大ピンチ!イスラエルを出国できない!
それは、イスラエル出国前日の出来事。
ムスリム地区の記事でも書きましたが、この日は長蛇の列が出来る前の早朝からゲート前にスタンバイして、
kazu君とイスラムの聖地「岩のドーム」のオープンを待っておりました。
私たちの次にやってきたのは、オリーブ山のイブラヒムじいさんの宿に泊まっている日本人の子たち。
時間を待つ間、しばし何気ないお喋り。
「ルートは?どこを回ってきたの?」
旅人同士のお決まりの会話。
「私はね、ここの前はアイスランドに行ってたの!
オーロラ見られなかったけどね(ノ∇・、)
で、ロンドン経由で空路でイスラエルinしたよ!
※心配していた入国スタンプも、問題なく回避できたから安心したよ~♪」
※注 心配していた入国スタンプ
イスラエルの厄介な問題。
出入国の際、イミグレでパスポートにスタンプを押されると、イスラエル入国履歴が残り、
主に、イラク・レバノン・リビア・サウジアラビア・スーダン・シリア・イエメン・ソマリアの
入国が認められなくなってしまうのです!(イスラエルと仲の悪い国)
上記国以外にも、アラブやイスラム諸国で入国拒否の可能性もあり。
情勢によって変わります。
よって旅行者たちは、スタンプの代わりになる別紙の証明書をイミグレで受け取るのです。
「でね、明日はキング・フセインから国境を抜けてアンマン(ヨルダンの首都)に行くんだ〜♪」
すかさず、
「それ、無理です」
・・・はぃ(・▽・;)?
京大生の知的で博学な若者hisashi君がサラリと。
「キング・フセインでは、ヨルダンビザ発行されませんよ。」
え、えええええ~~~~~(((((°▽°;)!?!?
説明致しますと・・・
ヨルダン入国には観光ビザが必要、日本人は無料で発行されます。
ヨルダンの国境や空港で取得できるこのビザ。
イスラエルとヨルダンの間で開いている国境は以下の3つ。
1.北のシェイフ・フセイン橋
2.真ん中のキング・フセイン橋
3.南のエイラットからアカバへの国境
で、ヨルダンの首都アンマンに一番近い国境は真ん中。
ここを行ったり来たりする旅行者が圧倒的に多いので、なんの疑問も持たず調べもせずに、
当たり前に国境を抜けられるものだと思っておりました。
しかし、実は2のキング・フセイン橋は、パレスチナ人がヨルダンを行き来するために作られた非公式の国境で、
外国人にはビザが発行されないとの事!!!
だから、空路でヨルダンinしてヨルダンビザを取得してから、キング・フセイン橋を超えてイスラエルに入り、
またこの国境を逆戻りしてヨルダンに再入国する旅行者が圧倒的に多い。
それか、空路でイスラエルinした人たちは、南のエイラットからヨルダンのアカバに抜けるか。
※エイラットの国境では問題なくヨルダンビザが発行されますが、
問答無用でパスポートにスタンプを押されたという被害者(?)がまわりに続出しているので、
重々注意して、きちんとNO STAMPの意思を告げ、
押されないように係員を見張っていてくださいね!
★
★
★
頭、真っ白。
なぜならば、明日の夜、アンマンで友人と待ち合わせをしているから!!!
1と3の越境の選択肢はない。
どうしても、明日中にキング・フセイン橋を抜けて、アンマンに辿り着かなければいけない。
でも、そこではヨルダンビザが発行されない、と。
どん詰まりだ・・・(T∇T)!
どうする、どうするuca落ち着け(>д<)
そうだ!
閃きが突然雷のように舞い降りてきた!!!←大げさ
ヨルダン大使館に行ってビザを発行してもらえるかも!
でも、何日かかかるのかな。
残された時間は今日の午後のみ。
今日は火曜日、うん、平日だ。
慌てて「地球の歩き方」をチェック。
すると、ヨルダン出国情報のページに、
テルアビブのヨルダン大使館で、ビザが即日発行
と書いてある!!!
神様゜*。(*´Д`)。*°
エルサレムからテルアビブまでは片道所要1時間半。
大使館の閉館時間は記載されていなかったけれど、きっと午後3時4時までは開いてるはず!
よし、いける!!!
と、間髪入れずhisashi君、
「テルアビブでビザを取ったら、イスラエルの入国履歴残っちゃいますよ。
この後アフリカを南下するなら、スーダンに入れなくなりますよ!
それはもったいないです。
エイラットからの越境を僕はオススメします!」
うぎゃ!盲点!!!!
そうかそうか、そんな問題もあったか。
ややこしいぞ、イスラエルヽ(≧Д≦)ノ!!!
どうしよう。
岩のドームを目の前に、頭フル回転。
テルアビブの大使館でヨルダンビザを取り、明日キング・フセインからヨルダンへ入国、アンマンへ。
↓
アフリカ南下の際スーダンを通れなくなるので、飛んで回避しなければいけない。
明日エイラットへ南下して一泊。明後日アカバへ越境。
↓
イスラエル入国履歴は残らないが、友人には会えない。
よし、決めた。
前者で行く。
だって、せっかくイランからヨルダンに飛んでくる友達に、絶対会いたいもん。
アンマンで会おうねって約束してたんだもん!!
スーダンは捨てた。他にも行けない国は出てくるけど、私のパスポートの残り期限はあと1年。
パスポートを作り替えちゃえば、履歴なんて残らないしねっ。
そうこうしているうちに、「岩のドーム」オープン時間をまわり、ゲートが開きました。
1時間ほど「岩のドーム」を堪能した後、hisashi君にたっぷりお礼を言ってお別れ。
だって、彼は私の救世主!
今日の朝、彼に出会わなければ全てアウトだった。
翌日のキング・フセイン橋の国境で、ヨルダンに入れてもらえず突っ返されるところだったもの!
(実際エルサレムに強制送還させられるそうです★)
本当に本当にありがとう、hisashi君(≧∀≦)!!!
そしてそして、イスラエルでずっと一緒だったkazu君ともここでお別れ。
彼は今日エイラットへ下り、国境を超えてアカバからペトラ遺跡に向かう。
また、エジプトのダハブ辺りで再会できるといいな。
kazu君も、いっぱいありがとねo(^▽^)o!
時計は9時を回ろうとしている。
もしかしたら、大使館でビザがスムーズに取れないかもしれない。
万が一って事もありえる。
途中WI-FIの拾える旧市街のカフェで、イランにいる待ち合わせ予定の友人に、
LINEで事の顛末を一報。(便利な世の中になったもんだ。)
そして、宿へ猛ダッシュ!
宿に戻って、事情をオーナーに話してみました。
「今からテルアビブに行って、ビザを取ってきます!!」
「テルアビブのヨルダン大使館は現在閉鎖しているよ。」
「なぬーーーーー!!!!!」
一難去ってまた一難とはこの事!?
と、オーナーさんから救いの一言。
「ここから近いラマラという所にヨルダン大使館があって、そこでビザを取得できるよ。
パレスチナ自治区内にあるから、イスラエル入国履歴も残らない。
この宿の裏のバス停から30分で行けるよ。」
神様、ここにもおわしました〜(人´∀`).+゚.。o★
それって、願ったり叶ったりじゃないですか!
場所はエルサレムから近いし、
入国履歴が残らないならスーダンだって行けちゃうし、←これに関しては実際はどうなのか不明ですが
明日アンマンに辿り着いて友人にも会える!
ああ、ゴッドもアラーも私を見捨てなかった!!!
そうと決まればモタモタしてられない、いざラマラに出発です!
宿泊している宿「ラムシスゲストハウス」のすぐ裏手のバス停から、
ラマラ行きのバスに乗り込みます。
エルサレムからあっという間に到着。
ここ、ラマラもパレスチナ自治区内。
地図もない、ガイドブックにも載っていない、情報もない。
右も左も分からないところにポトンと落とされてちょっぴり不安。
近くのお土産屋さんに飛び込み助けを求めると、英語を話せるスタッフが快く対応してくれて、
紙にアラビア語で「ヨルダン大使館」とメモしてくれ、タクシーが拾える場所まで地図を書いて教えてくれました!
この旅で、何度優しい現地人に助けてもらっただろう。
深々と日本式に頭を下げてお礼を伝え、
タクシーを拾い、辿り着いた先が、
街から随分と離れた、急な坂の途中にある建物。
★
★
こちらがヨルダン大使館です!
ビザ申請の書類を記入して・・・
て、英語部分の左端が印刷が切れて分かりにくい〜!
ちゃんと印刷されているのをちょうだい!って言ったら、
ないから、それ記入しなくていいよ〜って。
なんてザッとしているんだ( ̄∇ ̄;)
写真やパスポートを提出して、待つ事1時間?もうちょっと?
とにかく長い事待たされて、しびれを切らして催促したら、
「あ、できてるよ。」って。
できてるんなら早く言えやーーーーーーψ(#`∇´)ψ
と、そんなこんなで、無事ヨルダンビザをGETし、パスポートが手元に戻ってきたのでありました♪
用事が済んでしまえばさっさと帰ろっ!!
坂を下った大通りでタクシーを拾い、バス停へ向かい始めてすぐ。
何やら嫌な予感がしたんでしょうね。
おもむろにパスポートを取り出しパラパラとめくって見ると、
ないッ!!!
イスラエルに着いた時、テルアビブの空港のイミグレでもらった、
別紙入国スタンプの小さな紙がなくなっている!!
先ほどのヨルダン大使館で、パスポートを提出する際にちゃんと確認していました。
別紙スタンプが挟まっている事を。
それが、戻ってきたパスポートから消え去ってしまっているのです。
「すぐヨルダン大使館に戻って!!!」
タクシーですぐさま引き返し、職員に問い詰めました。
「パスポートに挟んでいた入国スタンプの紙がなくなっているんだけどっ!
返してください!!」
職員、アタフタと探してみるものの、デスクは書類の山。
到底見つかりっこなさそうな。
案の定出てこない。
大使館の職員が
「あれはコンピューターで管理されているから、無くなってもNo Problemだよ。」
そんな無責任な事言って〜(>д<;)
「困ります!明日キング・フセイン橋から国境を超えてヨルダンに向かうんです。
イスラエルに入国した証明書がないと!」
「大丈夫、大丈夫。」
上司みたいな人も出てきて私をなだめる(笑)
大事な大事な物を無くすなんてひどいよ〜(。´Д⊂)
本当に大丈夫なのー!?
不安を拭えないまま、
でも、ないものはない。
これ以上駄々をこねても時間ばかりが過ぎて行くし、仕方なく大使館を後にしました。
大使館前に待たせていたタクシーに乗り込んでバス停に辿り着くと、
もちろん、当初の言い値の、倍の値段をふっかけられましたよね(苦笑)
応戦したものの聞き入れてもらえず、
お金を渡してサッサとタクシーを降り、
腹ごしらえに特大チキンケバブを頬張ってイライラを収め、
エルサレム行きのバスに乗り込みましたとさ!
★
★
はぁ、ドッと疲れた、慌ただしく長〜〜〜い一日。
早朝から夕方まで焦りと不安と安堵と怒りと、ちょっぴり冒険。
身も心もクタクタ。
とりあえず、明日、無事に国境を超えられるといいな。
そして、改めて、
hisashi君、ラムシスゲストハウスのオーナー、ラマラのお店の人に心から感謝(´ω`*)
文章だらけの記事になっちゃいました★
イスラエルに空路inしてキング・フセインからヨルダンへ抜ける方、
ご参考になれば幸いです♪
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