【カミーノ10】小さな自信
<カミーノ11日目>
右膝を痛めて1週間以上が経ちました。
歩きを再開してからは3日目。
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今日は目標距離を飛躍的にジャンプアップ!
ちょっと無理しすぎかな?という気もしますが、20kmを目指してみようと思います!
どうしても先へ先へと気持ちが早ってしまい・・・。
途中あまりにも痛みが増すようだったらゴールを前倒しして、そこは臨機応変に対応。
さて!
今日も朝日に見送られながら元気に出発しようと思います!
・・・と、気合だけは十分ですが、
膝が固まってしまって朝が一番痛い。
朝一のロキソニン服用は必須です。
薬が効いてくるまではかなりゆっくりペースで。
でも。
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今日も出だしから景色が最高すぎて!
たまらない!!!
歩く速度が極端に遅くなった分、
目に写る風景はもちろんのこと、麦の擦れる音や鳥のさえずり、甘い花の匂いも、肌に感じる風も。
五感フル稼動で、歩くことを全身で楽しむことにシフト!
あの峠を超えてきた昨日。
今日は風車を背に進みます。
フンフ〜ンと鼻歌を歌いながら。
気付いたら鼻歌の域を超えて、大声で歌っているのですけどね!
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2kmほど歩くと膝の痛みが少しずつ和らぎ、ようやくエンジンがかかり始めます。
昨日は巨大黒ナメックだったけど、
今日足元によく見かけるのはツムリン。
殻がくっついているだけで見た目がこんなに愛らしくなるのはなんで?
ツムリン得だね。
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UTERGAから約4km。
OBANOSの村に到着しました。
ここら辺でバル休憩、と思いきや、やけにひっそりとしています。
あああ、そうだ、今日は日曜日だったー!
人も街も安息日。
私にとっては魔の日曜日。
特に、こんな田舎の小さな村は数少ないカフェやバルが軒並みクローズするので、
休憩ポイントが激減してしまいます。
唯一オープンしていた教会の脇の小さな売店。
企業努力に全力で感謝します!
店番のおじいさまからバナナを一本だけ買って、広場の端に腰をかけてカジカジ。
なんとか朝のエネルギーを補給できました。
荷物を背負い、再びホタテ貝を追いかけます。
しかし。
今日は特に、バックパックがとびきり重たく感じる。
5kmを過ぎた辺りから岩のように背後にのしかかり、
ストラップがギリギリと肩に食い込んで重りのように体を沈めます。
はぁ。
荷物さえなけりゃもっと快適に歩けるのになぁ。
リュックは軽ければ軽いほど歩みを楽に、
人生は、抱え込みすぎる荷物を手放すほどに、身軽に、生きやすくなる。
のでしょうが、
いつも旅の荷物を減らせない、むしろ増やしてしまう私。
それでも私なりに努力をして軽量化を図った10km弱のこのバックパックをカミーノの道連れに、
どんなに背中を圧迫しようとも、責任を持って最後まで運ぶ使命があるのです。
改めて、ダーリン(一眼レフ)にお留守番を頼んで良かったよ。
ダーリンの代わりに連れてきた愛しのコンデジちゃん(Canon PowerShot G7X mark2)も、こんなにいい仕事してくれるもの!
お花の接写が特に好き。
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そんなこんなで出発のUTERGAから6.5km。
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草花の奥に覗くサンティアゴ教会の尖塔。
こちらは街の入り口の小さな教会。
プエンテ・ラ・レイナ(PUENTE LA REINA)の街に辿り着きました!
ここは、私が歩いている「フランス人の道」と、
同じくフランスとの国境からピレネー山脈を超える別ルート「アラゴンの道」がひとつに合流するポイントの街。
街の真ん中にあるロマネスク様式のサンティアゴ教会に寄り道をし、
教会を出るところで日本人観光客の団体さんに遭遇!
その中の、おじさま二人に声をかけられました。
「日本人?」
「はい。SJPPから歩いてきました。」
「日本人で歩く人に会うのは珍しいよね。
この道を歩いている人たちを見ると本当に感動するんだ。
僕たちはバスなんだよ。」
話を聞くと一人は長崎出身で、クリスチャンの巡礼道ツアーに参加すべくスペインにやってきたとのこと。
数日かけて、カミーノの要所要所の街を訪ねながらサンティアゴ・デ・コンポステーラを目指すバスツアーで、
おじさまはこのツアーにもう何度か参加しているそうです。
おじさま二人とお喋りをしながら石畳のマヨール通りを歩きました。
長崎出身のおじさんが5年前にこのツアーに参加した時、
サンティアゴ・デ・コンポステーラの150km手前の街で日本人のご夫婦に出会ったお話をしてくれました。
そのご夫婦の年齢は、当時奥様70歳、旦那様75歳。
彼らはSJPPからフランス人の道を歩き、800km踏破まであと150km、
いよいよゴールが見えてきたというタイミングでした。
お二人は金婚式の記念にカミーノを歩いていたのだそうです。
「素敵ですね!憧れるなぁ。
私は30overでシングルなので、金婚式カミーノはちょっと無理そうだな。」
「はっは!
金婚式には間に合わないね!
銀婚式で又歩きに来られるような相手を見つけなさい。」
うーん。
銀婚式、間に合うかな・・・。
「ところで私、SJPPを出発してから3日目に膝を痛めてしまったんですよ。
病院に行って、数日パンプローナから歩けなくて。
ちゃんとコンポステーラに辿り着けるか不安なんですよね。」
「びっこを引いて歩いているもんね。
こちらは山のプロだから、何かアドバイスをくれるかもよ。」
長崎おじさんのお隣の寡黙なその方は山を趣味とし、週末ごとに日本中の山々を歩いてきたそう。
彼に歩き方のコツを聞いてみると、大事なのは呼吸だと言います。
息を吸いながら二歩、吐きながら二歩。
呼吸のリズムに合わせて歩くと疲れにくい。
そして、足裏の親指からつちふまず辺りを意識して歩く、と。
なるほど!
これからの長い道のり、呼吸を意識して歩いていこう。
このタイミングでいいアドバイスをいただけました。
必要な物や情報は、本当に必要な時にちゃんと与えられるようになっているものだな、と、
彼らの出会いに感謝して。
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「私はこのバルで休憩していきますね!
ありがとうございました。
良い旅を!」
「君も、これからの長い旅、気をつけて。
コンポステーラまで頑張ってね!」
「はい!BUEN CAMINO!」
ツアーに戻って行くおじさま二人と別れて薄暗いバルの中へ。
さすが観光地のプエンテ・ラ・レイナ。
日曜日の目抜き通りは閑散としているのですが、それでもちらほらとオープンしていてくれて助かります。
オムレツを食べないと一日が始まらない!
トルティージャにロシアンサラダ。
お腹を満たし、たっぷり休息を取って、
黄色い矢印に導かれるままに。
後半も頑張ろう!
て、まだ20kmの折り返しもしていないけれど。
プエンテ・ラ・レイナの街の終わりにかかる大きな橋。
中世からその優美な姿を残す「王妃の橋」を渡り、アルガ川を超えて、
また歩きます!
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街を出ると、国道の脇を通るゆるやかな上りの砂道が続き、
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エネルギッシュに咲き誇る黄色の花の大群を横目に青空を目指します。
飛行機雲も天に立ち上る。
初日の大雨が嘘みたいに、ここ最近はしばらくお天気に恵まれていて、
粗悪ポンチョも出番なし!
やはりお日様の下を歩くのは気持ちがいいものです。
牧歌的風景と無機質な工場のコントラスト。
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Mañeruの村。
小さな広場のベンチで一休み。
荷物を下ろし、靴も靴下も脱いでストレッチタイム。
汗だくの背中と足を風にさらしてあげる開放感は、歩き旅のちょっとしたご褒美時間です。
今日も空を見上げると、何度も何度も見かける白い筋雲。
もう、スペインは「飛行機雲の国」に認定!
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Mañeruを過ぎるとブドウ畑とオリーブの樹々が現れ、思い描いていたザ・スペインの風景が広がります。
その先には、
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もう、なんなんですかね。
このRPG的世界観!
フィールド、教会、街。
ダンジョン?には、
黒ナメックとかツムリンとか、ゲーム序盤に出てくる、1ターンで全滅できちゃうようなゴブリン級の敵しか出てこないけど!
(今は全くしないけど大昔はゲーマーだった私w
主にFFオンリーですが!)
街に近付くと、
空に飛空挺、じゃなかった、
ナゾの飛行物体現る!
その正体は
カイトでした!
父と子、凧揚げに興じながら男同士の時間を楽しんでいます。
「息子よ、しっかり持っておくんだ。
父さんがバモースと言ったら手を離すんだぞ!」
バモス、バモーーース!!!
飛んだ飛んだ!
ブンブン音を響かせて、見た目よりもずっとアグレッシブに、
ものすごい速さで勢い良く空を切るカイト。
しばらく仲良し親子と飛び回るカイトを眺めてから、小高い丘の古びた街CIRAUQUIでジュース休憩。
この街をゴールにしても良かったんだけど、
妥協せずに、当初の目標通り20kmを目指します。
あと、6km弱!
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最後の力を振り絞って歩きますか!
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途中で若干後悔しかけましたけどね。
ラスト6kmが長いのなんの!
歩いても歩いてもゴールに着かないし、
ゆるやかながらもアップダウンが続いて、下りはやっぱり膝が痛みます。
スーーーハーーー(1、2)、スーーーハーーー(1、2)。
呼吸!
呼吸とリズムを大事にね!
プエンテ・ラ・レイナの山のプロに教えてもらったアドバイスを忠実に、
6kmをなんとかなんとか歩き切って、
最後の延々上り坂をゼーゼー上り切った先、
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今日の目的地、LORCAのアルベルゲにチェックイン!
づ・・・づがれたぁ。
膝をかばいながら歩いて本当に疲れたよ。
けど、20km、頑張った。
膝小僧、頑張ったね!
休憩しまくってトータル8時間半もかかっちゃったけど。
膝を痛めて歩けなくなってからの、初の20km。
小さな自信になりました。
その日の夜は、優しいsakiちゃんも私の復活劇を褒めてくれたし♪
ucaさんの回復力信じてましたって!
(本当に、なんていい子!)
sakiちゃんはというと、2、3日前にお尻と足が痛くなって坐骨神経痛みたいになっちゃったらしく。
でも、体の仕組みを熟知した彼女。
入念なストレッチで痛みは落ち着いたそうで安心しました。
やはり、800kmの道のりを歩き切る事は誰にとっても簡単ではありません。
様々な試練が巡礼者を待ち受けているのです。
sakiちゃんと、
距離は離れても、
気持ちはともにゴールを目指すんだから!
そして、安松さんと間所さんも。
連絡先を聞きそびれたことを激しく後悔しているけれど。
彼女たちもどうか今頃元気に、
同じ道を、同じゴールに向かって歩いていますように。
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■カミーノ11日目
2017/5/28 (日)
UTERGA – LORCA <20km>
アルベルゲ/La Bodega del Camino ドミ8ユーロ Wifi◎
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