【カミーノ34】私を悩ます最大の敵
＜カミーノ35日目＞
痒い！痒い！痒い！
痒くて眠れない！！！
これははたして蕁麻疹なのか。
昨夜から発症した原因不明の痒みに睡眠を奪われて、
ボーッとした頭でACEBOのアルベルゲを出発した早朝。
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ヤギちゃんたちに挨拶して。
集落を出ると再び山道に。
イラゴ峠のてっぺんを越えたACEBOはまだ山の中腹で、
MOLINASECAまではしばらく下り道が続きます。
昨日に引き続き、
膝への負担を吸収するよう、小刻みな歩幅で慎重に。
途中で陽気なメキシカンに出会いました。
Emmanuel、通称Emmaちゃんは（勝手に名付けた）私と同じ世界放浪トラベラーで、
今までで旅した国は84カ国。
え？私と一緒！？
しかも年齢も同じ。
彼は日本に来たことがあるし、私も今年の初めにメキシコを旅してた。
意外な共通点に盛り上がり、お喋りしながら山の麓まで一緒に歩きました。
お互いの旅話に花を咲かせながら歩いていたらあっという間。
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峠の下りの終着点。
7つのアーチを持つ「巡礼者の橋」がかかった、MOLINASECAの街に到着。
完全無風、ピタリと動きを止めた水鏡に見事に反射する教会と石橋。
今まで通過してきた村の中でも一、二位を争う美しさかもしれない。
路地の雰囲気も素敵だし、この街に泊まりたかったなーなんて思いながらも、
ACEBOからまだたった8km。
ここでとどまるわけにはいきません。
Emmaちゃんはこの街で、少し先を歩いていた仲間二人と合流。
彼らは暗闇の朝3時にアルベルゲを出発してから40km以上も歩いてきたそうで、
今日はMOLINASECAをゴールにしてここで一泊すると言います。
40kmかぁ！
想像つかない未知の領域だわ。
旅した国の国旗ワッペンをびっしりと縫い付けたEmmaちゃんのバックパック。
って、あれ。
JAPANがないじゃないのよー！ハポンはどうしたー！？
「日本はないんだ。」
と申し訳なさそうに笑うEmmaちゃん。
ワッペンをGETしに、もう一度ハポンに来くるべし！
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BUEN CAMINO!
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Emmaちゃんたちとはここでサヨナラ。
橋を渡り、街を抜けたところで、
こんな石碑を見つけました。
見慣れた文字に近づいてみると、
2009年6月4日
JAPAN・SPAIN CAMINO交友記念碑
お遍路！
四国八十八ケ所。
カミーノよりも断然過酷で厳しいという噂の我が日本の巡礼道。
いずれ挑戦・・・・
する予定はありません。（笑）
ストイックは追求できない。
でも、世界中でたった二つだけの道の世界遺産、
一つはもちろん今現在挑戦しているサンティアゴ・デ・コンポステーラの巡礼路で、
もう一方は日本の熊野古道。
こちらはいつか歩いてみたいですね。
二つの道を踏破した者にだけ与えられる共通巡礼証明書。
この調子で行けばサンティアゴは達成できるはずだし！？（た、多分ね！）
熊野古道にもいくつかルートがあるみたいだけど、
30kmとか、70kmの道は2、3日で達成できそうなボリューム。
日本だからいつでも気軽に行けますしね！
いつか熊野古道を歩いた暁には、CAMINO & KUMANOの共通巡礼証明書をGETして自慢したいと思います！w
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石造りのマスカロン橋を渡って、
PONFERRADAの街のオシャレなカフェでひとやすみ。
ジェラート・トリプル♪
私の好きなフレーバーを寄せ集めると、いまいちインスタ映え（？）のしない配色になってしまいます。
チョコ、キャラメル、コーヒー、ヨーグルト、チーズなど、白、茶色系統が好み！
このカフェで、最近道中でたびたび顔を合わせているブラジル人のerikaと再会。
彼女は少し足を痛めてしまったようで困惑の表情を浮かべていました。
「私はカミーノの序盤で膝を壊してしばらく歩けなかったの。
絶対に無理はしないでね？」
Erikaはたった今、街の真ん中にそびえるテンプル騎士団の居城、ポンフェラーダ城を見学してきたのだとか。
今日はたまたま入城無料の日なんですって！
お城はちょうどカフェの目の前だし、
いつもならカミーノの道中で観光をほとんどパスしてしまう私ですが、
今回はerikaのすすめもあって訪ねてみることにしました。
というわけで、
いざ、テンプル騎士団のお城へ潜入！
＜即席マメ知識＞
1178年、レオン王国フェルナンド2世の命で築かれたポンフェラーダ城は、
1312年までテンプル騎士団の拠点として機能していたそうです。
ふむふむ。
フリーデイにしては閑散としていたお城の敷地内。
各部屋は博物館になっていて、資料や書物、当時の衣装などが展示されていました。
中世では極東ジパングがこのような形に認識されていたのか。
なんせあまり興味がないので展示物はほとんど素通りだったのだけど、
高台の立地ゆえに城壁からの見晴らしは素晴らしく、
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山々に囲まれた素朴な街並みは美しくて、
この景色を見ることができただけでも訪れて良かったと思えました。
黄色く乾いた広大な平野が終わったことを実感。
これからは緑深きガリシア州に突入していくのです。
お城を出て街の薬局に寄り道。
痒み対策に抗ヒスタミンの錠剤を買いました。
しっかり効いてくれよ〜！
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ポンフェラーダを出てしばらくは特に面白みのないアスファルトの道路が続きます。
病院の敷地内を横切る道を歩いていたら、
建物の窓柵から覗く何者かと目が合いました。
入院患者さん・・・？
ではなくて、
ふてぶてしい表情が愛くるしいブチ猫ちゃん！
のびーーーーっ
チッチッチ
おいでおいで。
始終孤独な歩き旅。
動物とたわむれる束の間のひとときがささやかな癒しです。←暗い
しばらくブチと遊んでから、
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珍しく住宅街の中を突っ切る順路を辿って。
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ポンフェラーダで道草を食ったので到着がすっかり遅くなってしまいました。
時刻は15時。
今日はここまでにしよう。
適当なアルベルゲにチェックインします。
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宿に着いて洋服を脱いだ瞬間、
待っていましたとばかりに忌々しい痒みのヤロウがみるみる全身を襲い始めます！
歩いている時は不思議と収まっているのに。
昨夜から突然体に異変が起きてから、
腕に足に体中に小さなポツポツがブワーッと吹き出して、
我慢できずにボリボリと掻きむしってしまう。
瞬く間にお肌はカサカサ。
特に夕方から夜間にかけてがひどく、気が狂いそうになるくらい痒くてまともに眠ることができません。
今日は食事中のお酒も自粛します。
多分、アルコールは体を温めてさらに痒みを引き出してしまうから。
疲れた体に冷たいビール。
お料理とともにまったり味わうボトルワイン。
ああ、歩いたあとの大きな楽しみの一つなのに（泣）
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カミーノも終盤に差し掛かり、ここにきて突然体内に侵略し暴れ出した謎のかゆかゆ星人。
私の睡眠を奪い、
飲酒のご褒美を奪い、
気力も体力もジワジワと奪ってゆく。
こんなことは初めて。
痒みと不安と睡眠不足で参ってしまいそうです。
私の体、一体どうなっちゃったの！？
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■カミーノ35日目
2017/6/21 （水）
El Ganso – CAMPONARAYA ＜25km＞
アルベルゲ / La Medina ドミ10ユーロ Wifi ◎
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