【カミーノ番外編】最果ての0km
<カミーノ43日目>
スペインの最果ての岬、フィステーラ。
聖地サンティアゴ・デ・コンポステーラに辿り着いた旅人たちは、
さらに西へ約90kmの距離を歩いて岬を目指し、
西の果てに沈む夕日を眺めながら、過去の自分にお別れを告げるのです。
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サンティアゴからフィステーラ岬まで3、4日かけて歩く距離を、
文明の利器を使ってひとっとび!
バスで1時間半、ワープしてやってきました。
もちろん巡礼ルックは封印。
つい先日モールで購入したワンピースを着てすっかり観光気分です。
いつもなら車酔いとは無縁の私ですが、珍しくバス酔いをしてしまいました。
一ヶ月以上車輪の付いたものに乗ることがなく、地べたを這うように歩く速度で移動してきたので、
突然のハイスピードに三半規管がびっくりしてしまったのかもしれません。
人間の順応力。
人体って不思議!
車窓から海が見えた時はさすがに感動を覚えました。
サンティアゴからこの道を歩いていたら、きっと、もっと感動していただろうな。
久しぶりに目にする青い海と水平線。
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フィステーラはこじんまりとした可愛らしい港町でした。
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この景色にふさわしい青空ににんまり。
ガリシア州に入ってからはお天気がさらに尊くて、少し晴れ間を見せてくれるだけでも気持ちが上向きになるのです!
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宿を予約していなかったので、
街のインフォメーションセンターに向かい、リーズナブルなホテルを紹介してもらいました。
バスターミナルに近い好立地で一泊20ユーロ。
コスパのいい宿でした。
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この街で、嬉しい再会が待っていました。
ブルゴスを過ぎた辺りで出会った若者三人組で、度々お世話になったsetsuo君とtomoki君!
(もう一人の子はその後予定があって、サンティアゴから留学先のパリへ戻ったそう。)
彼らは3日かけてサンティアゴから歩き、昨日フィステーラに着いたのです。
setsuo君は20日前のPOBLACION de CAMPOS以来で、tomoki君は2週間前のレオン以来。
バス停近くのカフェで待ち合わせして、久しぶりの再会を果たすことができました!
setsuo君は夕方発のバスでサンティアゴ・デ・コンポステーラに戻ることになっていたので、
バスを待つまでの束の間の時間だったのですが、
最後に少しだけでも元気な顔を見られて良かった!
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setsuo君のバスを見送った後、
昨日既に訪れて、二度目の再訪にも関わらず快く付き合ってくれたtomoki君をお供に、
最果てのフィステーラ岬を目指して歩きます。
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街から岬までは3km。
緩やかな丘の半島に伸びる道からは始終海が望め、ほど良いお散歩コースです。
大好きな、白い風車が並ぶ景色。
カミーノでもたまに見かけては気分が上がったけれど、
海とセットというのはなかったから、この景色を拝みながら歩けるのはさらに嬉しい。
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お喋りして歩いていたので3kmなんてあっという間。
岬の手前までやって来ました。
中世では、
ここを生と死の境目だと考えられていたそう。
うん、確かに、
ザ・最果て感!
これが、カミーノに立つ最後のモホン。
0km地点を示す、ホタテ貝の道しるべです。
ポルトガル、フランス、イタリア、スイス、ドイツ、イギリス・・・。
ヨーロッパ中から枝分かれして伸びる道は、すべてスペインのサンティアゴ・デ・コンポステーラで1本に交わり、
この最果てへと繋がるのです。
さすがに0kmのモホンを見たらちょっと浮かれちゃって、
サンティアゴ大聖堂の前でさえ撮らなかった自分の写真を、珍しく、ここでははしゃぎながら撮ってもらっちゃいました!
(そういえば、カミーノの道中ほとんど自分の写真がなかったことに後から気付きました。
もうちょっと撮っておけば良かった!)
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もうすぐ日が落ち始める頃かな。
西の空に顔を向けると、
厚く垂れ込める雲の隙間からこぼれ落ちる光の筋が、
まるでスポットライトのように灰色の海を照らし、
ヤコブ様降臨!!!
みたいな。
天から聖ヤコブが舞い降りてきそうな神々しさで、まばゆい輝きを放っていました。
はぁ、綺麗だな。
かつてフィステーラ岬まで辿り着いた巡礼者たちは、
旅の終わりに海で体を洗い清め、
巡礼で身に付けてきた衣類や靴を、焚き火を起こしてこの地で燃やしたと言います。
過去の自分と決別し、新たな人生を歩み始める、
そんな儀式だったのでしょうか。
(現在、岬で衣類を燃やすことは禁止されています。)
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岩場を伝い、最先端に辿り着きました。
ここで夕暮れを待つことにしたのだけど、
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周りの人たちはみな食べ物やワインを持参して、
ピクニックな雰囲気で海を眺めているのです!
え?
ここ、そんな感じなの?
うそー!
お酒持って来れば良かったねぇ!
羨ましそう〜に彼らを眺める私を見て、
「ダッシュで街に戻ってお酒を買って来る!」
とtomoki君。
えええ!?
ダッシュって言っても、岬と街は3kmも離れていて往復6km。
いくら足長俊足のtomoki君でも1時間はかかるんじゃない?
夕焼け終わっちゃうよ!
いいよ、お酒なんて我慢できるよ?
とワタワタしていたら、
「大丈夫。ちょっと行ってくるから待っててね!」
と、
本当に、元来た道をダッシュで走り去って行ってしまったのです!
まじで!?
ポツンと一人取り残された私。
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今にも雲から顔を出しそうな夕日に、海を眺めながらも全く落ち着かない私!
ああ、待って!待って!
まだ沈まないで!
とか言いつつおもむろに靴を脱いで、
「インスタ映えしそう〜♪」なんて、こんなカットを撮る余裕は、
この時はまだあった。(笑)
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なかなか戻って来ないtomoki君が気になって気になって、
居ても立っても居られなくなった私。
岩場を上って岬の入り口まで戻り、
道の先から彼の姿が現れるのを心待ちにしながら、
振り返って海を見たり、道を見たり、チラッと夕日を見てまた道に顔を戻したり、
時々写真を撮ってみたり。
首をクルクルしながら、一人せわしなくtomoki君の帰りを待っていると、
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「わーーーごめんねーーー!ありがとうーーー!!!」
遠くに彼の姿を見つけて大きく手を振りながら叫ぶ私。
往復6km、本当にダッシュで走って街まで戻り、お酒とおつまみを買ってきてくれたのです!
「意外と遠かった!」
そりゃそうだよーーー!
なんていい子なんだぁ!!!(泣)
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結局、
今日は空と海の境目の雲が厚くて、
太陽が海に落ちていくのを見ることはできなかったけれど、
次第に薄暗く、ピンクに染まりゆくのを眺めながら、
少しぬるくなったビールが、心地よく体に染み渡るのでした。
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カミーノ物語
おわり
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■カミーノ43日目
2017/6/30 (金)
Fisterra <往復6km>
ホテル / Hotel Cabo Finisterre 個室20ユーロ Wifi ◯
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