【カミーノ38】ラスト100km!
<カミーノ39日目>
3日分の睡眠不足を取り戻すかのように、
洗濯もせずに個室のベッドで眠りこけたサリアの夜。
たっぷり寝た翌朝はスッキリ目覚めるどころか体が重く、なかなかエンジンがかかってくれません。
個室に泊まる日はいつもそう。
張り詰めている糸がプツンと切れて、体が休息モードに切り替わってしまうようです。
無理やり起きてノロノロと身支度を整え、
7時前に宿を出発します。
100km手前のサリアは巡礼証明書をGETできるギリギリのスタートライン。
この街から巡礼を始める人たちはとても多く、
サリア以降は道が大混雑すると聞いていたのでちょっぴり恐れていたのですが、
いつも通りの静かな朝。
なんだ、良かった!
取り越し苦労でした。
「馬ちゃんおはよう♪」
ご機嫌に挨拶なんかして、気持ちよく歩いていたのに。
ザワザワザワ
ん?
ただならぬ気配を感じて後ろを振り返ってみると、
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集団ーーーー!!!
これが噂のサリア越えか。
こんなに人口密度の高いカミーノはいまだかつて歩いたことがない、そのくらいの人だかり!
修学旅行の学生さんたちでしょうか。
見事にかぶってしまったな。
ヨガマットのようなものをバックパックにくくり付けて、
高確率で短パン!
それが彼らの特徴。
観念して、
しばらく学生さんたちの群れに紛れて歩きます。
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だいたいスタートしてから8~10kmあたりのバルで軽食を取るのが私の日課。
今日もいつものように、サリアからちょうど9km地点の目星を付けていたバルに入ろうとしたら、
中に入りきらず、店の外まで人が溢れ返るほどの大盛況!
ここは、さっきの学生軍団の休憩ポイントになっているようです。
こんなに騒がしいところで、カミーノの大きな楽しみのひとつであるバル休憩を取るのは絶対にイヤ!
ここは泣く泣くスルーして、さらに3km先のカフェを目指すことにしました。
そっちはどうか空いていますように。
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おかげで学生軍団から逃れられ、つかの間の穏やかな時間を取り戻しました。
落ち着く。
あ、
やっと出会えたヒマワリ!
春の始まりは菜の花、夏に差し掛かるとヒマワリ、秋には金色の麦畑が広がって、
同じ道でも時期が違えば随分と印象が異なり、
歩く人によって心に残るカミーノの景色や色というのは、本当に人それぞれ、千差万別なのでしょう。
私にとって道のシンボルと言えば、間違いなく真っ赤なポピー!
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お目当てのカフェに到着。
店内は結構込み合っていたけれど、さっきのように団体客で溢れかえるというほどではないので、
ここで食事休憩を取ることにしました。
ついつい頼みすぎてしまいました!
ツナ野菜チーズのバケットサンド、パウンドケーキ、カフェオレ。
お腹をたっぷり満たして、
後半戦、行きます!
若者のピチピチ太ももが眩しいーーっ!
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雨の多く肌寒いガリシア州ですが、今日はスッキリと晴れて穏やかなカミーノ日和です。
山々と畑、素朴な石造りの建物に教会の尖塔、青い空に流れる一筋の飛行機雲!
好みの風景に囲まれて気分も上々。
ウジャウジャ。
歩く人が格段に増えたことを除けばね。←心の狭い私。
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カミーノグッズの露店を覗いてみる。
ちゃーんと日本もありました!
でも、シンプルすぎて梅干し弁当みたい。
貝殻に描くとイマイチな日本の国旗でした。
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そういえば。
通りすがりの巡礼のおじさまに、
First day?
と爽やかに尋ねられたので、
ちょっぴり誇らしげに、
No, from S.J.P.P!
と返したら、
WOW!
って驚かれちゃいました!
おじさんはサリアスタートで今日が初日だったみたいです。
むふふ、気持ちいい♪
(こんなに歩いてきたのに、やっぱり器の小さ〜い私であった!)
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しばらくすると分かれ道のサインに突き当たりました。
赤いライン。
ブルーの点々。
赤、途中からグリーンの点々に分岐、の3択のようです。
特に理由はないのだけど、
直感でグリーンの点々を目指すことにしました。
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この選択が大正解!
なんて、
他の2択は歩いていないから比べようもないのだけど!
あぜ道の脇を草花が彩り、
オリーブ林の向こうには白壁と灰色の屋根の街並みが見渡せる、素敵な景色。
今日の目的地、PORTMARINはもう目と鼻の先のようです。
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ゆるやかな丘陵の下り坂に差し掛かる頃、
切り絵のような木々のシルエットの隙間に見えたのは、
湖!
「フランス人の道」は海に隣接しておらず、水のある景色を見ることが極体に少ないので、
このように大きな水の塊に出会うと興奮してしまいます。
ミーニョ川にダム湖が建設されて、ふもとから丘の上へと移転したPORTMARIN。
橋を渡った向こう岸の高台に美しい街並みが広がっています。
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街に入る橋の手前、湖沿いにポツンと佇む素敵なアルベルゲを見つけました。
お庭からPORTMARINが望めるこのロケーションにときめいて、今日のゴールを即決!
今夜はここにステイすることにします。
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<カミーノ40日目>
相変わらず夜は痒くて痒くてまともに睡眠が取れず、
日々の肉体的、精神的疲労が蓄積されてさすがに参ってしまいそうです。
ナゾの蕁麻疹を発症してもう6日目。
抗ヒスタミンの錠剤を飲んでも収まらず、治る気配は全くなし。
序盤は膝に悩まされたけれど、最後の最後で気が狂いそうになるほどの全身の痒みに襲われるとは。
さすがカミーノ!?一筋縄では終わらせてくれません!
ミーニョ川の大きな橋から今日のカミーノはスタート。
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すっきりしない曇り空だけど、
ヒンヤリと冷たい空気が掻きむしった肌に心地よい。
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可愛い松ぼっくりアートがあちこちに。
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ガリシア州に入ってからは特に森の道が多くなった印象で、
歩く時のサクサクと踏みしめる土や、落ち葉の感触にものすごく癒されます。
風に揺れて葉っぱがこすれる音も。
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今日のブランチは甘いものをチョイス。
どっちも気になって選べなかったので欲張って両方。
超甘党なのです。
そうそう、
今朝はカミーノで出会った若者たち、
setsuo君とshinpei君、昨日は52kmを歩いて(!)先を行く二人に追いついたtomoki君が、
3人揃って無事にサンティアゴへゴールしたそうです!
おめでとうーーーー!!!
私も後に続かなくちゃ!
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2種類のプリンケーキを平らげてバルでまったり休憩していると、
別のテーブルに見かけた顔が。
Grañónのアルベルゲで出会ったスペイン人のMarisol!
確か旦那様はイタリア人の美容整形外科医という、小柄で可愛らしいパンプローナ出身の女性です。
メモを開くと、Grañónに滞在したのは6月3日。
もう20日以上も前かぁ!
その直後はドイツ人のChristinaとともに何度か道中で一緒になったけれど、ここ最近は全く姿を見かけていなくて。
こんなところでまた会えるなんてびっくり!
声をかけるとMarisolも驚いた表情でこちらを振り向き、
ギューっとハグをしてお互いの無事を喜び合いました。
カミーノの再会はとても嬉しいものなのです。
いよいよ残り100kmを切ったね。
ともに頑張りましょう!
Buen Camino!
Marisolに別れを告げて、一足お先に道へ戻ります。
あと84km。
ゴールは着々と近付いている。
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ゆるやかに開けた丘の道。
突然、聞き慣れた言葉で声をかけられました。
彼の名前はhikaruさん。
久しぶりに遭遇した同郷の巡礼者!
やはり、日本人の割合は圧倒的に少ないカミーノなのです。
私の親世代の年齢であるhikaruさんですが、なんと2ヶ月間かけてフランスから歩いてきたそう!
彼の歩いた「ル・ピュイの道」はフランス国内に4つある主要の巡礼路の中で最も美しく人気の高いルート。
「ル・ピュイの道」と「フランス人の道」を合わせるとおよそ1600kmとなり、
SJPPからスタートした私の倍の距離を歩いていることになります!
途中までhikaruさんとお喋りをしながら歩き、
今日ステイする街でディナーをご一緒する約束をして、次の休憩ポイントで一旦別れました。
ここからはそれぞれのペースで目的地を目指します。
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しばらくすると、また道が賑やかしくなってきて、
再び学生軍団に巻き込まれてしまいました!
広大な麦畑に一人、思考を巡らせながら黙々と道を歩く。
そんな静寂のカミーノが、まるで集団オリエンテーリングに様変わり!
あーるーこーあーるーこー
わたっしはーげんきーーー♪
って、
狂ったように一人大声で歌うことは、もうできません。(泣)
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今日の目的地、PALAS DE REIの街に到着しました。
サリア以降、街のアルベルゲの数はグッと増えた印象で、
大人数を収容する大型の宿も多くなりました。
この街でチェックインしたアルベルゲも、
エレベーターがあって、各フロアにはたくさんのお部屋に二段ベッドがぎっしり詰まっていて、
まるで都会のホステルのような様相です。
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夕刻、待ち合わせの時間。
約束通り街中でhikaruさんと合流し、レストランに入りました。
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久しぶりにめいっぱいの日本語で会話した食事時。
「ル・ピュイの道」から歩いて来た時点で相当パワフルなのは間違いないのですが、
hikaruさんは穏やかな雰囲気からは想像も付かないくらいアクティブで、人生をenjoyしているとても素敵な方!
お話を聞きながらたくさんの刺激を受けました。
富山県出身のhikaruさんは59歳でお仕事をリタイヤ。
ワイン好きが高じて58歳から始めたフランス語の勉強にすっかりハマってしまい、奥様と何度もフランス旅行へ。
仕事を辞めて自由を手にいれたhikaruさんは、じっとなんてしていません。
北海道でブロッコリー、沖縄ではサトウキビ、愛媛ではミカン、など。
住み込みの収穫アルバイトをしながら、季節労働のために一年中日本のあちこちを駆け巡っているのです!
ほとんど地元にいらっしゃらないんじゃないかな。
(私と同じw)
そんな超フットワークの軽いhikaruさん。
せっかく学んでいる大好きなフランス語を生かす手はないかと考えた末に、憧れのカミーノを歩くことを決意したそう。
フランスを愛する彼にとって「ル・ピュイの道」を選ぶのは必然だったようです。
今歩いているスペインの「フランス人の道」は、オマケのようなものなのかもしれない!?
hikaruさんと奥様のラブラブ話にもほっこりしました。
カミーノを歩くこの2ヶ月間、毎日欠かさずに、日本にいる奥様とSkypeで電話をしているんですって!
hikaruさんと奥様の出会いは中学時代に遡ります。
当時可愛くて人気者だった同級生の彼女と大人になって再会し、お付き合いが始まって結婚。
男3人のお子様がいらっしゃるそう。(長男さんは私と同じ年齢!)
奥様はhikaruさんに負けじとアクティブな方らしく、
海が大好きでイルカと泳ぐツアーに参加したり、hikaruさんとトレッキングを楽しんだり。
とにかく仲が良くて、hikaruさんが奥様を大好きなことが会話の端々から伝わって、
まさに理想の夫婦と言った感じなのです。
こんなパートナーに出会えたら幸せだな、と、
惚気話に微笑ましく耳を傾けていました。
ご馳走様でした♪
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お話は尽きそうになかったのですが、楽しいディナータイムはほどほどでお開き。
明日がありますからね。
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hikaruさんと別れてそれぞれのアルベルゲに戻り、
いつもと同じ、
忌々しい痒みと格闘しながら寝袋に潜り込みます。
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■カミーノ39日目
2017/6/25 (日)
SARRIA – PORTMARIN <22km>
アルベルゲ / A Fontana de Luxo ドミ15ユーロ Wifi △
■カミーノ40日目
2017/6/26 (月)
PORTMARIN – PALAS DE REI <25.3km>
アルベルゲ / Castro ドミ10ユーロ Wifi ◎
<検索キーワード>
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