【カミーノ11】ふゆのミッション
<カミーノ12日目>
朝のルーティンもだいぶ板についてきました。
(私的に)早起きをして歯磨き、着替え、パッキング。
足の裏と指にワセリンを塗り込んで丁寧にマッサージをしてから5本指ソックスを履いて、
新しい靴に足を通し、
★
★
雲間から覗く朝日の下、気を引き締めて今日も出発!
朝一の膝痛をロキソニンで押し込めて歩き始めます。
★
★
★
★
★
★
うーん。
初日の嵐以降、昨日までは大崩れもなく、お天気の中を歩いてこられたのだけれど、
今日はなんだか雲行きが怪しいな。
★
★
進行方向の空に、いかにもひと雨来そうなドス黒い雲。
★
★
それでも、序盤はなんとか堪えてくれたのですが、
★
★
★
トンネルを抜けるとそこは雪国であった。
じゃなくて、雨だった!
やっぱり降り出してきちゃいました。
バックパックのカバーのポケットから、秘密の道具を取り出します。
そ~あ~く~ぽ~ん~ちょ~~~
あら不思議!雨の中、Rakutenで買った真っ黒なレインポンチョをひとたび被れば、
外側よりも内側の方が染み込んで濡れるという、世にも奇妙な役立たずの代物!
(真っ黒な巨大ゴミ袋の方がきっとマシ!)
初日以来、久しぶりの登場です。
機能性はとりあえず置いておいて、
それでも1枚余分に覆われる安心感のみを求めてこの粗悪ポンチョを纏います。
★
★
そして。
★
★
★
★
休憩ポイントのバル休憩までいっきにワープ♪
雨降りウォーキング中は写真は一切なし!
案の定、内部まで雨粒が浸透した粗悪ポンチョを裏返して乾かしながら、
甘いチョコパンとカフェオレで束の間の癒しを補充します。
バルを出て、しばらくは降ったり止んだり。
それでも、SJPPを出発したあの日みたいにどしゃぶりに遭うことはなく、寒さに凍えることもありません。
ふと、
あの嵐の初日を共有した運命共同体の一人、安松さんの言葉を思い出しました。
人間にとって雨は嫌なものだけど、植物には喜ばしいことなのよ。
確かに。
雨を含んだ緑は柔らかく、
花びらはみずみずしく息を吹き返し、
野生のさくらんぼも雨粒を落として喜んでいるみたい!
★
★
★
朝一に飲む痛み止めの効果はいつも抜群で、
気が付くと膝の痛みも忘れ、軽快に歩けるようになっているのです。
現代の医療に感謝!
★
★
LORCAを出発して約8km。
★
★
「星降る街」
エステージャ(ESTELLA)に辿り着きました。
11世紀後半、天から降り注ぐ流れ星に導かれた羊飼いがこの地に聖母マリア像を発見し作られた。
そんな伝説が語り継がれている街、ESTELLA。
我らが目指すカミーノの果て、サンティアゴ・デ・コンポステーラという街の名前も、
ラテン語のCampus stella「星降る野」に由来する説があり、
巡礼路と星はとても深い結び付きがあるようです。
そういえば、カミーノを歩く前に予習で視聴した映画の邦題も「星の旅人たち」だし、(原題はThe Wayだけど)
Wikipedia先生によるとサンティアゴ巡礼をテーマに描かれたフランス映画に「銀河 (La Voie lactée)」というタイトルのものもあって、
劇中で巡礼道のことを天の川に例えてあるのだそう。
(見てみたい。)
カミーノと星の繋がり。
なんともロマンチックです。
街の入り口、聖墳墓教会の前には巡礼グッズを扱うアンティークショップがひっそりと扉を開けて、
雨宿りの巡礼者を迎え入れていました。
濡れた石畳の路地も、哀愁漂い絵になります。
再び本降りになってきたので外観の写真は撮っていないのですが、
ふらりと立ち寄った高台の上のサン・ペドロ・デ・ルア教会でちょっぴりひとやすみ。
★
★
★
★
シンと静まり返った薄暗い教会の中は、外界から完全に遮断された異空間。
圧倒的に緻密な装飾やステンドグラスをぼんやりと眺めながら、雨が落ち着くのを待ちました。
エステージャには歴史的建築物が数多く残り、ゆっくり散策するのに良さそうな趣のある街ですが、
カミーノ中はついつい観光を後回し。
休憩もそこそこに、教会を出て先を目指します。
★
★
★
それは、予期しない突然の登場でした。
★
★
★
★
エステージャの街を抜けた修道院の麓。
どこかにあるとは漠然と知ってはいたけれど、場所までは全く把握していなかった。
だから心の準備と器の準備が不十分で!
そう、カミーノ名物のひとつ。
酒飲みにはたまらない、無限に湧き出るワインの泉!!!
ここは、イラーチェ酒造が巡礼者のために無料でふるまう魅惑のワイン飲み放題スポットで、
こちらの蛇口をひねるとあら不思議。
出てくるのはボルドーカラーの魔法の水!
準備のいい人は空のペットボトルを携え、なみなみとワインを注いで道中でひっかけるのです!
不用意な私はペットボトルもコップもなく、
(満タンの水を捨ててペットボトルを空にするのは憚られた。)
前の人が使ったプラスチックコップを拝借して少しいただいてみました。
まだ熟成していない若いワインのようで特別美味しいわけではないけれど、
巡礼者のためにとワインの泉を設置してくれたイラーチェ酒造カンパニーの粋なはからいが素敵です!
※無限に湧き出る泉、と言いながらも実は限度がありまして、
営業時間?は8時から20時まで。
貯蔵タンクが空になったらその日のワインは終了だそうです。
★
★
ほろ酔い・・・にはとても至らなかったけれど、
幸せな気持ちでワインの泉を後にして、前へ進みます。
★
★
★
★
しばらくジトジトと降り続いていた雨は、
麦野原が広がる開けた丘にささしかかる辺りで薄雲に変わり、
青空が少し顔を出してくれました。
雨は止み、晴れ間は必ずやってくる。
そしてまた雨。
当たり前だけど、ずっとずーっとその繰り返し。
★
★
青空のギフトと引き換えに、
見晴らしの良い丘の先には、容赦なく膝を攻撃してくる魔の下り坂が待ち受けていましたけどね。
★
★
★
ところで。
カミーノを始めてからすぐぐらいの頃に、
日本にいる友人fuyuちゃんからとあるミッションを授けられていました。
「フリーメイソンの痕跡を探してみよ」
ふ、ふりーめいそん???
ちなみにfuyuちゃんは中学校時代からの長年の友人。
どれくらい仲良しかと言うと、
★
★
<ucafuyuの歴史>
親の転勤で引っ越した香港日本人中学校の2年生で出会い、
(あくまで日本人学校なので、英語も広東語も一切身につかず、残念っ)
3年生でクラスが分かれたんだけど、授業の合間の10分休憩もお昼休みも私はfuyuのクラスに入り浸り。
夏休みが憂鬱だったくらい、fuyuや仲間のいる中学校が大好きだった!
卒業後に帰国してからは県が別々で離れ離れになったのだけど、高校時代はずーっとコマメに文通。
(手紙ってのが時代を感じますね・・・)
その後、私が上京して都内で一人暮らしをしていた時には、週の半分くらいはfuyuは私の部屋にいたし、
19歳の時に初めて自力で海外旅行をしたのもfuyuと一緒。(イタリアです♪)
福岡に住めば彼女は何度も遊びにきてくれて、
fuyuが結婚してからもしょっちゅう関東のfuyu家に泊まりに行っているし、
現在は旦那様とキッズたちの水入らずのファミリー旅行にまで図々しく付いていっちゃうという!
まあ、お互いの全てを知り尽くしていると言っても過言ではない、年季の入った友人!
そんなfuyuちゃんからの、珍しいミッションです。
(長くなっちゃったけど、fuyu愛伝わったかな?w)
★
★
しかし、いきなりフリーメイソンて。
聞いたことはあるけど。
ミッションを与えられたからにはネットで色々と情報収集。
有名なのがフリーメイソンのシンボル、三角から覗く目玉のマークですよね!
でも、フリーメイソンとカミーノに一体なんの繋がりがあるわけ!?
するとfuyuちゃん。
「ヨーロッパってフリーメイソンの痕跡たくさんありそうなイメージ。
スペインにもたくさんありそうじゃん?
探してみてよ 笑」
うん、特に根拠も深い意味もなさそうです。
多分軽い思いつきで発言したな。
ネットで情報を漁りまくった今となっては、フリーメイソンに関して私の方がfuyuより詳しくなっていそうだし!
それでも、一応ミッションなので道中気にはかけていたのですが、
今の今まで三角目玉になんか一度も遭遇せず、
「fuyuーー、フリーメイソンの形跡全く見つけられないよ~!
あるのはホタテ貝ばっかり!」
とLINEを送っていたのですが、
★
★
ついにこの日、ミッションを遂行してしまったのです!
それは、Azquetaという小さな村の入り口。
石塀の落書きの中に見つけたのは、
Aの中!目玉!
三角目玉!!!
「fuyu!あったよ!フリーメイソン見つけたよー!!!」
早速この画像をLINEにて送ってみると、
「ほんとだー!!笑
フリーメイソン発見!
ところでさー・・・」
ミッション終了。
すぐに話題が変わる、私たちB型同士。w
やはり、このミッションの重要度はそこまで高くなかったようです★
Azquetaの村に秘密結社のアジトとかあるのかな!?
ない・・・か。
★
★
★
★
この村を通り過ぎてからはずーっと上り坂。
景色がいいねぇ。
★
★
今日も足元のツムリンたちを避けながら、
★
★
ゆるやかに長い上り坂の終点。
ここを今日の寝床にしよう!
アルベルゲのドミからはこの眺め!
お天気はイマイチだけど、風で洗濯物は乾いてくれそうです。
★
★
★
★
その日のディナーは村に一件だけあるレストランで。
席に通されると、
「Peter!」
二日前に休憩中のバルで出会ったPeterに再会!
10年ほどをかけて、1600kmの道のりを刻みながらサンティアゴを目指して歩いているおじいさんです。
いつものようにPeregrino Menuを注文し、
とりあえずワインで乾杯します。
前菜は、今歩いているスペインのナバーラ州名物、Menestraという一品。
茹でられたお野菜とマッシュルームをガーリックと塩で優しく味つけてあり、
ヘルシーでボリュームもあり大満足!
このお料理、気に入りました。
メインディッシュは柔らか骨つきチキン。
ワインは進み、会話も弾みます。
★
★
おじいさんと思っていたPeterですが、よくよく聞いてみると65歳!
失礼しました、おじいさんにはまだ早かったですね★
スイス人の方でした。
しかも、10年くらいだと思っていたカミーノプロジェクトはなんと15年越しだった!
(どちらにしろ長いけど!)
つまり、Peterが50歳の時に、この途方も無い長旅が始まったというわけ。
15年前にドイツを出発し、毎年2、3週間ずつ巡礼路を歩いて今に至るのです。
毎回休暇が終わると仕事に戻り、また翌年に、前回のゴールまで移動してそこから歩く。
そうしてついに来年、66歳の年に晴れて最終目的地、コンポステーラに到達する予定だそう!
足かけ16年!長い長い年月を経て、少しずつ距離を積み重ねながら地道にゴールを目指す、
時間と空間を超えた、なんと壮大なカミーノ物語!
はたして自分に置き換えてみると、15年後に目標を設定し、そこに向かってコツコツと努力を続けていくことはできるのでしょうか。
せっかちで、すぐに結果を求めてしまう私。15年後の自分すら想像もできません。
何か、物事を始めることは簡単でも、継続することこそが難しい。
それを、気負いのない穏やかなオーラで平然とやってのけている目の前のPeter。
尊敬のまなざしを向けずにはいられません!
食後のデザートをつつきながらお話しは続きます。
「Peter、今まで歩いてきた道でどこが一番良かった?」
「たくさんあるけど、オススメはフランスのConquesかな。」
「コンク・・・?」
スマホを取り出してネットで画像検索してみると、
うわぁ。
確かにこの街は美しい。
緑の谷に埋もれた石の街と、そびえる3本の教会の屋根。
コンポステーラ巡礼路の途中、フランスのルピュイアンブレーからSJPPを結ぶ「ル・ピュイの道」の道中にある街。
交通アクセスが悪いようで、気軽に観光に行くのは難しいみたい。
自らの足で歩いた人だけが辿り着くことのできる美しい街。
行ってみたいな。
いつか、ル・ピュイの道を歩いてみるのもいいかもな!?
Peterと二人でワインボトルを一本空にして、楽しいディナーはお開き。
おやすみのハグをして、それぞれのアルベルゲに戻りました。
★
★
★
今夜は良い夢が見られるといいな。
(イビキマシーンに眠りを妨げられなければきっと!)
★
★
■カミーノ12日目
2017/5/29 (月)
LORCA – VILLAMAYOR de MONJARDIN <17.7km>
アルベルゲ / Villamayor ドミ15ユーロ Wifi◎
<検索キーワード>
カミーノブログ,スペイン巡礼ブログ,星降る街,ワインの泉の場所,ワインの泉,スペイン,ナバーラ州,アルベルゲ,食事,世界一周
結構マメに更新してます!リアルタイムはInstagramでチェック!Follow Me♪
Instagram @uca0319要チェック!
▼世界一周バナーポチッで、ランキングUP応援よろしくお願いしますm(_ _)m▼
にほんブログ村 世界一周ランキングに参加しています。
1日1回のCLICKが順位に反映される仕組みです。
応援よろしくお願いします!
クリックしてから表示が切り替わって、はじめてワンカウントとなるそうです!
ちょっぴり時間がかかるFBのイイネ気分で、クリックしていただけると嬉しいです♪