Pray or Drink?
ドブロヴニクのバスターミナルで夜明けを待ち、朝発のバスで約3時間。
ボスニア・ヘルツェゴビナのモスタルにやって来ました。
特に国数をカウントしていないのですが、改めて数えてみると、
今回の旅で12カ国目になるようです!
予約していた安宿(Hostel Musala 立地も良く綺麗!1泊10ユーロ。すごーくおすすめ♪)に無事チェックイン。
ほぼ2日間寝ずにモスタルにやって来たのですが、
疲れた体に鞭打って、溜まっていた洗濯をいっきに終わらせ、そのまま街歩き敢行!
モスタルの真ん中に流れるネトレヴァ川は、緑の水をたたえて悠々と流れていました。
3つの民族が混在するボスニア・ヘルツェゴビナ。
カトリックのクロアチア人、セルビア正教のセルビア人、イスラム教のボシャニク人。
この川を挟み、東側がイスラム教、西側がキリスト教と居住区が分かれていて、
モスクのアザーンと教会の鐘が同時に鳴り響く街。
街を歩くと目に入って来る。
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いたるところにおびただしい弾痕。
約20年前のボスニア・ヘルツェゴビナ紛争の爪痕が生々しく残る建物。
共存していた3つの民族が、ある日を境に憎しみ合い、武器をもって殺し合う。
レイプや強制出産が横行、死者20万人、難民200万人。
第二次世界大戦後のヨーロッパで最悪の紛争と言われているそうです。
今歩いているこの街が、かつて戦場だった。
目を閉じて想像してみる。
ここで銃弾が飛び交う様を。
街中で見つけた、少年兵たちの写真集を開いてみました。
声変わりするかしないかくらいに見える若い男の子たちが、軍服を着て、銃を持って、戦車に乗っている。
生まれた時代が違えば、学校に行って学び、友達とサッカーしたり、恋をしたりする、
澄んだ目をした、普通の男の子たち。
時代の波に逆らえず、殺し合いの場に身を置かざるを得ない敵同士の兵士たちも、
軍服を脱いで出会っていたら、友達になったかもしれない。
日本だって、たった数十年前は戦地だった。
私だって、生まれた国や時代が違えば、銃を持って戦っていた。
歴史は陣取り合戦の繰り返し。
もともとはひとつだったものが分裂して、奪い合い。
宗教もそう。
派生して、分かれて、憎み合い。
誰かが神様みたいに全てを支配できる気になって、争いを繰り返す。
なんなんだろう。
どうしてなんだろう。
無知で無教養で平和ボケしている私は、
戦争なんてなくなればいいのに。
という言葉しか出てこなくて。
国対国で対立感情があっても、
旅に出て、人対人で出会えば、すごく優しかったり思いやり合ったり、笑い合えるのに、
と実感する。
モヤモヤしてもお腹は空く。体は正直。
腹ごしらえを済ませて、
モスタルのシンボルである橋、スターリ・モストを目指します。
橋までの道は、オスマン朝時代の雰囲気が漂うバザールが軒を連ねます。
小ぶりながらも美しい造形で、独特の存在感を放つ石の橋「スターリ・モスト」
紛争が激化した1993年に攻撃の対象となり破壊されてしまったものの、
2004年にユネスコの協力で復元されたという。
そういう意味でも、モスタルの象徴と言える橋。
橋を渡ってみました。
傾斜角度といいサイズといい、地元「太宰府天満宮」の太鼓橋みたい!
真っ赤な2つの太鼓橋と、それを繋ぐ平橋は、過去・現在・未来を表現しているんですよ(*⌒―⌒*)
て、太宰府の話は関係ないですね★
橋の上から見るモスタルの街。
橋の麓の川沿いに下りてみました。
可愛いワンコを発見!
ワンコを眺めていると、川岸のオープンテラスバーからおじちゃんたちが手招き。
行ってみると、荒くれ者風のおっちゃんたちが、昼間っから気持ち良さそうにビールを飲んでいる!
「飲みな飲みな!」って誘われたので・・・
遠慮なく、かんぱ〜い(*´∀`)/笑
愉快なおじさんたちのお誘いには、基本乗っかるようにしている私♪
ちなみに橋の上から見て右手奥の石段の上、あそこで飲んでいたの!
スターリ・モストを目の前にして生ビール♪
贅沢な時間でした(´▽`*)
ところで、普通ビールが空になる前、3分の1くらい?で次のビールを頼むじゃないですか!?
このおじさんたち、私のジョッキが満杯の時に次のビールを頼むんですよ。
つまり常に目の前2杯体制。
エンドレス。
何杯か忘れたけど、5,6杯は確実。はぁ〜しこたま飲んだ〜〜(≧ω≦;)
サンタの胸に刻まれているタトゥーは、1992年、紛争が始まった年に
お母さんが銃で打たれて亡くなって、
名前と日付を彫っているのだそう。
サーシャの肩には、スターリ・モスト。
そして胸には13。
なんの数字かよく分からなかったけれど、多分戦争の時のって言ってた気がする。
シャツを着ているおじさんのアゴには穴が空いていた。
もちろん聞けなかったけれど。
紛争の爪痕は、建物や街だけでなく、人の体、心にも刻まれている。
そりゃそうだよ。たった20年前の事だもの。
もしかしたらこの人たちも、写真集で見たような、少年兵だったのかもしれない。
彼らはイスラム教徒。
ボスニア・ヘルツェゴビナで所属民族を問う事は非常に失礼な事だと、地球の歩き方に書いてあった。
けれど聞いちゃった・・・!
「あっΣ(゚□゚*) そう言えば今ラマダン中やんっ!飲んで食べちゃっていいの!?」
(そもそもムスリムは禁酒だよな)
「目の前にビールがあるのに、無理無理( ̄∇ ̄)」
Everything is easy!
ってサーシャがいたずらっぽく笑って言ったから、
Life is simple?
って聞いてみたら、
そうそうって、満足そうに頷いて、ビールをぐびっと飲み干した。
なんだか、ちょっと嬉しかった。
「ねえねえ、あの橋から飛び込んだ事ある?」
「ここに住んでいる男たちは、必ず12歳になったら飛ばなくちゃならないんだよ!
もちろん飛んださ〜!
あ、そうそう、あさっての日曜日に、年に一度の飛び込み大会があるんだよ」
え?何それ!?めっちゃ面白そう(≧∀≦)!!!
ハイ、というわけで、モスタル1泊の予定をまたもや引き延ばし、
日曜日はスターリ・モスト飛び込み大会を見るぞ〜!!
と、相成ったわけであります。
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