事故 バス大破
ドリームキャッチャーでも買っておけば良かったかな?
もう少し早起きすれば。選択肢は他にもいっぱいあったのに。
byオタバロタラレバ娘(35)
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プチ旅オタバロ3日目の日曜日。
実は、キトからバスに乗ってこの街へ来る道中、とても風光明媚な湖があって。
途中下車したいくらい綺麗だったので、今日はその湖まで足を伸ばしてみる事にしました!
オタバロから4kmほど南にあるサン・パブロ湖。
ほとりの街までバスで、そこから歩いて湖までやってきました。
湖の脇には整備された綺麗な広場があり、
公園には遊具、それにフードコートの入った小屋もあって、
湖沿いにはくつろぐファミリーやカップルがチラホラ。
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日曜日の午後、皆が思い思いのゆったりした時間を過ごしています。
せっかくここまでやってきたので、遊覧ボートに乗ってみる事に。
今日はあいにくの曇り空。
キトからオタバロへ向かうバスの窓から見た、最初ほどの感動はなかったけれど、
湖を囲む山や街は、近くで見てもなかなか絵になります。
ベランダからの湖の景色がとてもいい素敵なレストランにて。
自然の風景は、引きで見た方が美しい場合多々あり。
(富士山然り?)
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湖を後にしてオタバロへ戻ります。
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束の間だけど、
壊れたコンデジちゃんの事を綺麗に忘れ、
大型連休にぶち当たったショックも癒えて、
オタバロを十二分に楽しんだ三日間でした!
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月曜日。
さあ、キトへ帰ろう!
今日こそ、CANONへ行かなくちゃ!
ちょっぴり寝坊してしまった朝。
ダラダラと荷物をまとめ、チェックアウト時間のギリギリ11時に宿を出て、歩いてバスターミナルへ。
オタバロのバスターミナルは都会のそれとは違い、広場に、無秩序にバスが停泊しています。
受付らしき建物の中の人に尋ねてキト行きのバスに乗り込もうとしたら、
「こっちの方が早く出るよ!」
と、どこからやってきたのか車掌さんに誘導されて別のバスへ。
バスに乗り込むと、中はガラガラ。
私がお客第一号だったようです。
前方の席に座り、窓の外をボーッと眺めながら出発の時を待ちました。
チラホラと乗客が乗り込んでくるものの、依然スカスカの車内。
結局、2割にも満たない乗客率でバスは発車。
だいたいこういうバスって満席になるまで出発しない事の方が多いのですが、
さすが首都。
キト行きのバスはかなり頻発しているようです。
バスがゆっくりと動き出しました。
少ししたところで、
そうだ、湖はオタバロからだと左手に見えてくるんだった。
もう一度バスの窓からサン・パブロ湖を見たいな。
ふとそう思い立って席を立ち、荷物を持ってバスの中をキョロキョロ。
(今回はプチ旅なので、コロコロや大きな荷物は全てキトの宿に置いてきているのです。)
空いている車内は座席選び放題。
後方左側に席を取り直し、腰を下ろしました。
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ほどなくして、
窓の外にはあの湖の景色が広がりました。
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サン・パブロ湖は、やっぱり見下ろすように、山と街と湖セットで見るのが好き。
湖がいなくなるまで窓の外をひとしきり眺めた後は、
最近ハマっている文庫本を取り出し、あっという間にその世界に没頭。
かなり真剣に本を読みふけっておりました。
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だから、何が起こったのか、
しばらくは本当に分からなかったのです。
いきなりガクンと衝撃第一波が来て、
!?!?
次に、スローモーションのように体がフワリと宙に浮き上がり、
お腹からドンっと前の座席の背もたれに落ちて体を強く打ち付け、
隣のイスに置いていたカメラバッグやパソコンバッグが地面に転がり落ちて。
ウッ・・・・
気がついたら、
軋むバスの中、天井からはパラパラと粉塵が舞い、
周囲を見回すと車体は少し傾き、
イスは壊れて倒れ、フロントガラスはメッキメキに割れて、おばあさんがギャーーーと泣き叫んでいて。
なかなかの地獄絵図。
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どうやら、
乗っていたバスが事故に遭ってしまったようです。
読書に集中していた私は車の異変に気付く事もなく、
よって体を構える準備もせず、座席から放り出されるように体が縦垂直に飛び上がってしまったのです。
強打したお腹を押さえて横になり、しばらく動けずにいたのですが、
正気を取り戻して、
床に散らばった荷物をまとめ、バスから出ようとヨロヨロとした足取りで前方に移動すると、
あっ。
そこには血だらけで倒れている人が。
冗談ではなく、盛るための作り話でもなく、
この席は、
前方右側の座席は、私がバスに乗り込んで最初に座っていた場所。
虫の知らせだったのでしょうか?
途中後方に移動したのが幸いして、私は最悪を逃れられたのです。
ここで血を流して倒れているのは自分だったかもしれない。
その男性の手は真っ赤で、
分かりやすく言うと、太陽に吠えろの松田優作よりも真っ赤で、(いや、私もリアルタイムは知らず画像でしか見た事ないのですが)
周囲にも血が飛び散っていて、怖くて直視できなかった。
助けるなんてとてもできない。
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バスを出ようとしたらドアが潰れて開かなくなっていたので、
バキバキに割れたフロントガラスから脱出しました。
窓から外へ出る時、お客さんなのか助けに来てくれた人なのか、男性たちが手を取って私の体を支えてくれました。
その時、
まさか運転手は大けが・・・!?
と思って怖々と、運転席にチラッと視線をやると、
いない。
運転手も無事に脱出できたのでしょうか。
お天気は晴れ。見通しのいい整備された道路。緩やかなカーブ。
だからこそ確かにスピードの出る道路で、故にこれだけの大事故になったのだろうけど、
一体、ドライバーに何が起こったのだろう。
状況を知りたいけれど、スペイン語が分からないので尋ねる事もできません。
外にはいつの間にやらパトカーがいて、救急車も待機していて。
「病院に行くか?」と聞かれたのですが、
一刻も早くCANONへ行かなきゃ。
今日中にカメラを修理に出さなくちゃ。
こんな時でもカメラの事で頭がいっぱいの私。
自分の体の事よりもコンデジちゃんの修理が優先事項な私は(間違ってる)、
救急車を断り、
後からやってきたキト行きのバスに乗ってその場を離れました。
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事故写真は全てその場でiphoneで撮ったものです。
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何が起こったのか頭の整理がつかないまま、
キトのバスターミナルに着く頃、
事故に遭った瞬間には感じなかった痛みが、時間差でジワジワと体を襲ってきて。
一番強く打ち付けたお腹に、なぜか左足首も痛むし、そして首にはちょっぴり違和感。
体をグッと構えていない時の突然の衝撃による負担は想像以上だったようです。
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キトのバスターミナルで市内路面バスに乗り換えて、びっこを引きずりながら宿泊していたHostal L’Auberge Innに辿り着き、
チェックインして部屋に入り、痛む体をベッドに横たえて落ち着くと、改めてさっきの出来事を振り返ってみました。
バスの中の大惨事を思い出すとさすがにショックが込み上げてきてゾッとします。
キト行きのバスは頻発していて選択肢は他にもたくさんあったのに。
車掌さんが私を呼びに来なければ。
もう少し朝早く起きて、1時間でも30分でも早くバス乗り場に向かっていれば。
そんなタラレバが頭を巡りながらも、
途中座席を後方に変えていたから、最低限の怪我で済んだ。
床に転げ落ちた一眼レフもパソコンも、壊れずにちゃんと使える。
神様かご先祖様か、死んだおじいちゃんおばあちゃんが守ってくれたのかなって。
不幸中の幸いというのでしょうか。
自分の強運に改めて感謝するのでした。
とは言っても、
体の痛みはどんどん増していきます。
は〜ぁ。
これからガラパゴス諸島までの一週間、予定ガンガン入れてるのになーーー(泣)
ふと気になって、先ほどの事故の事をネットで調べてみると、
早速いくつかのニュースサイトで記事になっていました。
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翻訳にかけて記事を読んでみると、
負傷者は5人でうち重傷者1人。(私みたいな人を数えれば、負傷者はもっといたはず)
なんと、ドライバーは現場からすぐに逃走していなくなってしまったらしい!
事故原因は、ドライバーの居眠り運転だったのだろうという事。
信じられない。
確かに、改めて写真を見ると木がなぎ倒されてブロックも粉々になっていて、
ものすごいスピードでバスが道路脇に突っ込んだのが分かります。
居眠りっぽいハンドルの切り方、スピードの出方。
そして、もし逆方向、反対車線を越えて飛び出していたら、
そっち側は崖っぷちだったのです・・・!
バス転落で、死者も出るほどの大事故になっていたはず。
本当に、ゾッとする。
生まれて初めての交通事故。
まさか、旅先で自分が巻き込まれる事になるとは。
一寸先は何が起こるか分からない。
気をつけようのない、不可抗力の事態は突然やってくるんだ。
それが強盗か、自然災害か、事故か、テロか、飛行機墜落かは分からないけれど。
でも、それは日本にいたって同じで・・・。
どこにいたって先の事は、神様でもない限り、予測が付かない事は当然起こりうる。
だからこそ、一日一日がどれだけ尊く大切であるか、
今日が人生最後の日かもしれないという気持ちで生きていけたらいいのだけど、
これがなかなか難しいですよね。
当たり前に明日が来ると信じて疑えない。
いつ死んでも悔いはない。
そんな気持ちで選択して、今を生きているつもりだったけど、
事故に遭遇して、
やっぱり命は惜しかった!
まだまだやりたい事、行きたいとこたくさん。
美味しいもの食べたい。
会いたい人に会いたい。
(欲だらけ)
ああ、それより。
今日中に、お店が閉まる前にカメラを出しに行かなくちゃ。
ガラパゴス諸島まであと一週間。
カメラはちゃんと治るのかな。
いや、私の体は治ってくれるのか!?
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フラフラになりながら、宿を出てCANONを目指すのでした。
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