【カミーノ17】無力
<カミーノ18日目>
グッと冷え込む雨の朝。
こんなにも寒暖の差が激しいとは思わなかったカミーノ。
なんだかんだで粗悪ポンチョも大活躍です。
(相変わらず雨を凌がないポンコツ雨具だけど!)
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今日も今日とて目指すはサンティアゴ。
道の脇のお花畑にふと目が止まりました。
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紙吹雪を舞い散らせたようなその光景が、なぜかとても印象に残ったのです。
ワインの名産地、ラ・リオハ州はここでおしまい。
カスティージャ・イ・レオン州へと突入します。
その日の行程や標高差を確認すべく、あらかじめカミーノマップをチェックして出発するのですが、
今日のルートは集落が近距離に点在していて休憩ポイントに事欠くことはないようです。
Grañónから7.5km先、3つ目の村でバル休憩を取ろうとVIORIA de la RIOJAを目指していたのですが、
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通過する村々がどれも人っ子一人見当たらず、
この雨模様が閑散とした雰囲気に拍車をかけてゴーストタウンタウンの様相!
もちろん、バルも売店も見つけられず、
3つ目の村、お目当てのVIORIA de la RIOJAに到達した時にあっと思い出しました。
そういえば、今日は日曜日だったーーー!!!
安息日を大切にするスペイン人にとってお休みの日は働くべからず。
こんな田舎の集落は特に、商店は軒並みクローズしている日曜日です。
すっかり忘れてた。
参ったなぁ
雨だし、寒いし、お腹空いたし、
なにより、ものっすごくトイレ行きたいのに!!!
うずく膀胱。
滲み出る変な汗。
もう、そこらへんでしちゃおうか。
旅歴もそこそこ長くなってきた私。
幾度となく野っ原放尿してきたじゃないか!
でも。
やはりこんな日に限って木陰はなく視界開けすぎ。
雨足も強まって荷物もおちおち下ろせません。
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結局、
VIORIA de la RIOJAから3.5km、出発地のGrañónからは11km地点。
VILAMAYOR dek RIOというところに、この道中では絶対にお世話にならないであろう高級そうなレストランを見つけ、
日曜日だというのに奇跡的に開いており、今回ばかりは迷わず直行!
だって、トイレマークにしか見えなかったんだもん。
扉をくぐると、待ち構えていたウェイターさんに入店を拒まれてしまいました!
ポンチョやポール、バックパックを中へ持ち込むな、と。
言われた通り、入り口の脇にドロドロの一式を全て置き去り、
無事中へ入ると素早く注文を取って、お手洗いへ駆け込ませていただきました。
全身脱力とはこのことでしたね。
用を済ませ、お天気とは裏腹に晴れやかな表情でテーブルへ。
アップルパイとトルティージャ。
案の定、この二つで7ユーロもしちゃいましたけど!
今日は致し方なし!
やっとまともな休憩が取れて、少し長居しすぎちゃいました。
気合いを入れ直してテーブルを立ち、レストランを出ると変わらず雨は振り続いていました。
湿ったポンチョを纏い、意を決して土砂降りの中に飛び込み、
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ノンストップで歩いて約5km。
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ベロラードという街に到達しました。
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狭い路地。
ひしめき合う瓦屋根のおうち。
その小窓にはどこも綺麗にお花が飾られて、
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そこかしこにバラが咲き乱れる。
メルヘンチックな街並みにちょっぴり心踊ります。
ベロラードには、コウノトリがいたるところに巣を作っているそう。
妊娠、安産祈願に訪れるのも良いかも??
可愛らしいこの街に滞在してみたかったのですが、今日はもう少し歩けるので教会だけ覗いて通過します。
靴も雨でぐちょぐちょ。
早く落ち着きたいのは山々なのですが。
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それはベロラードの街の終わり。
ハプニングは突然起きました。
目の前を歩いていたローカルっぽいおばあちゃん。
彼女が、突然転倒したのです!
びっくりして駆け寄り手を差し伸べると、
なんと、おばあちゃんの口周りは血だらけ!
メガネはヒビが入り、手の指はありえない方向に曲がっています!
慌ててポーチからティッシュを取り出し、
自力で立ち上がろうとしていたおばあちゃんに腕を差し出すと、
「ノーグラシアス!」
と、手助けを拒否されてしまったのです。
え?
一瞬キョトンとしてしまいましたが、
でも、でも、
血も出てるし、指も大変だ。
どうしよう。
病院に連れていかないと!
だけど英語は通じないし、私は明らかに拒絶されているみたい。
ヨロヨロと立ち上がるおばあちゃんの横でなす術もなく、
誰か助けを、と周囲を見回すと、
ほとんど人通りのないこの道に、ナイスタイミングでちょうど地元の男の人が現れて、
すかさずこちらに呼び寄せ、
「おばあさんが突然転んだんです!
口も血だらけで、指も・・・」
オロオロしながらジェスチャーを交えて説明すると、その男性はおばあちゃんを引き取ってくれました。
親族なのか、ただの通りすがりの方なのか分からないけれど、
おばちゃんはその男性にはおとなしく従い、彼の腕を取りながら、脇の民家の中へ連れられていきました。
あまりの突然の、予期せぬ出来事。
おばあちゃんを助けてくれる人が現れたことに安堵しながらも、
その場に取り残された私は自分の無力さを痛感し、
言いようのない情けなさと悲しさがこみ上げてくるのでした。
私はカミーノでたくさんの人に手を差し伸べられて、助けられてきたのに、
私は、彼女に何もしてあげることができなかった。
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足取り重い雨の道。
本当はもうちょっと先へ行きたかったのだけど、
悪天候と寒さも相まって気力が湧かず、ベロラードの次の村、トサントスで今日は終わりにすることに。
アルベルゲにチェックインし、
冷え切った体を熱々のシャワーで温めます。
(今のところ宿のシャワーにハズレなし。さすがヨーロッパクオリティ!?)
落ち着きを取り戻し、
宿併設のレストランでご飯。
今日のペルグリーノメニューは、
サラダパスタと、
メインはミートボール。
付け合わせのポテトとバルサミコドレッシングのサラダも美味しくて、
今日のディナーは総じて高評価!
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さっきの出来事を頭の中で反芻しながら、
落ち込む気持ちをかき消すように、赤ワインをボトル一本飲み干してしまいました。
レストランの脇では、
昨日のパブと同じように地元のおっちゃんたちが集い、カードゲームに興じています。
真剣に、楽しそうにカードを操るおっちゃんたちをほろ酔い気分で眺めながら、
どんよりと曇った気持ちを、少しずつ明日へシフトしていくのでした。
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■カミーノ18日目
2017/6/4 (日)
Grañón – Tosantos <20.5km>
アルベルゲ / Los Arancones ドミ10ユーロ Wifi レストランスペースのみ◎
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