プチ冒険気分のワンデートリップ！
この日は、宿の情報ノートを見て気になった場所「ノラドゥス」へ、
一人繰り出してみることに！
エレバン駅からミニバス「マルシュルートカ」を2度乗り換えて約1時間半。
だだっ広い草原沿いの道に降ろされました。
目的地のノラドゥスは、ここから歩いて30分くらい。
テクテク歩いていると・・・
ワインレッドの車が私の横にピタッと止まり、窓が開いて、
「ノラドゥスまで乗せて行ってあげる！」
運転はパパ。助手席のママはロシア語？アルメニア語？で質問責め！
賢い息子ちゃんが英訳してくれます。
出身はどこ？どうしてアルメニアへ？
お話していたら、あっという間にノラドゥスに着きました！！
「よい旅をね！」
優しさに触れた束の間の時間。
引き返して走り去って行く車を見送りながら、
「わざわざ送り届けてくれて、ありがとう！」
些細な出来事ひとつで、私の心はほっこりと温かい気持ちに包まれるのです。
ノラドゥスは、ハチュカル（十字架の石）が草原一面に並ぶ聖なる墓地なのでした！！！
女の子がタタタッと、こちらへ駆け寄ってきます。
ノラドゥスを訪れる観光客に、毛糸の帽子や手袋を売る女の子。
このおばあちゃん手編みの小物です。
ごめんね、私、いらないの・・・。
観光客は、私以外、誰一人いない。ただ風がそよぐ音だけの、静かな墓地。
遠くには、雪をかぶった連山が見えます。
赤茶色の石碑には、ひとつとして同じ形のない十字架が彫られています。
墓地の真ん中に建つ小屋の中を覗いてみました。
ふと振り向くと、さっきの売り子の女の子が入り口に佇んでいます。
彼女の小さな手を取って、アルプスいちまんじゃくを教えてあげました。
たどたどしくも、リズムに合わせて一生懸命に手を振ります。
「上手上手！」
はにかむ彼女の笑顔が聖なる墓地の景色に溶け込んで、
まるで天使みたい。
二人手を繋いで、ハチュカルの草原を歩きました。
と、おばあちゃんが
「ほら、おいでおいで！」
見ると、入り口に大きな観光バスが止まり、
西欧人の団体さんがワラワラと降りて来るところ。
女の子は私の手を振りほどいて、おばあちゃんの元へ足早に駆けていき、
両手いっぱいに編み物を持って、売り子の仕事を再開します。
私も、売り子のお手伝いをする事に！
おばあちゃんは私を見て、声を出して笑っています。
3人で団体さんたちに声をかけてみるけれど、季節外れの毛糸の小物たちは、やっぱり全く売れません。
ちょっぴり慌ただしくなったノラドゥスの墓地。
「そろそろ、行くね！」
おばあちゃんと女の子が、手を振って見送ってくれました。
エレバンへ戻るマルシュを拾うために、また大通りに向かってひとり歩いてたら、
一本道だったはずなのに、何故！？
ノラドゥスの小さな村に迷い込んでしまいました(*´Д`)
まあ、あの山脈を目指せばいいか。
キョロキョロしながら歩いていると、またまた1台の車が真横に止まりました。
「マルシュルートカ！エレバン！どっち！？」
と問いかけると、
「乗りな！」のジェスチャー。
直感的に、この人は大丈夫！私は彼の車に乗り込む事に決めました。
古いBMWはブーン！と大通りまでひとっとび！
マルシュのバス停に降ろしてくれた上に・・・
彼が私のためにヒッチハイクをしてくれて、
止まった車のおじちゃんに、私をエレバンまで連れて行ってくれてるよう頼んでくれた！！！
ありがとうお兄さん（>□<。）
ガラガラでっかい声のおじちゃんの車に乗り換えて、エレバンまでGOヾ(≧∇≦*)〃
行きのマルシュでは、お客さんがぎゅうぎゅう詰めで眺められなかった、車窓からの流れゆく景色。
セヴァン湖沿いの道を走ります。
と、おじちゃん、急に車を切り替えしてあぜ道へ！
なんと、私をセヴァン湖のほとりの教会に連れて行ってくれたのです！
移動の道中に拾った、というより頼まれて連れて行く羽目になった一介のツーリストを、
わざわざ時間を裂いて、こんな素敵なところに連れて来てくれたなんて・・・
おじちゃん、ありがとうヽ(*´Д｀*)ﾉ
言葉が通じないながらも、
ちゃーんと、エレバンのオペラ劇場のところまで送り届けてくれたおじちゃん。
結局帰りは移動費を一銭も払わずに、街に戻って来ちゃいました！
初一人ヒッチハイク？というか、向こうから声を掛けてくれて、助けてくれただけなんだけど☆
アルメニア人の優しさと、プチ冒険気分を存分に満喫した、素敵なひとり遠出の一日・・・
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