聖母に拾われた日
ギアナ三国の旅を終え、次に目指すはお隣ベネズエラ。
ところが、ガイアナとベネズエラはとっても仲が悪くて国境が開いていないらしい。
ですから、一度ブラジルへ抜けなければいけません。
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ガイアナの首都ジョージタウンから国境の街レテムまでは、それはそれは過酷な移動だと聞きます。
夜行バスなんて言えない、座席も倒せないTOYOTAハイエースにギュウギュウ詰めで押し込まれて、
未舗装道路をガタンゴトンと走り続けるのでとても寝られたもんじゃないらしい。
うまく行けば20時間、悪天候に当たってしまうとそれ以上、ひどい時には2、3日かかってしまうなんて事も!
それで約7000円もするという!
過酷な越境と言えば、エチオピア〜ケニア間のモヤレルートを思い出します。
風邪を引き、熱を出しながらひたすらナイロビを目指した四日間。
エチオピアで大盗難に遭って心がポッキリ折れていたあの日々。
ネット環境もなくお仲間もいなかった私は、一人孤独に打ち拉がれながら毎日耐え忍び、移動移動を繰り返していたっけ。
ちょうど世はお祭り騒ぎの年末年始だったもんだから、なおさら心細い思いをしたケニアへの越境。
ある意味最も思い出深い年越しだけど。
もう、2年前にもなるのかぁ。
と、ちょっぴり思い出に浸ってしまいましたが★
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そんなモヤレルートとどっこいどっこい、いや、さらに過酷かもしれないガイアナ〜ブラジルの越境区間、
なにも高いお金を払って過酷な道を選ばなくても、
プラス3、4000円ほど上乗せすれば、飛行機でひとっとびという素晴らしいショートカットがあるのです!
今回は迷いなく飛ぶ道を選びます。
航空会社はいくつかあるみたいですが、カイエトゥールツアーでもお世話になったAir Limited Serviceをチョイス。
予約の電話をすると、
「町中のエージェンシーで支払いを済ませてね!」
って事で。
場所はセント・ジョージ大聖堂から伸びる道、Carmichael Street沿いにあるオアシスカフェの隣。(このカフェ素敵だったな。)
指定されたFRANDECというトラベルオフィスで支払いをしました。
本当は現金払いの方がいいんだけど、持ち合わせがなかったのでクレジットカードで。
何%かのカード払い手数料が発生して109ドル也。
ところがこの飛行機、思わぬ盲点が。
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フライト当日。
空港へ向かいチェックインをする時に、別途荷物代を取られた〜!!!
料金は重量によるのですが、私の荷物はものすご〜く重たいからプラス3,500円くらい。
最終的に、バスの2倍程のお値段に跳ね上がってしまいました。
乗り込んだのは、カイエトゥールの時と同じ12人乗りセスナ。
あっという間にひとっとびで(確か一時間くらい?)ジョージタウンから国境の町レテムに着きました!
車移動だと最低でも20時間かかるところを、1時間で移動できたと思えば二倍の値段も良しとしよう。
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セスナを降りたところからタクシーを拾って国境へ移動し、
イミグレを通貨して晴れてブラジルin!
これにてギアナ三国とはお別れです。
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この後ベネズエラを目指すのですが、ブラジルで一泊を挟む予定。
イミグレ前から出ている乗り合いバンに乗って、国境から125km離れた、ボア・ビスタというブラジル最北の街へ移動します。
(ちなみに、ブラジルで唯一赤道以北に位置する街でもあるらしい。)
しばらく車を走らせて、
途中売店に立ち寄り休憩タイム。
何か軽く食べようかなぁとレジ下のガラス棚を物色していると、
セスナから一緒だった女性がふと隣に現れてエンパナーダとコーラを注文し、
なんと、それを私にくれると言うのです!
突然の出来事に戸惑いながらもありがたくいただく事にしました。
彼女と一緒に外のテーブルについておしゃべり。
英語が少し喋れるその女性の名前はMarcia。
ブラジル人の彼女ですが、昔カイエトゥール付近で研究員として働いていたそうです。
上品で柔らかい雰囲気のMarciaとはすぐに打ち解けました。
すると突然、
「あなた、今日はどうするの?ボア・ビスタで泊まる所はあるの?うちにいらっしゃいよ!娘家族がいるのよ!」
え・・・・?
ついさっき初めて出会ったどこぞの馬の骨とも知れない一介のアジア人を、
自宅に連れ帰って泊めてくれると彼女は言うのです!
あまりにも突飛なお誘いに驚きつつも、
もともと一泊する予定だったし、予約もしていなかったし、そう言えばボア・ビスタには安宿がなかったし、
よし、この流れに乗っかっちゃおう。
Marciaの親切をありがたくお受けしよう!
かなり予想外の展開にはなりましたが、Marciaのお宅にお邪魔する事に決めました。
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国境から2時間ほどでボアビスタの町に辿り着きました。
Marciaの自宅前で車は止まり、彼女と一緒にここで下車します。
簡素な白壁の大きな建物。
シャッターを開けて中に入るMarciaに続くと、
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元気な子どものお出迎え!
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Marciaの娘さんのLauraと、その子どもたちです!
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一番上のお姉ちゃんはYana、5歳。
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年子の弟君Yan、4歳。
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末っ子の女の子Isadora、1歳。(パパそっくり!)
Marciaの娘さんで子どもたちのママでもあるLauraは、ブロンドヘアのセクシー美女。
そのくびれた体からはとても三人の子どもを産んだとは思えないほどのグラマラスバディ!
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私は今夜Marciaのお部屋を使わせてもらう事になりました。
荷物をほどいて一段落すると、
「お腹空いたでしょ?好きなだけ食べて」
キッチンのコンロに並ぶお鍋の中には作り置きのおかずやご飯が入っていました。
それらをよそわせてもらって、
到着早々ランチをご馳走になってしまいました!
ブラジル定番、お米とパスタにお豆のフェイジョン。
久しぶりのブラジル料理を前に、この国に戻ってきた事を実感します。
この角煮も美味しかった。
やっぱりどこの国も、家庭料理が一番です♪
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愛くるしい子どもたちは、突然我が家にやってきた謎のアジア人に興味津々。
人懐こい彼らは私の周りを常にウロチョロ。w
特に女の子のYana!
ずーっと私の側にくっついて離れません。
私の持ち物がとても気になるようで、アクセサリーやらポーチの中身やらを興味深げに物色しています。
そんなYanaにブレスレットをプレゼントしました。
ずーっと裸ん坊。
確かにボア・ビスタは暑いけどね!
子どもたちは元気の塊!
ピチッとタイトな黒のワンピースを着ていたMarciaが、
いつの間にやらカジュアルに衣装替えして登場。
「uca、セントロへ行くけど一緒に行かない?」
「行く!スーパーと銀行に行きたいの。」
「連れて行ってあげるわ!」
その移動手段はなんと、
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バイク!
Marciaの後ろに乗って、セントロへお出かけです!
心地よい風を受けながら、背中越しの流れる景色を楽しみます。
Marciaは二人乗りもなんのその、颯爽とスクーターを乗りこなしていました。
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家からセントロは思いのほか離れていました。
銀行でお金を下ろし、スーパーへ。
レジではMarciaの断りを振り切って、彼女のお買い物のお支払いをさせていただきました。
だってこんな親切、どうお返ししたらいいか分からないもの。
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家に帰り、夜はお仕事から帰ってきたパパ(Lauraの旦那様)の運転で車でお出かけする事に!
「私、家族写真を撮ってあげる!」
そう提案すると、みんなイソイソとおめかしを始めました。
全員ばっちり着飾って、
MarciaとLauraは綺麗にお化粧もして、
車に乗り込みいざ出発です!
夜のお出かけに子どもたちもウキウキワクワク、嬉しさを隠せないみたいです。
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しばしのドライブの末に辿り着いたのは、
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噴水公園!
ライトアップされた噴水があちこちにキラキラと舞い上がり、なかなかにロマンチックな公園です。
肩を寄せ合うカップルもチラホラ。
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子どもたちはもちろん駆け回りますよね!
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さっきまで裸ん坊だったチビらが、オシャレしてちゃーんとお洋服を着て、
Isadoraなんて飾りゴムで髪の毛を結んでもらっちゃって!
天使ちゃんたち。
なんて可愛いのでしょう!
(Yanaも、私のあげたブレスレットを付けてくれています♪)
噴水を背景に、家族写真をパシャリ。
やんちゃすぎるYanが、おばあちゃんに寄り添っておとなしく写真に収まってる!
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この後、
公園の端にある食堂に移動してディナータイム。
まさかの、ここでもビールとお食事をご馳走になってしまった・・・!
束の間の夜のお出かけは終了。
チビちゃんたちはお休みの時間だからね!
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家に帰って、
私はMarciaのベッドにお邪魔して、二人仲良く並んで眠りに付きましたとさ。w
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翌日。
Marciaとは玄関先で、
たくさんのお礼を伝え、ハグしてお別れをしました。
そして、わざわざお昼間に仕事から戻ってきてくれたパパの車に乗り込み、
Lauraと子どもたちと連れ立って私をターミナルまで送り届けてくれて、
ちゃんとベネズエラの国境行き乗り合いタクシーを確保して、私が荷物を乗せ込んだのを見送ってから、
サヨナラして彼らは去って行きました。
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ああ、
見も知らぬ旅人に至れり尽くせりで、どう感謝を伝えたらいいのか。
ブラジルの最後に、こんなにも心温まる出会いが用意されていたなんて!
ガイアナの国境とブラジルのボアビスタを繋ぐ乗り合いバンの道中で、一人の女性に拾われました。
その正体は、聖母のようなMarcia。
そして、素敵な素敵なファミリー。
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のべ二ヶ月ちょっとを過ごしたブラジルの旅は、
あの強烈な感動を与えてくれたリオオリンピックをはじめ、
バリエーション豊なブラジルの絶景をたくさん巡る事ができて、総じていい印象しかありません。
そして最後は、
心優しいブラジリアンファミリーとの出会いにより、最高の締めくくりで幕を閉じました!
楽しかったな、ブラジル!!!
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さあ、
次はいよいよ末恐ろしいベネズエラ。
南米の旅も、
いよいよ後半に差し掛かろうとしています。
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