【カミーノ4】三日目でリタイヤ危機

カミーノ フランス人の道 スペイン巡礼

<カミーノ3日目>

今日はZUBIRIから20.9km先の大きな街、パンプローナを目指して歩きます。
パンプローナと言えば、マドリードからSJPPへ移動する時にバスを乗り換えた街。

ということで、実は二度目?のパンプローナ。
バスに乗ったらあっという間なのに、歩くと3日もかかるのね。
我ながら酔狂なことしてるなーと思わないでもないですが、
自分でも驚くくらい、歩き旅に幸せを感じ始めている私です!
ありんこのように地面を這って、ゴールを目指して一歩ずつ。
バスや電車と違い、スロウで流れる景色。
歩くことがこんなにも楽しいなんて!


カミーノ フランス人の道 スペイン巡礼

歩き始めたらエンジンがかかって、足が自動的に前へ前へと回転。

 

昔から、歩く速度は若干(女性の平均よりは?)速い私。
それは、せっかちな性格ゆえ。
例えば、横断歩道の赤信号。
どんなに人混みでも一番前に出て待たなきゃ気が済まないし、
帰宅時には家に着く前に鍵を、電車を降りる時は改札までに切符を、数十メートル前から手に握りしめてスタンバイ。
自宅ではトイレのドアを開けたまま放◯。
喋り口調も比較的早口。
忘れ物多い・・・。

て、これでせっかちエピソードが伝わるのかは疑問ですが!?
まあそんなわけで、歩くスピードも自然と速くなってしまうのだと無理やり自己分析!

 

カミーノを歩き始めて驚いたことの一つに、想像以上に年配の方が多くて!
むしろ若い人よりもずっと多いかも。
「ブエンカミーノ!」と笑顔で挨拶を交わしながらグングン追い越して歩きます。


昨日ZUBIRIで出会ったマルタ島のMarkとHoraceに道中で再会!
彼らと一緒に少し休憩をして。

 

また次の街で!と先に休憩を切り上げ、再び歩を進めます。


カミーノ フランス人の道 スペイン巡礼


カミーノ フランス人の道 スペイン巡礼


カミーノ フランス人の道 スペイン巡礼

ワタワタロード。
どこから飛んできたのか、道が綿だらけ。

 

カミーノ フランス人の道 スペイン巡礼

緑のトンネル。

 

カミーノ フランス人の道 スペイン巡礼


カミーノ フランス人の道 スペイン巡礼

目の覚めるような真っ赤なポピーはところどころで道を彩り、この花に出会うとなんだか元気をもらえます。
いい季節だな。


ブランチを取るためのバルを探していたのですがなかなか見つからず、

 

カミーノ フランス人の道 スペイン巡礼

ZUBIRIの村から歩いて9kmほど。
ようやく現れてくれました!

広いお庭を要するお洒落なバルは巡礼者でごった返しています。
私もここでご飯休憩を取ることにしました。

 

カミーノ フランス人の道 スペイン巡礼

インスタ映え?人気撮影スポット。
ペルグリーノの像の杖部分に自分のポールを立てかけて写真を撮る彼を見て、
ナイスアイディア!と私もしっかり真似をさせてもらいました。

 

カミーノ フランス人の道 スペイン巡礼

一番のお楽しみ、ガソリン補給のお時間です。
マッシュルームのスペインオムレツとマフィン。
このトルティージャが感動もののうまさで!
他にも3種類ほどあって、お腹が、というよりお金が許せば全部食べてみたかった!

 

このバルで、ロンセスバージェスで一緒だった安松さんと間所さん、そしてsakiちゃんにいっきに再会!
ZUBIRIでは見かけなかったので、それぞれ別のアルベルゲに泊まっていたみたい。

再び出会えたことを喜び合い、少し談笑をして、
ここからはsakiちゃんと歩くことに。

 

カミーノ フランス人の道 スペイン巡礼

スラリと背の高い彼女も颯爽とテンポの良い速度。
色々とお話をしながら歩幅を合わせて歩きます。

 

カミーノ フランス人の道 スペイン巡礼

さっき道に落ちていたワタワタの正体はこの子たちだな!


ところで。


それまでは軽快そのもので歩いていたのに、
実はさっきバル休憩した以降、なんともなかった右膝に軽い違和感を感じ始めていたのです。
それでも、それほど重要視していなかった私は速度をゆるめることなく、
sakiちゃんとともに、しばらくはサクサク歩いていたのですが。

教会へ続く小高い丘の登り道に差し掛かった時。

 

ズキン!

 

違和感が、確かな痛みに変化したのを感じたのです。

 

「sakiちゃんごめん、やっぱり膝が痛くなってきた。
先に行ってて!」

 

「ucaさん、無理しないでください。膝は悪化させると大変なことになりますから。」

 

学校で鍼・灸などを勉強し、マッサージの仕事をしていたsakiちゃんは体の事に詳しくて、
途中で、私のSKINSの圧着スパッツの履き方も指摘してくれたのです。
何も考えずに履いていたので左右ちぐはぐな向きになっていたのだけれど、
ちゃんと切り返しには役割があって筋肉をサポートしてくれるものだから、履き方によって効果がグンとアップすること。

 

そんな彼女の言葉には重みがあります。

 

「そうだね。少しペースを落として歩くよ。
また道中で会おうね!」

 

sakiちゃんは軽やかな足取りで登りの砂利道を歩いていき、
私は少し右膝をかばいながらゆっくり上ります。

 

カミーノ フランス人の道 スペイン巡礼

見晴らしの良い小高い丘の上、素朴な石造りの教会に辿り着きました。

休憩がてら中に入ってみます。

 

カミーノ フランス人の道 スペイン巡礼

立派な祭壇と、

 

カミーノ フランス人の道 スペイン巡礼

巡礼者たちの思いに囲まれたイエス・キリスト。


教会の入り口の脇、台の上に様々な国の言語で書いてある紙の束が目に入り、
日本語を選んで手に取って、ベンチに腰を下ろして何気なく目を通してみました。

 

それが、
今の私に、雷に打たれるような衝撃を与えようとは・・・!


カミーノ フランス人の道 スペイン巡礼


カミーノ フランス人の道 スペイン巡礼

両面に印刷された文字。
ここには、カミーノを歩く巡礼の真理が刻まれていました。
何度も何度も繰り返し読み返し、
その度に、私の心に深く突き刺ささります。

 

この教会に吸い寄せられ、
歩き始めて3日目という序盤の段階で、
カミーノの大切な道しるべを与えられたことは何かのお導きかもしれない。

ただただ挑戦の気持ちでスペイン巡礼道を歩く決意をし、SJPPを出発したけれど、
ここで一度立ち止まって我が行いを見直し、
この教えを深く胸に刻み込み、
これからの長い長い旅路の指針にしよう。



しばらくして、教会の尖塔へ登ってみることにしました。


カミーノ フランス人の道 スペイン巡礼

狭い塔の螺旋階段に足をかけた時、

 

「いたっ・・・!」

 

違和感ほどの痛みがいよいよ激痛に変わり、膝を曲げる事すら困難になってしまったのです。

 

それでもなんとか階段を上がり切り、

 

カミーノ フランス人の道 スペイン巡礼

下界を見下ろすとこの景色!

 

カミーノ フランス人の道 スペイン巡礼

鐘も突かせてもらって。

 

で、もちろん螺旋階段をまた降りるわけですが、
変な汗がにじむくらい膝が痛い。

 

本日の目的地、パンプローナまで残り約9km。
え?この状態で本当に辿り着けるの?
不安がよぎります。


カミーノ フランス人の道 スペイン巡礼

教会を出て再び道に戻ったけれど、
今朝までのサクサク歩きが幻だったかのように、右足を引きずりながら一歩を踏み出すのがやっとです。
特に下り道はさらに膝に負担がかかり、痛みで顔が歪むほど。
今日も後半は下り坂が多く、歩みを妨げられます。

それでも先へ進むしか道はなく、ノッソノッソと亀の速度で前進。
後ろ歩きの方が楽かな?カニ歩きはどうかな?
色々と模索しながらなんとか痛みを散らそうとするのですが空回り。

 

こんなんじゃ、絶対にパンプローナは厳しいよ!
それどころか、はるか彼方のサンティアゴ・デ・コンポステーラまでなんてとても無理。

 

早くもギブアップが頭をよぎり絶望感に襲われ、
半泣きになりながら足を引きずっていると・・・、


私を通り過ぎる巡礼者が皆必ず立ち止まり、
心配そうに「大丈夫?」と声をかけてくれるのです。

歩き方のアドバイスをくれたり、
ある人は痛み止めのタブレットをくれたり、
またある人はバックパックからエアサロンパスみたいなスプレー缶を取り出して膝にかけてくれたり。

 

無償の優しさに触れる度に胸がいっぱいになる。
初めて出会った見も知らぬ人に、当たり前のように手を差し伸べてくれる人たち。
思わず涙が出そうになってしまいます。


あ・・・

 

これがカミーノなんだ。


ほんのついさっき、教会で出会った一枚の紙きれが教えてくれたこと。
今度は、その真理を自ら体感してる。



巡礼はあなたを兄弟・姉妹にしてくれます。
あなたの持っているものはなんであれ他人と分かち合う準備ができていなくてはなりません。
というのは、たとえあなたが一人でこの巡礼を始めても途中で仲間に出会うからです。

 

巡礼者は幸いである。
一歩戻って誰かを助けることの方が、わき目をふらずにただ前進することよりも、
はるかに価値あることだということを見出すならば。



私は間違ってた。
初日にSJPPの巡礼事務所のスタッフが私にかけてくれた言葉が頭の中にこだまします。

 

「巡礼は誰との競争でもないのよ。
サンティアゴまで、100日かけたっていいんだから。
だから焦らないで。
ゆっくり歩いてね!」

 

私は、
駆けるように歩いて、
人々を追い越して、
先を先を急いで、
何も省みていなかった。

 

スタッフの彼女が警告してくれていた。
紙切れが教えてくれた。
親切を与えてくれるたくさんの巡礼者たちが教えてくれた。
ケアを怠って酷使した足が痛みで教えてくれた。


まだまだ道は始まったばかり。
このタイミングで、
私は巡礼者としてのあり方を、学ばされているんだ。


カミーノ フランス人の道 スペイン巡礼

教会を出てからどれくらい時間が経ったでしょうか。
眼鏡橋を渡ったすぐの右手にアルベルゲを見つけて飛び込みました。
これ以上、もう歩けない!


宿の受付をしてくれたおじいさんに膝の痛みをジェスチャーで訴えると、
アイシング用に保冷剤を持ってきてくれました。
彼は英語を話さず、私もスペイン語を喋れないから意思の疎通は難しいけれど、
優しい空気が滲み出ているおじいさん。

 

「足が治らなかったら明日もここで休みなさい。」

 

多分そんな事を言ってくれたのだと思います。
巡礼宿のアルベルゲは一泊でチェックアウトがルールなのに。


足を引きずりながら中庭を通って宿舎の棟へ移動し、
案内されたお部屋の二段ベッドの下段に倒れ込むと、

 

「ふぅ」

 

と重たーいため息。


私の膝、一体何が起こったの?

 

これから私のカミーノ、

 

どうなっちゃうの!?


■カミーノ3日目
2017/5/20 (土)
ZUBIRI- TRINIDAD DE ARRE 16km
アルベルゲ/Cofradia ドミ8ユーロ Wifiなし

 

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