【悲報】最愛のダーリン死す
ガラパゴス諸島クルージング四日目。
本当はフラミンゴなんてどうでもよかった。
だって、フラミンゴはアフリカの方がたくさんいるでしょ?
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この日は朝早くから活動。
6時には朝食を取り、身支度を整えて、
7時前、浜辺に上陸するべくディンギンに乗り込みました。
ビーチ奥のラグーンに生息するフラミンゴを見に行くのが目的です。
ガラパゴス諸島でフラミンゴかあ。
特に興味はないかな!
なんて言いながら、気持ちとは裏腹にカメラは気合いの二台体勢★
背中のリュックに60Dを忍ばせ、
5Dの入ったカメラバッグは肩から斜めにかけて、ガラパゴスアニマル撮影モードで、いざビーチを目指します!
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船から離れたディンギンは、高波をかき分けてぐんぐんビーチに近付きました。
ドライバーのMaurが回転数を落としながらエンジンを水面に引き上げ、
波の満ち引きのタイミングに合わせてボートを浜辺に近付けます。
今日は特に波が荒くて、
ディンギンが浜に乗り上げて座礁しない程度に、また沖に引き戻されないように絶妙のポジションを保つのが難しく、
「Hurry、Hurry!」
Maurがいつも以上に声を荒げます。
最初にガイドのEdgerが下りて、
彼の手を取りながら一人、また一人とボートを下り、
後方に乗っていた私は一番最後。
立ち上がってボートの縁でスタンバイしていた私。
さあ下りようとしたその時、
再びMaurの、
「Hurry up!」
Maurの焦りが私にも伝わって、
「急がなきゃ。」
片足を上げてゴムの縁をまたぎ、浅瀬の海に足を下ろした時、
強い波の引き戻しでディンギンがぐらついて、
バランスを崩しかけた私は、もう片足を慌ててボートから離した、
その瞬間!
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バシャーーーーン!!!
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前のめりで海水めがけて転倒してしまったのです!
濡れないようにと斜めがけにして両手で抱え上げていたカメラバッグもろとも海の中!
「ヤバイ!カメラが!」
立ち上がろうとして慌てふためき頭の中はパニック。
降り立ったところが思いのほか深さもあって、
砂底に足を取られ再び転倒。
カメラバッグに両手がふさがりなかなか立ち上がれません。
ザブン!ザブン!
容赦なく襲いかかる波。
Edgerに体を支えられながらなんとか浜辺に辿り着きました。
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「カメラ!」
びしょ濡れになったカメラバッグから一眼レフを取り出して、
電源を入れるとボディの中からガチャガチャと音が鳴り明らかに異常状態。
慌てて電源を落としても、そのガチャガチャ音は鳴り止みません。
「バッテリーを抜いて!」
誰かの声にハッとして、急いでバッテリーを取り出しました。
「どうしよう。カメラが。とっても大切なカメラなの。どうしよう。」
どうしよう
どうしよう
どうしよう
それしか出てこない。
呆然と立ち尽くして、多分この世の終わりみたいな顔をしていたはず。
周りのみんなも心配そうに私を見つめていました。
「これで拭いて。」
Annaが、バックパックからタオルを取り出して渡してくれました。
ボディに付いた水滴を拭き取って、カメラをタオルでくるみ抱きかかえます。
ああ、どうしよう。
「とにかくひたすら乾かすしかないよ。72時間は電池を抜いて、絶対に電源を入れちゃだめ。
袋に入れてお米を入れておくといいんだよ。」
とデンマーク人の若者Anders。
「お米?」
「そう。
スマホが水没した時は、電源切りっぱなしでお米をたっぷり入れた袋に閉じ込めて72時間放置。
そうすれば復活するんだ。」
「スマホとカメラじゃ全然違うよ!これ、すごく高いカメラなんだよ?」
「でもとにかく乾かさなきゃ。絶対に、3日間は電源を入れてはだめだからね。」
「・・・うん。」
今にも泣き出しそうになりながらも、
グッとこらえて頷きました。
「私、先に船へ帰ります。」
そうEdgerに告げると、
海の上で待機して様子を見ていたMaurが再び浜辺へディンギンを着けてくれました。
Edgerに支えられながら慎重にボートに乗って、
フラミンゴが生息するというビーチにみんなを残し、私だけトンボ返りです。
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船に戻り、
部屋に入って、レンズをボディから外しました。
内側のミラーには水滴は付いておらず中までは浸水していないようで少し安心。
SDカードも生きていました。
実は大した故障じゃなかったりして?
どうかどうか、ツアー中に復活してくれるといいけど!
とにかく、まずは乾かすしかないよね。
そうだ・・・!
リュックに入れていた60Dは!?
ハッと、
もう一つの一眼レフの存在を思い出しました。
前のめりで転倒したとは言え、背中にしょっていたリュックももちろん濡れています。
チャックを開けると、中身はズブ濡れではないにしろ少しだけ海水が染み込んでいるようでした。
60Dを取り出し、緊張しながらつまみをONに動かしてみると、
良かった。
ちゃんと電源入った。
60Dは大丈夫みたい。
とりあえず、5Dを乾かしている間、しばらくはこの子で写真を撮るしかないよね。
このカメラをキトに残さずにガラパゴスに連れてきていたのは、私超Good Jobだったわ。
不幸中の幸い。
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ああ、でも。
まさか、
ガラパゴス諸島でこんな悲劇が待っていたとは。
旅の一番のパートナーで、相棒で、最愛のダーリンである、
大切な大切な5D Mark3を、
海に沈めちゃった。
私、なんてバカな事しちゃったんだろ。
なんで防水対策しなかったかな。
ジップロックに入れるとか、ビニール袋を何重にも重ねて中に入れるとか、
いや、せめてカメラバッグをリュックに入れて、両手をフリーにしておかなければいけなかった。
私、バカだ。
ごめんね。
本当にごめんね。
悲しくて悔しくて仕方ないのに、
こんな時って、人間泣きわめいたりしないんだな。
最初は呆然としたけれど、
気持ちが落ち着くと、まるで、ついさっきのハプニングが他人事のような。
でも、
思い返すとやっぱり悔しさが込み上げてきます。
あんなにも楽しみにしていたガラパゴス諸島。
12万円も払ってツアーに参加したのに、5D Mark3で写真が撮れないなんて。
ツアーはまだ残り5日も残っている。
ツアーの間に復活するにしろ、しないにしろ、
海水をかぶったこのカメラは一度CANONに見てもらわないといけないな。
ガラパゴス諸島の旅が終わったら、エクアドルの首都キトに戻り、メキシコに飛ぶチケットを取っています。
そう、次に向かう国はメキシコ。
先進国とまでは言えないけど、中米の中ではおそらく一番栄えている国。
大都市メキシコシティなら、きっと、ちゃんとしたCANONの修理センターがあるかもしれない。
もしかしたら、前回お世話になったロンドンみたいに日本人の駐在員もいるかも。
私の従兄弟も以前転勤でメキシコに住んでいたし!
街に戻ってwifiが繋がったら、まずはロンドンCANONの成田さんに相談のメールを入れてみよう。
それから、メキシコのCANONの事も調べなきゃ。
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しばらくすると、ビーチからみんなが戻ってきました。
「uca、大丈夫!?」
「うん。さっきはありがとう。
ところで、フラミンゴは見れた?」
「遠くに一匹だけね。」
やっぱりね。
大した事ないと思ったもん。
ガラパゴス諸島のフラミンゴなんてさ。
もうーーー行かなければ良かったよ~!!!
なんて、
後から言ってもしょうがないけど。
「uca、カメラはちゃんと乾かしてる?お米は入れた?」
とデンマーク人のJoachim。
「ううん、どうやってやるの?」
「袋に入れて・・・ね、Angelo、お米をもらっていいかな?」
シェフにお米をもらい、
袋にたっぷりの米粒を入れて渡してくれました。
「この中にカメラを入れておきな。」
「え!?でも、ここから中にお米が入っちゃうよ!」
湿気がこもるのを防ぐためにレンズとボディはばらしているので、
接続部分の丸い穴はガラ空き状態なのです。
「でも、こうするとお米が水分を吸ってくれて乾きも早いんだ!
そうすると、3日後には復活するかもしれない。
とにかく試してみな!」
「そうかなぁ。」
スマホ用の水没対策が、このどでかい一眼レフに通用するとは思えないけれど、
まあ、原理として米粒が乾燥剤の役目を果たすのは理解できます。
とりあえず言われるがままに、お米をなみなみと入れた袋を2個用意して、
片方にはボディを、片方にはレンズを入れて、口をしっかり締めて、
日が差し込む窓際に置いておきました。
これから72時間放置か。
長いなぁ。
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そうこうしているうちに、船はバルトラ島付近に到着しました。
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バルトラ島。
そう、私が最初にガラパゴス諸島に下り立った場所。
飛行場のある小島です。
ここで、4人とのお別れの時がやってきました。
私より4日前にこの船に乗っていたスペイン人のJordiとAnna、デンマーク人のAndersとJoachim。
彼らは一足先にツアーを終えて、この船を降りてしまうのです。
一人ずつハグをしてお別れの挨拶。
思わず泣きそうになってしまいました。
みんな本当にいい人たち。
親切で優しくて明るくて楽しくて、でもちゃんと礼儀もあって。
デンマーク人の仲良し二人組なんかは、私より一回り近くも年下なのにすごく頼もしかったし、
でもかわいくてイケメンでw 本当にいい子たちだったなあ。
この4人と、もちろん私と一緒にこの船に残るNickとKarinのおかげで、
ツアー前半は楽しい思い出しかない。
今朝の大惨事を除く、だけど。
Buen Viaje!!!
旅の出会いは一期一会。
みんな、気を付けて。
それぞれの進む道が素晴らしいものでありますように。
良い旅を!!!
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3人になってしまったゲスト。
狭い船内がガランとして、やっぱり少し寂しいな。
ランチタイム。
美味しいご飯も今日はあまり喉を通りません。
やっぱり、ダーリンの水没はショックが大きすぎて。
カラ元気する力もなくて、でも雰囲気を悪くしたくなくて、
お昼のシエスタタイムは部屋に引き込もっていました。
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午後のアクティビティの前に、入れ替わりでニューゲストが一人加わりました。
ルーツはジャマイカにあるというアメリカ人の男性Benjamin。
大柄で豪快、今までのゲストとは随分と違った雰囲気です。
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シエスタが終わり、午後の部始動。
ツアー中日の今日は、ゲストの入れ替わりもあってゆるめの行程。
シュノーケリングも今日はお休みです。
これから向かうのは、バルトラ島付近、サンタ・クルス島北部に位置するカレタ・トルトゥガ・ネグラ。
黒い亀の入り江という意味。
午後は島への上陸はなく、まったりとボートクルージングを楽しみます。
60DとGoProを持ってディンギンへ乗り込みました。
ボートは船を離れ、ゆっくりと湾を漂います。
心ここにあらずでボーッと景色を眺めていると、
「見て!アオアシカツオドリ!」
そこには、ペンキを塗ったように鮮やかな水色の足を持つガラパゴスの固有種、
3羽のガラパゴスアオアシカツオドリが!
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井戸端会議してるみたい!
ひょうきんな顔が愛くるしい♪
会いたかったガラパゴス固有種の動物のひとつ、アオアシカツオドリを前に、
シャッターを切る手が止まりません。
改めて思う。
60D持ってきといて良かったぁ!!!
なんだか、少し元気が出た。
改めて周囲を見渡すと、
マングローブの森に囲まれた穏やかな海、柔らかいブルーの水面はとても美しく、
少しずつ景色を楽しむ余裕も出てきたようです。
しかもここ、
実は超穴場スポットで!
あちこちにエイの群れの影。
シャッターチャンスを逃して写真に収める事はできなかったけれど、
このエイ、時折海面をジャンプをするんです!
こんなアグレッシブなエイさん初めて見た。w
ディンギンはやがて、木々生い茂る水路の奥深くへ。
そこは、
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サメがウジャウジャ、
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ウミガメもウヨウヨ!
ガラパゴス固有のハンマーヘッドシャークのベイビーも、突然その姿を現してくれて!
まさに海の生き物パラダイス!
みんな大興奮!!!
「ここでシュノーケリングしたいなー」って。
Edger曰く、ここで泳ぐ事は禁止されているそうだけど。
ウミガメも時々水面に顔を出すのです。
呼吸しているのかな?
茂みの奥には足長鳥も。
「uca, Are you OK? Did you enjoy?」
とKarin。
「うん!ここ、すごく好き!」
落ち込む私を暖かく見守り、
少しでも元気になってほしいと願うその気持ちが伝わって、
申し訳なさでいっぱいになります。
ツアーの雰囲気を壊したらダメだ。
それに、せっかくのこの素晴らしい機会をめいっぱい楽しまないとな。
あまりにも衝撃的すぎて、
それは、
私の中では、事故に遭遇して怪我をしてしまった事よりも遥かに大事件で、
今朝のあまりにもショックな出来事を、
たった半日で忘れてしまえるほど、気持ちの切り替えは簡単ではないけれど。
それでも、
午後の穏やかなボートクルージングと、
美しい景色や動物たちに癒されたのは確かです。
さあ、私たちのうちへ帰ろう。
ビールでも飲もうかな!
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Angeloの美味しい晩ご飯。
夜はもりもり食べられました!
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ベッドに入っても、
あの転倒水没の瞬間の映像が脳裏にチラついてなかなか眠れないけれど。
本当は、頭の中では分かっている。
あんなに海水をかぶって、精密機器の一眼レフが普通の状態に戻るわけがない。
カメラが瀕死の状態に陥っている事を。
でも、願わずにはいられないのです。
どうか、ツアー後半、
ダーリンが復活しますように、と。
せめて、ガラパゴス諸島の旅が終わるまでの間でいいから。
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<メールをくださった方へ>
前回の記事で認識に間違いのあった内容を、CONTACTフォームからご連絡をくださって、
優しくご指摘いただきありがとうございました^^
該当箇所を削除させていただきました。
ちゃんと記事の内容を読んでくださり、勇気を出してメールしていただいた事を心から感謝致します。
直接お礼のメールを送りたかったのですが、何度返信してもエラーになるのでここに書かせていただきました。
本当にありがとうございました!
当ブログに謝った認識の記載を見つけたら、是非お気軽にお伝えいただけたら幸いです^^
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