私、呪われてる!?
ガラパゴス諸島クルージング六日目。
マイダーリン水没事故から二日が経ちました。
Andersは72時間は乾燥させないといけないと言っていたけれど、
忍耐力のない私は3日も待てません!
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朝目を覚ますと早速、ボディとレンズの入った米袋を開けてみました。
やばっ!
米粒が中に入ってる!
そりゃそうです。
分解したボディとレンズの接続部分、丸い穴はガラ空き状態。
船の揺れによって米粒が動き内部に侵入していました。
丸穴を下にして、慌てて米粒を振り落とします。
レンズ穴の奥まで入り込んでいたお米も、なんとか摘んで取り出して。
ボディにレンズを装着して、
バッテリーを入れて、
おそるおそる、
電源をON!
シーーーーーン
はい、つきません!
やっぱりね。
電源入れるのが早すぎたとか、
あと24時間多く乾かせば復活するとかそんなレベルじゃない。
あれだけ海水をかぶったのですから、そりゃーカメラは故障しますよね。
この結果は想定内です。
あとはもう、メキシコCANONの存在に賭けるしかない!
重体なんだから、きちんとしたところで修理に出さないと。
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部屋を出ると、昨晩行方をくらましたEdgerの姿が。
夜遅くに帰ってきていたようです。
「Edger、昨日10時に船着き場に行ったのに、お迎えのディンギン来なかったんだよ。
30分待っても来ないから、別の船の人に助けてもらってボートで送ってもらったの。」
「え!?そうだったの?
ちゃんとMaurに電話をして、10時に迎えに来るように頼んでおいたのに。」
「船に戻ったらMaurは寝てたんだから。もう、本当に困ったよ!」
「Oh, I’m so sorry.」
NickとKarinも起きてきて、Edgerに昨夜の出来事を抗議していました。
Benjaminはまだ爆睡しているようです。
一つ気がかりなのは、シェフのAngeloの姿が見えない事。
キッチンでは、操縦士のMaurが朝食の準備をしています。
昨夜、船を出たまま帰ってきていないようです。
まさかの朝帰り?
ちゃんと帰ってくるのかAngelo!?
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テーブルに、Maurの用意した朝ご飯が並び、
Edgerが全く起きる気配のないBenjaminを部屋に起こしにいきました。
何時に帰ってきたのか知らないけれど、昨夜夜更かしして寝坊しているのでしょう。
Benjaminが眠そうな顔で部屋から出て来て、みんなでテーブルを囲み朝食をいただきます。
なんとなく気まずい空気。
みんな無言で、もくもくと食事を口に運びます。
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さて、
本日午前中のアクティビティは、
再び街に上陸して博物館に寄った後、グンカンドリが見られるという美しいトレイルを散策して、
近辺の海でシュノーケリングをする予定です。
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朝食を終えて各自支度を整え、
シュノーケリンググッズを持ってディンギンに乗り込み、
昨夜飲みに訪れたサン・クリストバル島唯一の港町、プエルト・バケリソ・モレノのビーチに上陸しました。
ディンギンを下りて歩くこと20分。
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島の歴史や成り立ち、ガラパゴスに生息する動植物についての資料などが展示してある
インタープリテーションセンターに辿り着きました。
ツアーに組み込まれる博物館って、私にとってはちょっぴり退屈な時間。
さらーっと見て回り、
早々と外に出てしまいました★
インタープリテーションセンター見学の後、
施設から伸びる遊歩道を辿って、ティヘレータスの丘(Cerro Tijeretas)の上のミラドールを目指します。
上り坂が続く道。
息を切らしながら歩いてゆくと、
海が見渡せていい景色。
プエルト・バケリソ・モレノの街並と、たくさんの船が停泊するマリーナも見下ろせます。
枝の上で羽を休めている鳥たち。
グンカンドリです。
目の回りが赤い、メスのオオグンカンドリ。
この子はガラパゴスアメリカングンカンドリのオスでしょうか。
小枝の影になって見えにくいけど、喉元が赤く染まっています。
ガラパゴス固有のアメリカングンカンドリのオスは、求愛時にくちばしの下の真っ赤な袋を風船のようにパンパンに膨らませ、
大きければ大きいほどモテるんだとか!?
赤く膨らんだその姿を一目見たかったけれど、残念ながら求愛シーンならず。
そう簡単に、こちらの思惑通りにタイミング良く求愛してくれるわけありませんよねっ!
このまま遊歩道を歩き続けると1時間30分ほどで一周するそうですが、
引き返してシュノーケリングをしに行く事にしました。
トレイルを下り、ミラドールの真下に見えたこちらのポイントへ。
ウェットスーツに着替え、シュノーケルグッズを装着してここから海に飛び込みます。
いやーこの入り江もまた震え上がるほど水が冷たかった!
透明度はかなりイマイチ、魚も少なくてあんまり面白くないポイントでした。
ひとしきりグルリと泳いだけれど、とりたてて収穫なし!
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海から上がり、プエルト・バケリソ・モレノの街へ戻りました。
ふと足元を見ると、マンホールがガラパゴスオリジナルデザイン!
可愛くて思わずパシャリ。
昨日セロ・ブルーホから見たKicker Rockです。
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いったん解散して、町でしばし自由行動。
Benjaminは売店でラムボトルを買っていました。
ああ、また船の中で迷惑に酔っぱらうんだろうな。
私はカフェに入りお店のwifiを繋げます。
一刻も早く連絡を取りたかった!
そのお相手とは、
そう、
ロンドンCANONの成田さん!
以前ヨーロッパを旅していた時に、ギリシャのザキントス島で海水がカメラ内部に侵入し、
ダーリンが突然意識不明の重体に見舞われました。
(思えば前回も海水にしてやられてたんだわ。)
その後ヨーロッパ各地で何度か修理に出したものの、治ったり壊れたりを繰り返していて非常に困っていました。
これはCANONできちんと修理してもらわないと。
と、ネットでヨーロッパに点在するCANON直営店を調べて連絡を取ってみたのが始まり。
幸いな事にロンドンのCANONには日本人駐在員の方がいらっしゃって、早速日本語でメールが帰ってきました。
旅の途中でロンドンを経由する事になっていたので駐在スタッフの成田さんと連絡を取り合い、
ロンドンでカメラを預け完璧に治してもらったという、
そんな経緯があったのです。
それ以降、成田さんにはずっとお世話になりっぱなし。
海外を旅している時は、それがアフリカであろうと南米であろうと、
カメラの不具合や清掃に関して相談したい事があると、すぐに成田さんにメール。←管轄外なのに大迷惑w
その度に、嫌な顔ひとつせずに、素早いレスと的確なアドバイスで丁寧に対応してくださり、
できる男、かつイケメンのCANONロンドン成田氏のおかげで、
マイダーリンを安心して旅に持ち歩けるというわけなのです♪
ということで。
今回も図々しく、
ガラパゴス諸島からロンドンCANONにSOSメール!
水没事故の一部始終、マイダーリンが現在瀕死の重傷であること、水没後の対応、
そして、この後訪れるメキシコのCANONには日本人駐在スタッフがいらっしゃるかどうか。
これらをメールにまとめて、
ポチッと送信!
船に戻ったらあと2、3日はwifi環境がなくなってしまうので、
ツアーが終わって街に戻ってから返信の確認をしようと思います。
成田さ〜ん!
いつもいつもすみませーーーん!
どうか、
オラに力をーーー!!!
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フリータイムが終わり、ディンギンで船へ戻りました。
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帰ったらちょうどお昼ご飯。
やはりAngeloは戻っていなくて、ランチもMaurが料理して準備してくれました。
美味しそうなお魚料理!
Maurはもともとシェフの仕事もしていたみたい。
ご飯を食べながら、気になる彼の行方を尋ねます。
「ねえEdger、Angeloは?」
「帰ってきていないんだ。連絡もつかない。」
「え?昨夜飲みに出たまま、帰ってきていないの?」
「そう。オーナーにその事を連絡をしたら激怒して、Angeloはもう船に戻らせないって言っているんだ。
これから新しいシェフをサンタ・クルス島のプエルトアヨラから呼び寄せる事になったから、
私たちはここでシェフの到着を待たなければいけない。」
「え?じゃあ、午後は次の島へ移動する事になっていたけれど、
予定変更してサン・クリストバル島に待機しなければいけないの?」
「Yes.」
もう、最悪。
カメラ水没事故のあの日以来、次から次に問題が発生する。
決して安くないお金を払ってこのツアーに参加しているのに、
スタッフがこんなにいい加減だったら不安になるし、心から楽しめないよ。
ツアー前半はあんなに順調だったのに。
カメラが壊れて、Benjaminが加わって、
流れがおかしくなっていった気がする。
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食事が終わり、
「ここにいても仕方ないから、新しいシェフが来るまで街に出ていい?」
「もちろん。それじゃ16時に船着き場に集合で、それまでは各自自由時間にします。
本当に申し訳ない。」
とEdger。
Benjaminは昨日の夜更かしの疲れがまだ残っているのか、
昼寝をするから街に出ないと言って部屋に引きこもってしまいました。
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NickとKarinと私とEdgerはディンギンに乗って、再びプエルト・バケリソ・モレノの港に上陸。
(ここも何往復すればいいの〜!?)
「私たちはそこのビーチでのんびりしてるけど、ucaはどうする?一緒に行く?」
とKarin。
「私はちょっと気になる場所があるからタクシーで行ってくるね!」
「OK!16時に船着き場よね。それじゃ、また後で!」
彼らと別れ、タクシーを拾って、
街から3キロほど離れたLas Loberiasへ足を伸ばしてみました。
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鉱山を通り過ぎて、
タクシーを降りて海岸へ突き当たると、
真っ赤な草原の向こう、
そこは、岩と砂浜のLas Loberiasのビーチ。
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海沿いをずーっとお散歩。
ここにも、癒しのアイドルたちが待っていました!
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デン!
デデン!!
デーーーン!!!
(イマイチよく分からない効果音スミマセン)
つぶらな瞳。
アルカイックスマイルの微笑み。
ムチムチの腕と無骨な5本指。
悟りを開いたように微動だにしないその佇まい。
なに!?この愛くるしい生き物!!!
ああ。
私、ガラパゴス諸島に来てから、
すっかりイグイグの虜になってます。
このビーチには岩にたくさんのウミイグアナが張り付いていました。
手持ちのガイドブックの、
ガラパゴスウミイグアナの生態について記された解説を読んでみると、
海に潜れば潜水時間はなんと1時間!
(時折、海面をスイーっと泳ぐイグアナを見かけます。)
岩に付いた海藻だけを食べるヘルシーなイグアナである。
ヘルシーなイグアナ ってwww
そして、ひとたび海から上がるとひたすらひなたぼっこを決め込み、
鼻から塩分の濃い液が噴き出すために頭が白くなっていたりする。
だって。
うん確かに。
完全にひなたぼっこを決め込んでいるし、
塩が乾いて顔が白くなってるなってるw
この愛すべきイグイグたちにたっぷり癒された後は、
この子たちも!
このビーチにもアシカがたくさん!
子どもたちがじゃれあって水遊びをしています。
風を感じるアシカ。
ママと坊や。
ペタペタ。
この胴長短足すぎフォルム、可愛すぎる!
のび〜〜〜
昨日のCerro Brujoのビーチで、だんごのように重なり合って寝そべっていたアシカたちとは違って、
ここのアシカは随分と行動的です。
お天気がそうさせるのかなぁ?
昨日は曇り空だったから眠かったのかな?
猫みたいに。
★
★
癒しのLas Loberias海岸散歩。
あっという間に時間は過ぎて、気付けばもう15時。
もっと奥まで歩きたかったけれど、集合時間の16時までには港へ引き返さなければいけません。
帰りは街まで歩こうと思っていたのだけどそんな時間もなく、
たまたま通り過ぎたタクシーを拾って、プエルト・バケリソ・モレノの街に戻りました。
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16時。
今日は約束通りディンギンが迎えに来て船へ。
「Edger、サンタ・クルス島から新しいシェフ来た?」
「それが、シェフは来なくなったらしいから、残りはMaurに引き継いでもらう事になったんだ。」
「え〜!?じゃ、この島で待ってた意味ないじゃん〜!Angeloはもう連絡取れないんでしょ?」
「うん。」
Angelo、完全に仕事放棄の脱走だわ。
ツアークルーが途中で仕事をほっぽり出していなくなっちゃうなんて、日本基準ではありえない事だけど。
ここは外国。
南米の、エクアドル。
信じられない事がフツーに起こり得るのです。
先日遭遇したバス事故の、ドライバー現場逃走然り。
ま、ここで船が待機していてくれたおかげで、
Las Loberiasの美しい海岸に立ち寄る事もできたし、結果オーライとするか!?
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★
ところで、
この日の夜、Maurの用意したディナーを食べた後、
エクアドルナショナルチームのサッカーの試合があるとかで、
EdgerとMaurとキャプテンはスポーツバーでゲーム観戦をするために街へ出かけると言い出しました。
ゲストが提案したならともかく、キャプテンを筆頭にクルーが夜遊びに出かけるなんて。
さすがエクアドル、自由やな。
「今から街へ行くから、出かけたい人は一緒に連れて行くよ。」
とEdger。
「私は今日はいいや。船にいる。」
NickとKarinも今夜は外出せずに船に残る事になりました。
お昼は船から一歩も出ず、昨夜の夜更かしの疲れを回復させて元気いっぱいのBenjaminは、
「俺も街へ出る。」と。
ところが、ちょうど今熱々のコーヒーを飲み始めたBenjamin。
飲み切るまでちょっと待ってくれと言うわりには全く急ぐそぶりを見せない彼。
もう間もなく試合開始時間が迫り、今すぐにでも出かけたい3人はソワソワしています。
「今出るから、ほら、行こう!ディンギンに乗って。」
EdgerがBenjaminに催促。
「なんでだよっ!俺は今コーヒーを飲み始めたばかりなんだよ!待ってくれよ!」
と腹を立てるジャイアンのようなBenjamin。
「もう待てないよ、それじゃ僕たちは出るからね!」
娯楽の少ないガラパゴス諸島、サッカー観戦は彼らにとって大きな楽しみの一つであるようです。
「それじゃ、後で迎えに来てくれよなっ!」
Benjaminは、出ていく3人の背中に向かってそう言い放ちました。
(今出かけるて言ってるんだからさ〜、コーヒーなんて諦めて一緒に行けばいいのに。)
心の中でそう呟く私。
この何気ない?やりとりが、
実は後の一波乱の幕開けだったのです・・・。
★
★
キャプテン、Maur、Edgerの三人が街に繰り出してしまい、
船に残されたゲスト4人はデッキに上がって星空を見ながらまったりしていました。
コーヒーを飲み終わったBenjaminは、今朝街で買ったラムボトルを開けて、コーラで割ってグビグビと飲んでいます。
私たち3人もお相伴に預かりラムコークを飲んでいたのですが、
サッカーを見に行ったきり全く迎えに来ないクルーたちにBenjaminは次第にイラつき始め、
文句を言いながらお酒を飲むペースも早まっていきます。
ボトルのラムがみるみるなくなっていき、
空になってしまうと、なんと船内の冷蔵庫から売り物の瓶ビールをたんまり持ってきて勝手に飲み始めたのです!
止めてくれると思っていたNickとKarinも一緒になってビールを飲み始めて。
船内のルールとして、瓶ビールを1本飲むごとに紙に印を付けて、船を出る時に一度に清算するという仕組みになっていました。
でも、もちろん彼らは印なんて付けません。
クルーがいないのをいいことに、ビールを次から次に空けていきます。
「uca、飲まないの?」
「私はいらない。」
酔いが回り始めたBenjamin。
もともと通る声がさらに大きくなって、
置いてけぼりにされた怒りは収まったようで、音楽に合わせてご機嫌にリズムを刻んでいます。
片手にはマリファナ。
(船に乗り込んで来た初日から吸っていた。)
船内はもう無法地帯。
ビールをしこたま飲んでギャーギャー騒ぎ立てる彼らにウンザリしていたら、
突然、
悪ノリがヒートアップしたのでしょうか。
Benjaminがキッチンから持ってきた卵を海に投げ捨てたのです!!!
え!?
「Benjamin!
なんでそんな事するの?ここはガラパゴスだよ!?
卵を海に捨てるなんて!
アシカが卵を食べちゃったりしたら・・・、生態系が狂うかもしれないのに!
どうしてそんな事をする必要があるわけ!?」
と、
英語力の乏しい私の口からは生態系なんて言葉、咄嗟にスルリとは出てこなかったけれど、
それっぽい事を必死に彼に訴えました。
するとBenjamin、
「俺たちの乗っている船からはガソリン垂れ流してるじゃないか!」
う・・・。
「あの船も、あの船も、ぜーんぶガソリン吐き出してる。別に卵の一つくらい関係ねーよっ!」
もうやだ。
この人嫌いだ。
NickとKarinも、Benjaminと一緒になって笑っています。
なんで?
どうしてこんな時、クルーは一人もこの船にいないの?
普段だって、勝手な行動を取るBenjaminにどうして厳しく注意しないの?
ビールを盗んで飲みまくる彼らに注意すらできず、卵の事に対してこれ以上抗議もできない私。
いたたまれなくなった私は、
「私、やる事があるからお部屋に戻る。」
情けないけれど、
収集の付かないその場を離れ、自分の部屋に閉じこもるしか術はありませんでした。
「She is too Japanese.」
酔っぱらって声が大きくなっているNickの声がデッキから聞こえてきました。
Nickまで!あームカツク!!!
★
★
★
しばらくして、試合観戦を終えたEdgerたちが街から戻ってきました。
早速酔っぱらったBenjaminが、迎えに来なかった事を大声で抗議しているようです。
NickとKarinも、
シェフのAngeloが姿を消した事や今日のグダグダな段取り、クルーのサッカー観戦について物申している様子。
私は耳をそばだてながらも部屋から出る事はありませんでした。
★
★
もう、めちゃくちゃだよ〜!
意を決して、12万円という大枚をはたいて楽しみにしていたガラパゴスツアーに参加したのに、
カメラは水没して壊れるわ、シェフは逃走するわ、船内の雰囲気は悪くなるわ。
そういえばコンデジも治らなかったし、肋骨骨折もしたし、
私、エクアドルに入ってから呪われてる!?
とにかく、
早くツアーを終えてこの船から出ていきたいよ・・・。
残るはあと二日。
これ以上何も起きない事を切に願うのみです。
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