【カミーノ36】最後の峠
<カミーノ37日目>
800kmのフランス人の道で、
大きな峠超えは3度訪れる。
一度目は、最初にして最大の難関である初日のピレネー山脈越え。
(不覚にも迂回ルートを歩いてしまったのはほろ苦い思い出。)
二度目は、つい先日歩いたイラゴ峠。
そして今日控えているのが、最後のひとつ、オ・セブレイロ。
標高600mの現在地からいっきに1300mを目指す峠越えの道で、
急な下りの方が大変だったイラゴ峠とは反対に、傾斜のきつい長い上り坂が待ち受けています。
相変わらず痒すぎてまともに眠れない日々。(しんどい)
寝不足続きで体力に若干の不安は残るものの、
よしっ!といつも以上に気合を入れてアルベルゲを出発します。
(Mr.G?の標識いやだー)
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出発地点のVALCARCEから4km先、HERRERIASの集落は、軒先を素敵な植物たちが彩っていました。
道は次第に傾き始め、
ここから先が本格的な山道の始まりでしょうか。
ようやく国道を逸れて、林の中へ突入します。
意識的に呼吸を整え、一歩一歩、着実に足を前へ。
坂の途中のLA FABA。
標高920m。
体のエンジンはいい調子。
リズムを壊さないよう、ここは素通りして先を目指します。
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せっかくの山道なのにどんより曇り空が少し残念な気もしますが、
直射日光を浴びて体力を余計に消耗するよりはいいか、と、
このお天気をありがたいと思うことにします。
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標高1150m。
Laguna de Castillaのバルで軽めのブランチ。
てっぺんのオ・セブレイロまで、残りあと標高150m。
かなり気合いを入れてスタートしたけど、意外と楽勝だったかも!?
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休憩を終えてバルを出ると、
森の山道はやがてなだらかな牧草地に変わり、
やった!
霧が瞬時に晴れ渡るように、
厚く覆われていた雲がパーっと流れて青空が顔を出し始めました。
なんだかんだでやっぱり晴れは嬉しい!
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パノラマに見渡せる広大な山々。
カラーンコローン、
遠くに響く、放牧牛たちの鈴の音色。
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昨日はアスファルトの平坦な道だったのに始終足取りが重くて、
今日はずっと登り坂が続いたけれど体は羽根が生えたみたいに軽やか。
青空のもと輝きを取り戻した緑と、高いところから見下ろす広大な景色はあまりにも美しくて、
体の奥底からパワーがみなぎるようです。
人の「気」の影響力は絶大!
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そしてついに、
SJPPから伸びる道はフランスの国境を超えて、
スペインのナバラ州、
ラ・リオハ州、
カスティージャ・イ・レオン州をまたぎ、
サンティアゴ・デ・コンポステーラの待つガリシア州に突入です!
(落書きだらけ!)
道しるべには残りの距離が記されるようになりました。
サンティアゴまで、あと160km。
これからは、モホンを見つけるたびにこの数字が減って、
視覚的にもゴールへのカウントダウンを実感させられるのでしょう。
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ガリシア州の石碑から20分ほどで、峠の山頂の村、オ・セブレイロに到着。
標高1300m、ケルト文化が色濃く残る人口30名ほどの小集落です。
教会に立ち寄ったあと、
バルに入り、本日二度目の休憩を取ることに。
バルの入り口にはPulpoの看板。
プルポ、会いたかったよプルポ〜!
プルポとは、ガリシア名物のタコ料理のこと。
グルメの国スペインでも特に食べ物が美味しいと言われている北部。
ガリシアはスペインの食の源と言われ、
沿岸の魚介、内陸で採れる野菜、穀物、乳製品、ガリシア牛などがスペイン全土へ広く出荷されるのだそうです。
これからの食事が楽しみ!
タコちゃんフォルムにグンとテンションが上がったものの、プルポはまだお預け。
tomoki君オススメの「モスト」を初めて飲んでみると、
美味しい!!!
モストとは、ワインを作る際に絞った果汁で作られたブドウジュース。
スッキリとした甘さとほんのり深みのある味わいで、
カミーノを歩き始めてもう随分と経つのに、
今まで知らなかったことを悔やみたくなるほど、今更ながらハマりそうです。
かなり気構えて臨んだカミーノ最後の峠の上りは拍子抜けするほどあっけなく終わり、
てっぺんのオ・セブレイロを超えてからはゆるやかな下り道が続きます。
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今日の景色はずっと最高!
だから全然疲れないんだね。
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その代わりバル休憩は多めですが★
本日二杯目のモスト!←早速リピートw
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モストチャージを終えて、
茂みの道を歩いていたところ、
後方からやってきた牛の大群にワラワラと囲まれてしまいました。
その後をすばしっこく追いかけ回すワンコ。
しばらくその様子を眺めながら歩いていると、
「ほらほらー、寄り道しないの!」
「こっちだよ!ったくもう~」
働き者の牧牛犬、自由な牛さんたちに手を焼きながらも、
「ちょいと失礼。」
方向が一緒なので私も必然的に牛様ご一行について行く形に。
ワンコ1匹が群れを統率しているのかと思ったら、ちゃんと牛飼いのおじさんも登場しました!
「見るんじゃないよ。」
写真を撮りすぎたせいか、おじちゃんに不審な目で睨まれたけど!
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why?
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軍団から離脱。
私はちょっとここで休んで行くね。
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しばらく軒先の岩場に腰をかけて休息をしてから再び歩き始めます。
今日の道のりは峠込みで結構長いのです。
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道の脇の山なりの草原には、牧牛がゴロゴロとあちこちに転がっていました。
さっき、ワンコにはっぱをかけられて連れられて来た牛さんたちでしょうか。
残り144km!
今までは漠然と、何も考えずただ前に進んでいただけなのに、
急にサンティアゴまでの距離が示されるようになって、夢から覚めて現実に引き戻された気分。
いやおうなしにゴールを意識させられるから。
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それにしても、
今日は疲れが吹き飛ぶような景色の連続!
歩くことが楽しい!
純粋にそう思えた、気持ちの良い一日でした。
かなり写真多めになりましたが!
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オ・セブレイロの峠越えを含めた30kmの道のりを経て、
山中の村、FILLOVALを今日のゴールとします。
カミーノを始める前とは明らかに違う自分がここにいる。
たくさん歩ける体が出来上がってきたことに、毎度のことながらとてもとても嬉しくて!
その代償に、
靴の甲部分は少し破けちゃったし、靴下はもちろんパーカーの脇の下まで穴が空いて。
安物のポールの杖先はゴムが外れ、片方は壊れて長さの調節ができなくなってしまいました。
洗濯は毎日手洗い手絞りだし、
これだけ歩いてきたのだから当然と言えば当然か。
代償、じゃなくて、勲章かな!
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珍しく、アルベルゲのベッドの写真を撮っていました。
お部屋は清潔で広々として、ベッドとベッドの間にゆとりがあっていい感じ。
いつものように、受付でもらう簡易シーツをセットしますよ。(雑な感じがバレたw)
この上にmy寝袋を出して眠るのです。
相変わらずベッドは上段を選ぶ私。
(だいたい二段ベッドのドミトリーでは下段の方が人気かな。)
シャワーと洗濯を済ませ、アルベルゲに併設されているレストランへ。
まさかの本日3杯目!笑
モスト、どんだけ気に入っちゃったの!
待ちわびたお料理がやってきました。
今日のご褒美は、
早速、ガリシア名物プルポーーー!!!
蕁麻疹がひどくなるから自粛、なんて、
このタコちゃんたちを目の前にして無理にも程がある。
ワインも一緒にいただきます♪
(でも、体中に吹き出したポツポツは今日も尋常じゃなく痒すぎる。)
ボキャブラリーの乏しさが非常にもどかしい。
けど。
美味しいーーーーーっ!!!!
それしか出て来ません。
プルポ最高!←ほんとにボキャ貧
デザートはイチゴソースのパンナコッタ。
至福。
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晴れた空、緑溢れる自然豊かな道、開放的な山々の眺望。
素敵なアルベルゲと、
美味しいご飯にワイン。(美味しいモスト)
何もかもがパーフェクト!
そう遠くない終わりを思うとこの一瞬がさらに愛おしくて切なくて、
鼻の奥がツンとするような。
そんな峠越えの一日でした。
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■カミーノ37日目
2017/6/23 (金)
VEGA de VALCARCE – FILLOVAL <29.8km>
アルベルゲ / Filloval ドミ9ユーロ Wifi ◎
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