは、
ゴールした瞬間に薄汚れたTシャツと短パンを脱いで、
一刻も早く可愛いワンピースに着替えたい！
久しぶりのワンピ欲（？）に取り憑かれてしまったが最後、
居ても立ってもいられなくなった私は再びカミーノルックを身に纏い、
ホテルの裏手にそびえる大きなショッピングモールへ向かいました。
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Centro Comercial As Cancelas
広大なモールの中にはスーパーに映画館、ゲーセン、大量のアパレルショップがズラリと並んでいて、
久々の物欲が大いに刺激されたのは言うまでもありません。
腹が減っては戦が出来ぬ。
とりあえずフードコートのケバブで腹ごしらえをして、
いざ、ショッピングへ出陣！
H&MやZARAをはじめ、初めて見るファストファッションチェーンの店舗がいくつも入っていて、
プチプラなお洋服も結構揃っているのですが、
なかなかこれと言った1枚に巡り会えない！
グルグル、グルグル、
何周も何周もモールの中を駆け回って。
結局、閉店ギリギリの22時近くまで、休憩もせずによく歩き回りました！
もしかしたら今日はトータル50km近く歩いたかもしれない！？
（て、それはさすがに盛りすぎかw）
戦利品はビーズのバッグとワンピースとサンダル。
明日サンティアゴ大聖堂に着いてからマドリードに戻るまでの数日間は、
この一張羅セットで過ごします！
戦の後の甘い物。
レオンでも食べたけど、ここのヨーグルトアイス大好き♪
あとから調べてみたのですが、
Centro Comercial As Cancelasは、ガリシア一大きなショッピングモールだということが判明しました。
やたらでかかったもん。
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今日はよく歩いた！！！
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いよいよ、明日が本当のカミーノラストです！
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■カミーノ42日目
2017/6/28 （水）
RIBADISO de Baixo – SANTIAGO de COMPOSTELA ＜42.2km＞
ホステル / Hotel Capital de Galicia 個室35ユーロ Wifi ◎
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歓喜の丘,サンティアゴデコンポステーラ,コンポステーラ,おすすめホテル,宿,個室,スペイン,ショッピングセンター,ファストファッション,モール,世界一周
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